kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

決めるのは市場関係者

都議会の百条委員会は、残念ながらと言うか、予想通りと言うか、真相解明には至らず。
予定された24人の証人喚問は終わったが、真相解明には至らなかった。今後は、豊洲移転の可否をめぐる小池百合子知事の判断が最大の焦点だ。>

特に問題なのは、百条委員会の設置要綱には「盛土問題の経緯調査」も入っていたにも関らず進まなかった。M部長や、指示されてポンチ絵を描いた担当者、それを後日N建に見せて打合せた際の都側とN建担当者、などを呼んで話を聞く必要がある。しかし与野党ともやる気見えず。都議選に向けて「解明より引き続き争点に」との思惑と推察。政治家の「選挙ファースト」はここまで徹底しているようだ。

このように政治家はあてにならないから、意思決定の鍵は当事者である「市場関係者」自身と思う。その中で「東卸(東京魚市場卸協同組合)」では既に1月に移転慎重派の理事長が大差で当選している。
豊洲問題】築地の仲卸業者組合、新理事長に移転慎重派の早山豊氏 推進派現職の伊藤淳一氏に大差で勝利”2017.1.31 
<関係者によると、理事長選には早山氏と伊藤氏の2人が立候補。29人の理事による投票の結果、早山氏が22票を獲得し、伊藤氏の7票に大差をつけた。任期は2年。 ・・・
 都などによると、築地には水産卸や青果など各業界団体があるが、約550の水産仲卸でつくる東卸は組合員数で最大。東卸理事長は主要業界団体のトップで構成する「築地市場協会」幹部に就く慣例となっている。理事長選の結果について、移転の準備を進めてきた都幹部からは「厳しい結果になった」との声も上がった。>

仮に移転するとしても、小池氏はロードマップで「移転時期は業界団体との調整の上決定」としていて、業界との合意が必須。また、移転判断や農水大臣申請の前にも同意取り付けが必要になる。

その業界団体で組合員数最大の東卸の早山理事長が移転慎重派。同氏に投票した理事も同様と想定されるから、これを覆すことは至難の業だろう。少なくとも豊洲移転」で早期に一本化できる情勢ではない

その早山氏が先月22日に以下のような「所感」を文書で出しておられる。

イメージ 1

この中で求められている都側対応と実態は以下のようになる。
------
(1)<市場関係者や消費者へのしっかりした説明>
 →マスコミ報道で専門家会議の「地上は安全」見解が取り上げられている、しかし、同会議は地下空間への追加対策工事の検討を表明し、提言に入ることも確実。「追加対策必要」ということが都議選前にも表面化する。早期移転派の識者らは、これまで「現状全肯定」の主張が多く、それが違うとなったら市場関係者や消費者の反応がどうなるか。

(2)<東京都としての安全安心宣言>
 →東京都となっているが、豊洲問題での都庁役人の方々への信頼は既に喪失している。実際は小池都知事が安全宣言することを求めておられることになる。しかし当ブログで書いてきているように、少なくとも「維新3条件」がクリヤされない状態では、小池氏のみならず、誰であっても提言無視する「安全宣言」は出せない。更に「安全安心宣言」となると到底無理。
それに対して3条件を明確化した維新の「やながせ」議員は、<安心を作るのは豊洲が安全であるということを知事が言っていくこと>と述べている。これでは小池氏批判のための「強弁」にと言うよりない。
------

結局「軽々に答えは出せないはずです」という理事長の見方通りで、しかも「現段階での豊洲移転の選択肢はない」ということも明言。
小池氏も早期決断を迫られても、「慎重に熟慮」などの姿勢で都議選に望むのではないか、と当ブログとして現段階では見ている。

後は、自維に押されているように見せながら懐に呼び込んでおいて、間際になって例えば「水位問題」など移転が難しくなる情報を出して切り返す、「肉を斬らせて骨を断つ」戦法まで考えているかも知れないと深読みw

以上
[追記]
早山理事長任期は2年で、この間は豊洲移転合意は難しいと割り切る考え方もあるのではないか。次期理事長選は2年後の2019年1月。五輪が近くなる。その際に豊洲は五輪用施設に転用して(メディアセンターなど?)、五輪後に最終的対応を考えるという道も検討に値するのではないか。それほど早期判断は難しい。

追記以上