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真実発掘9 「工費変遷の裏側」

昨日記事で「基本設計の有識者会議了承から入札の間にアーチタイが追加されたのは一大偽装事件ではないか」という疑念を書いた。特に有識者会議(第5回)でアーチタイを示してなかったとしたら、虚偽資料で了承受けたことになる。ポイントは資料にアーチタイが入っていたかどうかだが、基本設計と実施設計の図面比較を行うと基本設計にはアーチタイが入っていない。

以下に断面図(抜粋)の比較を示すが、入札資料にある長方形のアーチタイが入っている場合、短辺方向のアーチタイ断面が図に現れてくることになる。それが実施設計図にはあって基本設計図には無いので一目瞭然である。もし言い訳しようとしても、設計会社JVはフレームワーク・基本・実施の各設計段階通して同じだから、連携ミスなどの弁明は通らない。

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第5回第6回有識者会議資料で他にアーチタイについて記載されている箇所はない(第5回は断面図にもない)。よって「2013年5月28日第5回有識者会議ではアーチタイなしの図面で了承されて、その後入札資料にはごく簡単なアーチタイの図が入った」という経過は確実である。(5月28日会議以降から8月18日入札公示までのどこでアーチタイが追加されていても、アーチタイなし資料で承認受けたことは動かせない事実)

この経過が図面によって確定したことで、工費の変遷経過も説明がつくように思われる。以下に7月28日当ブログに掲載した工費変遷を示す。この中でフレームワーク設計と④基本設計は、アーチタイなしの仕様であるから、アーチタイの費用は入れずに見積計算されていると考えられる。(基本設計でアーチタイなしだから、その前のフレームワーク設計も同様と推察される。更にそれ以前の②は規模縮小前の見積)
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実施設計の入札公示資料には、これまでの記事で紹介している簡単なアーチタイの図をさらっと入れ込んで、後は費用も工期もゼネコンに丸投げしようとしたという構図が想定されて来る。幾らスーパーゼネコンと云えども、この状況は余りに悲惨。それでもゼネコンは何とかしようとしたと思うが、追加されたアーチタイ関連費用は巨額で吸収しきれず、まず⑤3000億円程度の見積を出して注意喚起したことが考えられる。

可動屋根の先送りなどで⑥2500億円程度まで圧縮されたが、それでも高額と云う批判が巻き起こった。ただしゼネコンにとっては費用問題だけでなく、アーチタイ付キールアーチとスタンドの同時進行工事では工期が掛かり過ぎる(と云うか工期読めない)ことが致命的。五輪に間に合わなかったら責任は計り知れない。時間が経てば経つほど追い込まれてきて、最終的に決断して政治家などに真相を伝えて官邸が動いた・・・。
もちろん細部では色々違った事情も有るだろうが、長い迷走と白紙見直しの裏側で、大筋ではこのようなことが起きていたのではないかと当方は現在推測している。

以上