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内藤廣氏研究1「国際コンペ審査でのコメント」

市民団体「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」HP左下に国際コンペの議事録がある。その中で”第3回審査委員会(2012年11月7日)”は実質的に当選者が決定された会議になる。
或る審査委員コメントで注目すべき内容があり以下に抜粋。ただし、黒塗りの1~3位がどの案かは分かるが、伏せられた委員名は当方では特定できていなかった。(実は内藤氏だが特定方法は後述)

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同委員会を取材していたNHKの”クローズアップ現代「“迷走” 新国立競技場」(2015年7月8日放送)”に特定できる手掛かりが有った。
審査で唯一、建設費用についての懸念を示していた建築家の内藤廣さんです。

実際に冒頭の議事録を調べると、建設のコストについて懸念を示しているのは上掲審査員発言のみ。つまり内藤氏」と特定できた。コストについて言及している部分は以下になる。
コストはかかるかもしれない。長辺方向の構造体のスラストを留めるための下部構造見えない底の部分にかなりコストがかかるという懸念はあります

内藤氏はアーチ支持構造のコスト懸念を審査時に認識して指摘しておられた。
また、別の部分では「開閉部の折りたたみ機構」についても検討が必要としている。
技術系審査員や専門アドバイザーの中でも一番の慧眼だったと言えるだろう。
ただし、土木技術で200mは別に大したことはないので、橋梁技術を使えば十分可能だと思いますということで、コンパクト化後でも約370mになるキールアーチの大きさを半分ぐらいに認識し、かつ橋梁技術とは違ったものになるという見通しも持っておられなかった。(橋梁と大きく異なることは当ブログ8月31日記事”論点3:横風・地震対応”参照)

ご自身では見抜いておられたコスト高を審査に適切に反映できなかったことや、技術的見通しを誤ったことなどで、審査後も忸怩たる思いを持ち続けておられたことが想定される。
2013年になってフレームワーク設計が開始されコスト高が明らかになり、槇氏による巨大さや景観影響への批判も出てきて、何とかしなければとお考えになったのではないだろうか。それがご自身の見解発表や、ひいては槇氏との共闘につながったというのが当方の推測。

ただし「共闘が本当か?」と聞かれたら、証拠を示すにはご両人のどちらかでも真相を語って頂くことが必要。(或いは東京新聞森本記者に詳細を語ってもらう)
基本的にはお二人とも「墓の中」まで持って行くという覚悟であろう。しかし、内藤氏の審査時指摘が判明したことで、同氏のその後の姿勢に対する評価としては以下の2つのどちらかになる。
 A.審査時の痛恨のミスを自省して、自らは悪役になってもザハ側を出来るだけ傷つけないように配慮しつつ、水面下では槇氏に依頼してプロジェクトを中止させようと動いた
 B.納期に間に合わすことと折角来てもらったザハは外せないから現行仕様でやるべき、と当初から認識していた技術的困難さを明確にしないまま主張し続けた

当方はAであって貰いたいと思うし、実際にもそうだと推察している。(悪役演技が似合わなさ過ぎて逆に演技とは見えないというのが現状だと思う)
なお、墓場まで持っていくものを明らかにしてしまっても良いものかとは思ったが、二人の「漢」の意思と生き様を片隅のブログにでも残しておきたいと思う。(論理的推察ではもはや間違いないと思われるが、もし外れていたらごめんなさい、ただし外れていても内藤氏のご慧眼を証明できたことは良かった)

以上
[追記]
冒頭の議事録にある内藤氏の追加コメントと「評価結果記入表」のザハ分を参考に添付。(順位付けと内容から同氏と推定)

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追記以上