kensyou_jikenboのブログ

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PC遠隔操作事件

 隠れた真実14「ハイジャック防止法量刑」

以下の記事などで「JAL事件におけるハイジャック防止法適用と量刑に問題あり」ということを示した。 ”「ハイジャック防止法適用の問題点」” 2014/12/16 、 ”JAL事件の量刑検証” 2015/2/17 、”JAL事件の量刑検証補足”2015/2/18 判決も出て本事件評価のために…

 隠れた真実1「決定的証拠は複数あった」(補足5)「したらば掲示板」

当方が最終的にクロの心証を強めるきっかけになったのは、第2回公判で明らかになった以下の事実である。 ”第2回公判傍聴メモ” 2014年3月11日 <test.datが指令のやりとりに使用するしたらば掲示板はauto/6682で、管理者メールアドレスに被告人のgmailアドレ…

 隠れた真実1「決定的証拠は複数あった」(補足4)「LogMeIn」

「追うブログ」さんは3月15日記事中の「技術者の意見」で以下のように書いておられる。 <IT系のライターも含め、自分の知識、仕事と関連があるデジタルの証拠にしか注目しないのか、猫の首輪などの証拠の詳細をあまり知ろうとせず、デジタルの証拠だけで有…

決定的証拠と決定的反証

(本日二本目記事) 一本目記事のように、神保氏は「真犯人メール発覚前には決定的証拠は無かった」と言っておられる。それに対して「決定的証拠はあった」という立場の方もおられる。 当方の別見解(後述)を除くと、「決定的証拠の有無」というシンプルな…

 判決確定

昨日で判決日から2週間経過し、控訴があったという報道は無いので判決確定と思われる。 一昨年2月10日の逮捕から二年以上たって、ようやく正式決着。 今後片山氏には更生と社会復帰を目指してもらいたいと思う。ただ、3年や5年ぐらい経つと世間も忘れていく…

 JAL事件の量刑検証補足

昨日記事に補足。よく知られていることであるが、日本の量刑のやり方はアメリカ型の「個別犯罪について量刑を行なって加算する」という方式ではない。その中で併合罪の考え方について最高裁で以下の判例がある。 「併合罪の構成単位である各罪についてあらか…

 JAL事件の量刑検証

昨日記事で、ハイジャック防止法第四条初適用に関して充分な論議を行なうよう指揮しなかった本件裁判官の問題は大きいと書いた。それだけでなく、検察側の求刑にも大きな問題があることも改めて指摘しておきたい。 同記事で紹介した判決理由から、検察側の論…

 ハイジャック防止法違反の典型的行為とは?

江川氏ツィッターにハイジャック防止法関係の判決傍聴内容メモがある。 <弁護側はJAL事件について、他の事件と本質は同じとして、ハイジャック防止法で重く処断することに反対したが、判決は、具体的な脅迫メールを送った結果、航空機が引き返したことなど…

 量刑議論

本事件の量刑には当方として、やはり疑問がある。以前に法務省で次のような会議が行われて、行刑の論点が整理されている。 ”行刑改革会議第4回会議議事概要”平成15年7月14日 http://www.moj.go.jp/shingi1/kanbou_gyokei_kaigi_gaiyou04.html 量刑の議論に…

 取調べ問題再整理と記者会見

取調べ問題にコメントを頂いているので、参考用に当方認識の再整理を行なってみた。 ①録音取調べ実施可能性 以下記事のように当方で調べた結果、足利事件で既に録音取調べが担当検事の判断で実施され、再審で証拠採用もされたという先例がある。 ”取調可視化…

 権力行使上の問題点

先週の判決を受けて控訴は行なわれず、このまま確定する見込みと報じられている。本人も納得している模様で、会見で佐藤氏が述べておられたように「刑事事件の解決としてはこれで良かった」ということになるのだろう。 ただ、本事件を通して司法や社会全体と…

 他事件事例(AKB握手会襲撃事件)

当ブログでは本事件そのものだけでなく、社会的問題としても見てきたので、量刑問題は考えれば考えるほど重要と思えてくる。それで昨日に引き続き最近の事件例として、本年1月9日に求刑があったAKB襲撃の件も取り上げる。 ------------------------ ”AKB切り…

 他事件事例(三鷹ストーカー殺人)

昨日以下の記事が配信された。 ”池永被告の1審判決(懲役22年)を破棄「リベンジポルノの過大評価は誤り」”2015.2.6 産経新聞 http://www.sankei.com/affairs/news/150206/afr1502060025-n1.html <(東京高裁の)大島隆明裁判長は「名誉毀損罪を実質的に…

 動機解明不十分

本事件では、当初より動機面も大きな疑問点であり、会見で神保氏から以下の質問がなされた。 ---------------------- (神保氏)「今回の事件で動機について、なぜこのようなことをやったか? 腕試しということぐらいしか出てきて無くて、それでも8年という…

 保釈後行動など

ニコニコ動画で会見映像がアップされていた。冒頭の方で佐藤氏が判決理由の一部を以下のように述べた。 <真犯人メールというものを保釈後送りまして、罪を逃れようとしたという点については、保釈中の証拠隠滅行為としては今まで例を見ない積極的なものであ…

 判決

残念ながら傍聴は出来なかったが、皆さんご存知の通り、本日懲役8年の判決が言い渡された。裁判官は関係ないと言うだろうが、よく相場とされる「八掛け」にピタリと収まっている。(まだ記者会見のビデオを見れていないので詳しい情報は得ていない) ここで…

 隠れた真実1「決定的証拠は複数あった」(補足3)「丙社履歴の多さ」

以下記事で2014/11/26に行なわれたシンポジウムでの神保氏の発言を紹介した。 "本事件の隠れた真実1「決定的証拠は複数あった」" 2014/12/9 http://blogs.yahoo.co.jp/kensyou_jikenbo/54631497.html 更に神保氏は同シンポジウムにおいて次のように述べてい…

 悪質性の評価

本事件では検察側論告において、情状関係記述が論告書の大半を占め、「サイバー犯罪史上、まれに見る卑劣で悪質かつ重大な犯罪」と強調した。 しかし、「サイバー犯罪史上」を外して、主要罪状が業務妨害罪という点で共通性がある同時期の他事件との比較で考…

 他事件におけるウィルス作成罪他への判決

記事掲載は判決まで待つ予定であったが、量刑面で他事件において気づいたことがあったため新年初掲載。(経過説明のために記事を幾つか引用しているので、最後の結論だけ見て頂いても結構です) ------------------------------ その事件というのは、「ウィ…

隠れた真実13「ハイジャック防止法適用の問題点」

先日「隠れた真実13」として項目だけ挙げていたものの中身を記載。 1.大阪男性はJAL機脅迫で逮捕起訴どころか取調べも受けていない 男性は第12回公判で「8月1日に取り調べが始まって10日ほどして、JAL脅迫の事件もほのめかされた」と証言していて、結果…

 裁判官と適正手続

判決は来年2月4日であるが、さてどのような判断が下るか。 その前に今回の地裁裁判官の訴訟指揮には、適正手続(due process )と言えるのかどうか疑問な点が有る。 (1)保釈申請却下 高裁では認められたとはいえ、本事件の判決も下す地裁裁判官は却下だった…

 隠れた真実8~13

(本日2本目記事) ■真実8 「掲示板荒らし」 江川氏第12回公判記事で以下のような証言が有ることに気がついた。 <その頃、ネット上でいたずらをしたことがあったか? そういえば、掲示板荒らしを中学の頃からやっていた。> これは当方から見ると非常に重要…

 隠れた真実6「警察報告書」 7「悪質性」

(本日1本目記事) ■真実6 「警察報告書」 高木浩光@自宅の日記 2013年01月19日 http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20130119.html <2012年12月14日に同時発表されている。しかし、半月あまりでこれらのいずれの報告書もWebサイトでの掲示が取りやめられて…

 隠れた真実4 「取調問題とアリバイ」 5「真犯人メールが無かったら」

■隠れた真実4 「取調問題とアリバイ」 当方は当初よりアクセスログと並んでアリバイに関心を持ってきた。 本事件はタイムスタンプの有る記録が多い。「したらば掲示板」アクセスのみならず、Dropboxや2ch書込代行、google検索履歴、ファイル更新日時など種々…

 隠れた真実3 「したらば掲示板とhttptestman」

第17回公判で野間氏が「したらば掲示板」の2012年8月1日ログで、ユーザーエージェント「httptestman」によるアクセスログを示していた。ただし、片山氏がテスト用に使った掲示板「auto/6682」ではなく、実際に遠隔操作犯行に使われた掲示板のもので、大阪男…

 隠れた真実2 「真犯人メールの脆さ」

隠れた真実シリーズを当面続けるが、本日は「真犯人メール」に関するもの。 「河川敷に埋められたスマホが迅速に発見されたから片山氏の自演が分かり、それが無かったらどうなっていたか分からない」という見方が相当あると思う。片山氏も「最終意見陳述書」…

 隠れた真実1「決定的証拠は複数あった」(補足2)「SDカード日付」

(本日2本目記事) 昨日記事の補足の続き。 SDカード改ざん履歴に関する話で、以下公判証言によると警視庁の解析作業は「EnCase」というデジタルフォレンジック用ソフトウェアを使って、HD全体にキーワード検索を行う手法で行ったとのこと。 そして証言には…

 隠れた真実1「決定的証拠は複数あった」(補足1)「アクセス経路」

(本日1本目記事) 昨日記事補足で、google検索履歴の件を更に詳細に見てみる。 真犯人が別にいたと仮定して、真犯人PCと片山氏PC、及びgoogleへのアクセス経路を以下に示す(参考に遠隔操作用の「したらば掲示板」も入れてある)。 上図は大幅に簡略化してあ…

 本事件の隠れた真実1「決定的証拠は複数あった」

シンポジウムでの生越氏発言からスタートして片山氏の心理を分析してきたが、生越氏の次には神保氏が発言しておられた。 --------------------- 生越氏「今もって彼を犯人と断定する具体的証拠というのはまだ完全には無いんですよね?」 神保氏「裁判上は無…

 ネット上の自己顕示欲

犯行やその後の行動に大きく影響を及ぼすことが有る自己顕示欲について、片山氏の場合を考察してみる。 まず甲社に就職してからの片山氏は社長や同僚から「あいつには(本事件は)無理」と云う生越氏の初印象と同様に普段からも見られていたようで、自分の出…