kensyou_jikenboのブログ

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2015-01-01から1年間の記事一覧

槇氏記事とZHA位置付けの実態

昨日(11月27日)になって、9月16日槇氏インタビュー記事が転載されている。 ”新国立競技場問題にもの申す ザハ・ハディドは日本的な曖昧さの犠牲者だった 発注者と監修者、設計者の役割分担の検証を”2015/11/27 (出典:ケンプラッツ2015年9月16日) 特に重…

(続)アーチタイとプレストレストコンクリート

昨日記事の補足で、結論は無いが当方メモとして記載。 西川氏記事を再考してみると以下の記述がある。 (1)<プレストレストを導入しなければ十分な剛性を確保できない> (2)<梁の中のPC鋼材はアーチ両端部で固定する> これからすると、PC鋼材を2つの用途で…

アーチタイとプレストレストコンクリート

昨日記事で紹介した構造専門家の西川氏は<全長350m以上で5〜8m角の断面の梁となると、プレストレストを導入しなければ十分な剛性を確保できない。>と述べておられる。後日「登場者検証」の続きで「構造専門家の方々」について書こうと思っているが、その前…

アーチタイの問題点追加

昨日取り上げたBrutus記事も「(五輪までに)建てられなかった」ことは念頭に無いようで、それがなかなか真相に至らない大きな理由と思う。「建てられなかった」ことを更に明確化する補強論点として、アーチタイの問題点を2点追加する。なお、以前に「中止を…

Brutus記事 (追記「大成建設落札予想」)

「Casa Brutus」という雑誌で以下の記事が出ている。経緯記述は分かりやすいが、まとめや解説は疑問に思える点が多いので引用して論考する。 ”【緊急特集】新国立競技場は誰がつくるのか?”November 21, 2015 Brutus <五輪のメーンスタジアムとして使われ、…

「JSC・大成建設劇場」の可能性

昨日記事で車道の廃止は関係大臣等で調整すべき事項と書いたが、その他でも新整備計画進行において様々な調整が必要になってくる。その際には省庁横断で強い権限を持つ調整役の存在が必須。和泉総理補佐官がそれを努めて、「和泉劇場」が今後本格的に始まる…

サブトラック

昨日紹介の11月13日記事ではサブトラック問題も取り上げた。その補足。 まず皆さんも見られていると思うが、「新国立競技場整備事業の技術提案等審査委員会」による「業務要求水準書(案)」(8月26日)でサブトラックは絵画館前広場に設定されている(下図…

槇氏インタビュー記事(日経アーキテクチャ)

森山氏ブログの11月15日記事で当ブログを紹介して頂いた。これについて当方は全く関与していなくて、同氏の御判断で実施されたものであるが、当該記事は「遠藤秀平」氏の力作と男気を紹介した秀逸な内容と本問題での同氏の影響力で相当のアクセスが有ったと…

現在の神宮外苑の根本的問題点

外苑に関して、槇氏指摘の「絵画館前広場の軟式野球場使用と一般立ち入り禁止状態」批判に同見解ということは以前から述べてきている。ただ、更に根本的問題があると考えている。以下に外苑の概略図を示すが、苑内に道路(車道)が多すぎるのではないか。 大…

登場者検証10 「建築家の方々」とソーカル事件

アーチタイ問題を追ってきて、改めて実施設計図面を確認すると、アーチタイはごく簡単にしか書かれていないが、それでも疑問点が出てきた。実施設計の断面図を示し、それに対する疑問点を記す。 (1)~(6)のような点についても、建築設計業界で検証頂ければと…

登場者検証9 「槇文彦氏」

まず昨日記事において「建築設計業界全体でJSC公開情報からでも検証いただけないか」としたが、考えてみると当方もやってきたことだった(笑) それを今更何故書くことになったかと思い返すと、同業界における本問題の扱いで、そのような図面等を基にした突…

登場者検証8 「安藤忠雄氏」

当ブログの新国立競技場問題で第1回が「安藤忠雄」氏だった。それ以来の同氏で、今月号の「芸術新潮」という雑誌に村上隆氏との対談が載っている。新国立競技場に関する発言もあったので以下に抜粋記載(項目分けや箇条書きへの変更、( )内注釈等は当方実施……

登場者検証7 「和泉劇場」

昨日[追記]で書いた「和泉劇場」について相関図概要を作成してみた。 ざっくり挙げてみただけでも関与者の多さに改めて驚く(当然だが上図は更に細分化されて多くの組織と人が関与する、総勢一体何人ぐらいになるのか見当もつかない)。こうして見ると「集団意…

登場者検証6 「ゼネコン・JSCと和泉氏」

昨日記事からの続きとして、和泉氏とゼネコン・JSCの係わり合いを考察。関係を時系列で見ると「本年2月・3~4月・5月以降」の3期間に分けて考えられるのではないかと思っている。 ①2月…JSCを飛び越えてゼネコンが動いた ■JSC(検証報告書)… →以降は当方見解…

登場者検証5 「和泉総理補佐官」

昨日紹介した検証委員長の記者会見はなかなか興味深く、柏木氏は検証対象外だった「総理決断」についても個人的見解を次のように述べている。(42分頃~) <あそこで止めるべきかという決断は非常に難しい決断だったですね。工期が間に合わないということで…

登場者検証4 「検証委員会」

検証委員会を再開すべきと主張して来ているが、実際にも検証委員長が「見積り乖離の理由は検証しきれなかった」と会見で明言しており、その原因として「時間と専門家(見積解析)」の不足を挙げていた。 時間は今からでもやれば良いし、積算専門家は官邸に国…

登場者検証3 「JSC」

日建設計とJSC(日本スポーツ振興センター)との初期の係わりについては、鬼澤理事の前任者である「藤原」元理事のヒアリングで以下のように言及されている。 <○ 平成25 年7月2日13 時、設計JVの幹事社である日建設計から1,700 億円から2,000億円かかる…

登場者検証2 「日建設計」

昨日検証で、内山氏発言から「ZHAはプロジェクトに関わり続けることが至上命題だった」ことを示した。関与し続けて売上を上げていくことが目的となる。これによって「ザハ案で幾ら難点があらわになっても、そのまま維持され続けた」と云う文藝春秋9月号由利…

登場者検証1 「ZHA」

昨日100回に達したが、これまでの経過で様々な知見も得られたので、新たな観点から旧整備計画の登場人物や組織について「登場者」として検証を行っていく。本日は「ZHA」(ザハ・ハディド・アーキテクト)。 (以下項目のうち、②については間違いが判明したの…

白紙化の要因…現時点での見解

新国立競技場問題での当ブログ記事が何と100回目に到達してしまった(苦笑) 書き始めた時には思いもよらなかった回数だが、まだ書くことがあるという大きな対象になった。本日は区切りとして「白紙化になった要因」に関する現時点での見解を記す。 当ブログ…

ゼネコン検証1…見積りに関して

一昨日記事で紹介したように、内藤氏はザハ案でのゼネコンの動きに批判的で<工期が間に合わないと言うほうがおかしい>と言いきっておられる。ZHAも「ゼネコンの選定が競争原理の働かない方式だった」とか、「ゼネコンと打合せが出来なかった」とかの批判を…

JSC検証及び内藤廣氏研究4

「週刊ダイヤモンド」2015/10/03号に特集記事”新国立競技場問題 繰り返される失敗の本質」があった。冒頭にJSCの内幕に関する次の記述がある。 <「日建設計に聞いても何も答えないし、頼んだこともやらない。文部科学省もとにかくやれと言うだけだ。一体ど…

内藤廣氏研究3 「設計チームとの係わり合い」

延期していた内藤廣氏研究3回目。まず以前記事で抜粋を紹介した内藤氏のご経歴(同氏事務所HPより)。 ------------- 1950 神奈川県横浜市に生まれる 1974 早稲田大学理工学部建築学科卒業 1976 早稲田大学大学院にて吉阪隆正に師事、修士課程修了 1976-78 …

由利氏記事の的確性

昨日記事で文藝春秋9月号由利俊太郎氏記事の信憑性が更に上がったと書いた。改めて記事表紙を見てみると副題で”「ザハ案では震度7に耐えられない」。予算倍増の原因を政府は看過していた”となっている。 検証委員会は耐地震のコスト増に踏み込めず報告書に…

「ザハ事務所から日建設計に移籍のニュース」

日経アーキテクチャで以下の記事が出ていたので引用。→以降は当方コメント。 "ザハ事務所の内山美之氏が日建設計に移籍 「新国立」設計を通じて日建設計が求めた英国の知恵" (会員用)2015/10/19 -----引用開始----- ――新しい整備計画の公募に日建設計とザ…

基本構造再検証5 「アーチタイ2」

⑨アーチタイ2…実用例 (1)建設途中での使用 ”鋼製アーチリブ(Φ1400)の一括リフトアップ架設” (下図⑤~⑦にアーチタイの撤去処理記載) (2)スラスト力を両側に作用させるのが難しい場所での使用 ”パリに真っ赤な「太鼓橋」” (Japanブリッジ) <本橋の設計条…

基本構造再検証4 「アーチタイ1」

キールアーチ支持構造変遷の最後になる「アーチタイ」について2回に分けて検討。 ⑧アーチタイ1…アーチタイ含む屋根フレーム形状 アーチタイの話に入る前に<政府の了解さえ取れればすぐにでも確認申請提出の準備をしていた>(またろ氏)という件ですが、当方…

基本構造再検証3 「スタンド免震」

⑦スタンド免震 <日経アーキの記事では、最終的にアーチトップを70mに抑えるために可変曲率の採用やアーチの傾きの調整「だけで」対応している、そこが「成立していた」根拠と考えます。成立していなければ、そんな小手先の調整では済まないはずですから。>…

基本構造再検証2 「アンカー」

⑥アンカー <コンペ時の検討ではザハ事務所とARUP社はアースアンカーでスラスト力の対処をしようとしていたのは間違いないと思います。ただコンペの時の与条件には地下鉄の情報は入っていない。これを「設計の瑕疵」と考えるのは難しいと思います。>(また…

基本構造再検証1 「屋根に対する風や地震の影響」

昨日の続きですが、またろさんもお忙しいでしょうから本件を考えていただくのも手間になるかも知れないため、ここからは当方の独自再検証の一貫として記すことにします。ただし、またろさんのコメントは引用させていただいて(<>内)、当方見解を→以降に示…