kensyou_jikenboのブログ

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2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

JSC検証及び内藤廣氏研究4

「週刊ダイヤモンド」2015/10/03号に特集記事”新国立競技場問題 繰り返される失敗の本質」があった。冒頭にJSCの内幕に関する次の記述がある。 <「日建設計に聞いても何も答えないし、頼んだこともやらない。文部科学省もとにかくやれと言うだけだ。一体ど…

内藤廣氏研究3 「設計チームとの係わり合い」

延期していた内藤廣氏研究3回目。まず以前記事で抜粋を紹介した内藤氏のご経歴(同氏事務所HPより)。 ------------- 1950 神奈川県横浜市に生まれる 1974 早稲田大学理工学部建築学科卒業 1976 早稲田大学大学院にて吉阪隆正に師事、修士課程修了 1976-78 …

由利氏記事の的確性

昨日記事で文藝春秋9月号由利俊太郎氏記事の信憑性が更に上がったと書いた。改めて記事表紙を見てみると副題で”「ザハ案では震度7に耐えられない」。予算倍増の原因を政府は看過していた”となっている。 検証委員会は耐地震のコスト増に踏み込めず報告書に…

「ザハ事務所から日建設計に移籍のニュース」

日経アーキテクチャで以下の記事が出ていたので引用。→以降は当方コメント。 "ザハ事務所の内山美之氏が日建設計に移籍 「新国立」設計を通じて日建設計が求めた英国の知恵" (会員用)2015/10/19 -----引用開始----- ――新しい整備計画の公募に日建設計とザ…

基本構造再検証5 「アーチタイ2」

⑨アーチタイ2…実用例 (1)建設途中での使用 ”鋼製アーチリブ(Φ1400)の一括リフトアップ架設” (下図⑤~⑦にアーチタイの撤去処理記載) (2)スラスト力を両側に作用させるのが難しい場所での使用 ”パリに真っ赤な「太鼓橋」” (Japanブリッジ) <本橋の設計条…

基本構造再検証4 「アーチタイ1」

キールアーチ支持構造変遷の最後になる「アーチタイ」について2回に分けて検討。 ⑧アーチタイ1…アーチタイ含む屋根フレーム形状 アーチタイの話に入る前に<政府の了解さえ取れればすぐにでも確認申請提出の準備をしていた>(またろ氏)という件ですが、当方…

基本構造再検証3 「スタンド免震」

⑦スタンド免震 <日経アーキの記事では、最終的にアーチトップを70mに抑えるために可変曲率の採用やアーチの傾きの調整「だけで」対応している、そこが「成立していた」根拠と考えます。成立していなければ、そんな小手先の調整では済まないはずですから。>…

基本構造再検証2 「アンカー」

⑥アンカー <コンペ時の検討ではザハ事務所とARUP社はアースアンカーでスラスト力の対処をしようとしていたのは間違いないと思います。ただコンペの時の与条件には地下鉄の情報は入っていない。これを「設計の瑕疵」と考えるのは難しいと思います。>(また…

基本構造再検証1 「屋根に対する風や地震の影響」

昨日の続きですが、またろさんもお忙しいでしょうから本件を考えていただくのも手間になるかも知れないため、ここからは当方の独自再検証の一貫として記すことにします。ただし、またろさんのコメントは引用させていただいて(<>内)、当方見解を→以降に示…

「またろ」氏コメント返信

予定を変更して返信をさせていただくことにした。当方の言葉で書くと繰り返しになってしまうかもしれないので、「平ねぎ」さんという方が中心になって「技術の杜」という掲示板で新国立競技場の技術面を論議しておられた内容を引用して説明させていた頂こう…

内藤廣氏研究2 「国際コンペ審査での順位付け」

「またろ」氏から詳細なコメントを頂いた。ありがとうございました。大変参考になります。 (遠隔操作事件の際に荒らしコメントがあって承認制にしたため公開遅れて失礼しました) 昨日記事を途中から改題して「内藤廣氏研究」を行うことにしており、それと「…

内藤廣氏研究1「国際コンペ審査でのコメント」

市民団体「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」HP左下に国際コンペの議事録がある。その中で”第3回審査委員会(2012年11月7日)”は実質的に当選者が決定された会議になる。 或る審査委員コメントで注目すべき内容があり以下に抜粋。ただし、黒塗りの1…

”槇氏と内藤氏”

昨日紹介した槇氏の強硬発言については、以前紹介した東京新聞記事の一節と関連があるかもしれない。 ”新国立「無謀」JSC、1年前に認識 計画修正できず” 2015年6月29日 東京新聞(森本智之記者) <ハディド氏のデザインを選んだコンペの審査委員長を務め…

2014年10月シンポジウムでの槇氏発言

昨日記事の最後で2014年6月15日シンポジウムでの槇氏の様子を紹介した。発端になった景観の話は後半で、前半には「キールアーチ」の説明をしておられた。 槇氏の主張変遷に関しては、先日の「10+1」web site特集記事”新国立競技場問題スタディ─「白紙撤回」…

アーチタイ問題と建築家の方々

昨日[追記]で紹介した日経アーキ記事における構造専門家「西川」名誉教授のタイバー(アーチタイ)に関する指摘は、ザハ案評価における画期的意味を持つと思うので再掲。(昨日読まれた方は飛ばして下さい) ---再掲開始--- ”建設費3000億円の試算でも無理は…

日経アーキテクチャ10月10日号特集記事に関して2

昨日記事の「またろ」氏ツィートには以下の内容もあり、ザハ+日建の「開閉式屋根の開閉方向変更」というVE案を評価しておられるようである。 <またろ @… 10月14日 そして、ザハ+日建が提示したVE案ももう少し細かい内容が見えてきた。開閉式屋根は中止オプ…

日経アーキテクチャ10月10日号特集記事に関して1

昨日までの由利氏記事再検証で更に検討すべき点が出て来て今後書いていく予定だが、その間に発売され紹介も行った「日経アーキテクチャ(以降日経アーキ)10月10日号」の特集記事にも興味深い記述がある。同記事への反応を検索していたら、「またろ」さんと…

由利氏記事再検証5 「職人たちの奪い合い」

文藝春秋9月号記事紹介は今回で完了。対象とした技術系記述以外にも冒頭の政治的記述などがあるので全文は是非Kindle版でまとめてお読み下さい。 ------------------ 職人たちの奪い合い 総工費が二千五百二十億円にまで膨れあがった、語られざるもう一つの…

由利氏記事再検証4 「ザハ・ハディドの影響力」

文藝春秋9月号記事と考察続き。 ------------------ ザハ・ハディドの影響力 ここまで経緯を検証すると、ひとつの拭い切れない疑問にたどり着く。なぜ、難題山積のザハ案にここまで引きずられてしまったのか──。 デザインを決めた国際コンペで審査委員長を…

由利氏記事再検証3 「浮上しはじめた「撤退論」(後半)」

文藝春秋9月号記事と考察続き。 ------------------ 浮上しはじめた「撤退論」(後半) そうこうするうちに年は明けて二〇一五年。二〇一九年九月に開幕するラグビーワールドカップに間に合わせようとすれば、もはや四年半余の猶予しかない。施工側は、解決…

由利氏記事再検証2 「浮上しはじめた「撤退論」(前半)」

文藝春秋9月号記事と考察続き。 ------------------ 浮上しはじめた「撤退論」(前半) 問題は足場だけではなかった。設計JVに参加した現役設計士によると、今回のようなキールアーチを使う建築方式を業界用語で「S造」と呼ぶという。特徴としては、「い…

由利氏記事再検証1 「立ちはだかる二つの難題」

このところ検証委員会報告に基づく考察を行ってきたが、それで得られた知見等を由利氏記事と突き合わせながら同記事の再検証を行っていく。 文藝春秋2015年9月号記事を引用し後で抜粋して考察するが、全文は是非Kindle版でお読み頂きたい。 ----------------…

検証報告検証11 「アーチタイのミステリー」

これまで示してきたように基本設計ではアーチタイは無かったが、実施設計に移行してからは昨日記事のようにアーチタイを含んだ図面が何種類か登場している。では実施設計が全体的にアーチタイ付きで進んで、最終的にもアーチタイ付きで確実に設計完了してい…

検証報告検証10 「アーチタイ包含図」

ヒアリング結果で、日建設計・ZHAとも2014年6月から「実施設計」を開始したと述べている。その後にアーチタイが追加されたと想定される。 アーチタイが含まれた図の公表は、2014年8月19日のケンプラッツ(日経アーキテクチャ)記事が最初になる。それを含め…

検証報告検証9 「スタンド免震構造」

予定変更になるが、実施設計の検証に入る前に基本設計でまだ書いておくべきことがあったので追加。 基本設計書「免震構造採用」の項目において、下図のように「スタンドの柱ごとに免震装置を入れて免震層を構成する設計」になっていたと考えられることは先日…

検証報告検証8 「アーチタイ関連議論」

アーチタイについては、昨日記事の「とある***」氏が以下のようにツィートされており、「基礎梁」として言及されている。 <ネットで出回ってる設計図見ると、アーチの両端に基礎杭を打てないから、代わりにアーチの両端を基礎梁で繋いで支えるようですね…

検証報告検証7 「総理英断とザハ案」

本日はアーチタイの検証を延期して、歴史的勝利がフロックではなかったことを示したラグビーW杯の話から。日本代表はサモア戦で26-5と完勝し、W杯で初めての2勝目を上げた。他チームの勝敗で決勝トーナメント進出は厳しいとはいえまだ望みは残しているし、次…

検証報告検証6「基本設計でもキールアーチ支持問題が継続」

本日は検証報告書と河野議員ブログ内容との突き合わせを行う予定であったが、詳細な話になるので後に回し、早めに核心目指して考察を行う。 昨日記事で「フレームワーク設計」でのキールアーチ両端支持問題を書いたが、基本設計でも同問題が継承されてしまっ…

検証報告検証5 「スパン250mキールアーチ」

昨日記事のスパン250mキールアーチは、当ブログ8月28日記事”ZHA反論ビデオと河野議員検証”でも取り上げたが、検証結果報告が出て河野氏当該ブログ内容と突き合わせることも可能になった(明日実施予定)。 本日はスパン250mが大体どれぐらいの大きさになるか…

検証報告検証4 「1,625億円に至る経過」

昨日記事で1,625億円を起点とする見積り金額の考察を行った。本日は1,625億円が出てきた経過の話。 ザハ案がコンペで選定され、設計JVが入って見積もった結果がJSCに報告された。 <フレームワーク設計が開始された約1ヶ月後の(2013年)7月上旬には、設計J…