kensyou_jikenboのブログ

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2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ZHAビデオ論点3,4 標準的橋梁建設技術との比較

ZHAビデオ論点整理の続き。 ”論点3:横風・地震対応” ザハ側がビデオの前に公開した声明文が有り、「アーチは標準的な橋の建設技術を使用」と書かれている。 ”新国立競技場、ザハ・ハディド・アーキテクツ 2015年7月28日” <このアーチは複雑なものではなく…

ZHAビデオ論点1,2 屋根支持、アーチタイ

ザハ側が公開した「ビデオプレゼンテーションとレポート―新国立競技場 東京」(以下ZHAビデオ、本ビデオ、ビデオ)の検証をこのところ行ってみたが、本ビデオへの反響は大きいようなので論点整理を実施。 ”論点1:「屋根はスタンドから支えるのではなくキー…

キールアーチの可撓長さ

昨日記事で河野議員ブログの検証経過報告に「キールアーチは地上に達しない長さで、250mスパン」と云う設計案があったことを記した。これをどう理解するかだが、そのまま読めば「地上に達しないキールアーチ」を持った仕様案があったことになる。 本日は…

ZHA反論ビデオと河野議員検証

通称「反論ビデオ」については森山氏が専門的な分析を準備中と推測されるが、当方も昨日に引き続きやっておこうと思う。まずザハデザインで良い所を挙げておきたい。当方が以前から感じていた長所の一つが空中歩廊「スカイブリッジ」で、ビデオでは以下のよ…

関係閣僚会議と裏方

昨日は市民運動側について書いたが、本日は政府側。 政府は「関係閣僚会議」で推進しているが、第三回会議において「再検討に当たっての基本的考え方」を説明したのが総理大臣補佐官の「和泉洋人 (いずみひろと) 」氏。 --------------------- ”新国立競技場…

市民運動などの今後対応

表題の件の前に、来日したIOC副会長による完成前倒し要請の記事。 ”IOC副会長、20年1月に完成前倒し要請 遠藤五輪相「ぎりぎり詰めて4月」”2015.8.25 産経新聞 <国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長が25日、東京都内で遠藤利明五輪相…

サブトラック問題

昨日記事本文の最後で「絵画館前広場へのサブトラック仮設」について触れたが、実際は「2020年五輪でのサブトラックについて未だに正式決定は無い」と云う状態のようである。(注:その後新整備計画では絵画館前広場に仮設決定) 経過を概略辿ってみると、ま…

槇氏初回提言(2)「絵画館前広場」

槇氏提言において、昨日ご紹介した聖徳記念絵画館前広場に関する2回目の言及は"結びの言葉"「最後に、私は今まで述べたどのシナリオになろうと・・・」になっている。読解的にも文章全体で一番言いたかったことと受け取れるのではないか。 新国立競技場計画…

槇氏初回提言(1)「もう一つの大事なこと」

これまで技術やデザイン面などを主に検証してきたが、それらと並んで重要な要素である景観問題を取り上げる。 新国立競技場問題がクローズアップされたのは、著名な建築家「槇文彦」氏による「都市景観」と「神宮外苑の歴史」という観点からの提言が大きなき…

見直し計画の工期・費用はどうなるか

政府は見直し(再検討)に当たっての方針を8月14日関係閣僚会議で” 再検討に当たっての基本的考え方”として次のように正式に打ち出した。 <今月中を目途に、スタジアムの性能、工期、コストの上限等を示した新たな整備計画を策定し、これに基づき、9月初め…

見積り空白域(2014年)と「アーチタイ追加」隠し

文科省において8月19日「新国立競技場整備計画経緯検証委員会(第2回)」が開催され、配布資料が公開された。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sports/029/shiryo/1360993.htm 資料を見ると、さすが公式資料できちんと詳細がまとめられている。…

 ”日本として「知性の放棄よりはゼロを」”

白紙見直し決定後、様々な組織が立ち上がったり急ピッチの展開を見せている。そんな中、担当大臣からマスコミに直接内幕が明かされるという異例の事態になっている。まず下村文科大臣。全文を検証したいぐらいだが一箇所だけ引用する。 ”渦中の「下村博文」…

基礎技術開発不足とコンペの考え方

このところザハ案についてデザインと機能面から検証してみたが、ザハ案が選ばれたコンペそのものについても検証してみる。 「公募開始から締切まで約2ヶ月という期間は、検討項目の多さに比して時間が短すぎた」と云う批判がある。様々出されている建築専門…

「キールアーチとフレーム構造」及びザハ側矛盾点

昨日はザハ案のデザイン面から考察してみたが、本日は機能面から考察。 まずキールアーチは中国アーチ橋と同様に美観に貢献する可能性があったが、機能面でも効用が発揮できる点があった。それは「フレーム構造」になるということである。 キールアーチ構造…

 キールアーチと中国アーチ橋

昨日記事で見直し案が「早い安いまずい」になったら、また国民に受入れられないと云う危惧を書いた。工期・工費以外の要素は色々有るが、それらも満足できる水準が必要。 中でもデザインは引続き重要。ザハ案で懲りたからと言って、デザイン軽視になったら、…

  「基本的考え方(関係閣僚会議)」と五輪担当大臣意見交換

見直しに向けた方針が官邸HP上で公開された。9月としていた整備計画策定を今月中に前倒しし、9月初にデザインビルド方式による公募ということで、ようやく政府も「突貫」モードに入ってきた感がある。 -------------- ”再検討に当たっての基本的考え方”8月14…

 JSC作成「経緯資料」と問題点

検証委員会第一回の資料が文科省HPで公開されている。 ”新国立競技場整備計画経緯検証委員会(第1回) 配付資料” この中にJSC作成の経緯資料がある。 ”国立霞ヶ丘競技場の改築計画について(白紙撤回までの経緯)” 今後検証における重要資料になると思われ、…

真実発掘20 「技術面検証の主要着目点」

検証すべき点は多数有るが、例示として大きく初期(~2013年)・中間(2014年)・最終(2015年)の三段階において、夫々で大きな課題を一つずつ挙げてみた。 -------------- (1)初期…2013年3月コンペ表彰式プレゼン案(ザハ修正案1とする)には、アンカー等の…

真実発掘19 「検証委員会は地雷を見抜けるか」

通称「第三者委員会」(正式名称:新国立競技場整備計画経緯検証委員会)が活動開始しているが、次のようにやはり工費変遷に焦点が当たるようである。 <初顔合わせの委員たちから、厳しい声が相次いだ。「予算にこだわらないと会社はつぶれる。民間では考え…

真実発掘18 「『ゼロ』がオプションでは選択されない」

河野太郎氏を本部長とする自民党行政改革推進本部などがまとめた見直しプランが政府に提出されている。 -------------------- ”新国立競技場(オリンピックスタジアム)見直しプラン”平成27年8月7日 自由民主党 (抜粋) [基本方針] 新競技場は「白紙」…

真実発掘17 「コンペ表彰式プレゼン案」

JSCのHPにコンペ表彰式の紹介があり、プレゼンの動画とその中にCGも入っている。 ”新国立競技場 国際デザイン・コンクール 表彰式” 2013年3月19日 http://www.jpnsport.go.jp/newstadium/Portals/0/NNSJ/ceremony.html これを見ると、コンペ案そのままでは…

真実発掘16 「キールアーチの飾り部材化に関して」

Twitterでまた簡潔にまとめて頂いたツィートを見た。 「キールアーチが必要な構造ではなくて、只の飾りになった段階で、破綻していた、と。」“[新国立競技場問題] 真実発掘15 「キールアーチ部に関するJSC資料記述」 ” これで気がついたのが、逆に「只の飾り…

真実発掘15 「キールアーチ部に関するJSC資料記述」

Twitterを見ていたら、当ブログ記事でお伝えしたかったことを簡潔かつ的確にまとめて頂いているツィートがあった。 "これ読むと新国立競技場プロジェクトはかなり前の段階で壊れてたんじゃないか?という疑念が起きる/[新国立競技場問題] 真実発掘11「基本…

真実発掘14 「設計会社の説明責任」

当ブログで検討を続けてきて、基本設計完了時の「基本設計書(案)」と本来それをベースに作成されるはずの実施設計入札公示資料で大きな問題が見つかっている。以前記事と重複する点も有るが、本問題にとって非常に重要であると思えるので再整理して記述。 …

真実発掘13  「基本設計のキールアーチ補足」

(本日2本目記事) このところアクセスが急激に増えたので検索などで調べてみたらTwitterで拡散して頂いていて、Twitterと云うメディアの効果を改めて感じた。それでTwitterを眺めていたら当ブログ記事「基本設計のキールアーチはデザインテイスト維持用部材…

真実発掘12 「河野議員、今こそ決起を」

本記事では一旦技術的検証から離れて、全体の問題を取り上げてみようと思う。 このところの数多くの報道などを見るにつけ、総理による白紙見直し表明後も議論が落ち着くどころか、更に沸騰し拡大中という印象である。当方も調べれば調べるほど、色々な事実・…

真実発掘11 「基本設計のキールアーチはデザインテイスト維持用部材だった」

昨日記事の「平面図からのキールアーチ検討」は、一昨日の「断面図によるアーチタイ有無判定」より分かりにくかったかも知れないが、当方は「基本設計書(案)」の以下頁の記述が以前から気になっていた。 特にA部(キールアーチ先端)の支持構造について基…

真実発掘10 「基本設計平面図のキールアーチ」

昨日記事で基本設計図の「断面図」にアーチタイが記載されていないことを解明した。 引き続いて、基本設計図には各階ごとの「平面図」もあって、それにはキールアーチの断面図が記載されている。キールアーチがどう配置されているかが概ね分かる。 6F~B…

真実発掘9 「工費変遷の裏側」

昨日記事で「基本設計の有識者会議了承から入札の間にアーチタイが追加されたのは一大偽装事件ではないか」という疑念を書いた。特に有識者会議(第5回)でアーチタイを示してなかったとしたら、虚偽資料で了承受けたことになる。ポイントは資料にアーチタイ…

真実発掘8 「アーチタイ追加経過は一大偽装事件の趣き」

これまで見てきたアーチタイに纏わる諸問題を全体的に考えてみると、これだけの根本的大問題を設計会社やゼネコン、そして発注者のJSC担当者が知らないわけがないと思われる。 特に設計会社は日建設計を中心とする4社のJV(ジョイントベンチャー)がフレーム…