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登場者検証2 「日建設計」

昨日検証で、内山氏発言から「ZHAはプロジェクトに関わり続けることが至上命題だった」ことを示した。関与し続けて売上を上げていくことが目的となる。これによって「ザハ案で幾ら難点があらわになっても、そのまま維持され続けた」と云う文藝春秋9月号由利俊太郎氏記事との整合性が出てくる。
本来はここで日本側設計JVの中心だった日建設計が、発注者(JSC)の利益を守って行動しなければならなかった。ZHAの設計に根本的問題があれば、それを明示してJSCと話し合う必要があった。

しかし、日建設計はZHAと同じ道を歩んでしまったのではないかと当方は見ている。つまり、何があってもプロジェクトを続けて売上につなげるやり方である。根本的問題を指摘してプロジェクトが止まってしまったら、それ以上売上にならないだけでなくストップさせた責任も問われる。それなら弥縫策にもならない愚策でも、とにかく出し続けてやっていることにする。当然担当者は右往左往して苦労するが、幹部の方針はそうだったのではないか。由利氏記事の「日建設計は耐震性の問題にダンマリを決め込んだ」という対応も、これで説明がつくのではないかと思う。

また同記事だけでなく、実際に都合の悪いことにはダンマリを継続して情報を出さなかったから、JSCの鬼澤理事が不信感を持ったと推察される。結果的に設計費は実施設計分までの満額を得たと思われる。上手くやったものだと思うが、その仕上げが内山氏の移籍ではなかったか。同じ道を歩んだ仲間を取り込んでしまえば、後々何かあっても話を合わせられるし完璧である。

日建設計の中で誰が主導していたかは分からないが、少なくとも内山氏移籍の仕掛け人は山梨氏で、新コンペでZHAに声を掛けたのも同氏。もし山梨氏が主導していたとしたら、もはやお見事と称賛したいぐらいである。移籍意図の解釈は当方憶測としても、現実に大金を設計につぎ込んで、得たのが更にタイトになった日程だけというJSCや政府・国民は良いカモになったのではないか。

ただ、このような推察をしても証明するものは今まで無かったが、昨日紹介した「並行工事図」の問題が出て来た。内山氏は、キールアーチの形状や角度を何回もシミュレーションしたと述べていて、その資料が以前も紹介した下図になる。

イメージ 1

日建設計も日本側の構造担当で設計JVのまとめ役だから当然関与している。つまり、ZHAも日建設計もスタンドとベントが干渉するか、少なくともギリギリの位置に来て並行工事用のスペースが取れないことは確実に知っており、間違うことなどあり得ない。それでも無理やり「図が間違っていました」と訂正したら、並行工事が不可能な図になるから、「並行工事のメリット」の主張も撤回することになる。もはや詰んでいて逃げられない状態。両社は上手くやってきていたのに最後で見事なボロを出している。
そして単なるボロに留まらない。虚偽が含まれた設計を提出して設計料を得ていたことになる。このような事実が出てきたからには、政府は技術専門家を増やして検証委員会を再開すべき(そうすると芋づる式でアーチタイの問題なども出てくる)。

以上