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知事交代がなかったら、どうなっていただろうか?

2月7日記事”昨年8月農水大臣認可申請できる状態だったか? ”は反応が多く、<そもそもヤバかったんだ。>という感想のツィートもあった。

当方も気になっていたが、「農水大臣認可申請」の件は不可解に感じていた方も多かったように感じる。その真意として、豊洲問題は「行政の進め方」という観点からも興味深いと思うので本日は更に補足考察。

「セクハラやじ問題」で名前が知られた「塩村あやか」都議が昨年9月ブログに盛土に関する話を記載。
----ブログ抜粋開始----
(2016年8月18日に)都(の卸売市場担当者)に仲卸さんからの質問をぶつけた時に返ってきたのが要約すると「土壌汚染対策もしているし、盛り土をしているので、安全です」と回答していました。
 私が仲卸さんから聞いた話を都の担当にしています。その内容は
<私の質問の内容の一部>
*土壌汚染対策は本当に完了し、安全なのか
*仲卸さんは「ベンゼンは揮発物質だから、床下に空洞を設けるなど底上げをしているのではないか」と言っており、室内のベンゼンが基準値の6割はおかしくないか。
 (仲卸さんは兼ねてより床下の空洞を「何のため?」と不安がっていた)(先月の報告にはまさか空洞が盛り土がないとは思わない為、ここまで詳しく話したことを書いてはいない)…
<都の回答>
 (パンフレットを見せながら)
*帯水層は汚染除去をし、2Mの深さまではきれいな土と入れ替え、その上にさらに2.5Mの盛り土をするので万全の体制という回答を得ていました。
----抜粋終了----

まとめると、<8月18日都側ヒアリングした際に、仲卸業者から聞いた空洞について質問したら、「4.5.mの盛土をして万全の対策」と回答があった>ということになる。
(8月の話を9月に書いておられるので時系列注意、また文中に有る毎日新聞”豊洲盛り土問題:青果棟下、砕石層むき出し”も9月12日記事)

先日記事でも紹介した「仲卸業者と都側の会合」での話だけでなく、都議からも都側に空洞の話が伝えられていた。これでは早期にバレるのは更に確実だった。

小池氏の「盛土無し公表会見」は9月10日だった。8月下旬に共産党から申し入れがあって調査して公表したという流れと思っていたが、「小池氏がいつ頃から知っていたか」が謎になってきた。
(紹介頂いた「わたなべ恵子」区議のブログによると、8月16日に空洞の件も入った文書を小島氏経由で小池氏に渡したとのこと)

最終的には高野氏の図面指摘により、都側が地下調査をさせないようにしても図面から盛土無しが分かるため、小池氏が先手を打って公表した流れと従来から推測。しかし、遡ると盛土無し情報が小池氏に伝わったのは一体何時なのだろう。

また、国政でも遡ると2011年3月に国会で川内議員が豊洲問題で質問を行っている。
平成23年3月8日衆議院環境委員会”(農水省が審議会資料用に抜粋)
----会議録引用開始----
○田名部農水大臣政務官
川内先生の御指摘、本当に大事なことだと思っています。・・・ 最終的な判断といたしましては、開設をしたから直ちに認可ということではなくて、農林水産省の立場としては、衛生上、また安全性というものを最終的にしっかりと判断する必要があると考えていますので、先生の御指摘を踏まえてこれからも取り組んでいきたいと思っています。
○川内委員民主党…当時)
この整備計画は、卸売市場法第五条三項によって、「農林水産大臣は、」整備計画の策定に当たって、中略しますが、「関係地方公共団体に協議しなければならない。」と。
 協議ですから、聞いているというだけでは不十分で、農水省として、農水大臣として、食の安全、安心に責任を持つ役所として、やはりきちんと議論すべきところは議論をすべきであるというふうに思います。
田名部政務官から、川内の指摘を踏まえてちゃんとやるからねということで御発言がございま
したので、整備計画についてはすべての国民が注目をしているということで御議論をいただきたいということを最後に申し上げて、終わらせていただきたいと思います。
----引用終了----

この時は民主党内閣だったから、現在自民党政府は自分たちの政権時の答弁ではないとすることも出来ると思うが、「農水省の立場として、開設をしたから直ちに認可ということではなくて、しっかりと判断する必要がある」との趣旨で答弁があったことは残る。

これが何を意味するかというと、もし東京都が盛土有りの内容で申請して農水大臣が認可してしまったら、「農水省側も責任を問われる」事態になる。国政の問題になって、国会で追求が行われる

開業後に判明したら、「溜まり水」や「モニタリング基準値超え」など都側が追求された状態が国会で起きていた。もちろん農水大臣や総理までもが政府としての認可責任を追求される状況。余り想像を働かせるのは良くないかも知れないが、当方推察では今を上回る大変な事態になっていたことは間違いないと思う。

ただ、都側も基本的には能力高いから、それを察すると見るのが妥当だろう。
結果的に、もし知事が交代しなくて、それまでの流れで進んでいたとしても、盛土無しの実態が”技術部門→市場長→(副知事)→知事(桝添氏)”というように伝わって、「(仮定の話として)知事決断により申請は行われなかったのではないか」というのが当方の見方。

ただそうなると舛添知事が延期発表することになるが、一体どのような事態になっていただろうか。或いは、舛添氏であろうと誰であろうと、「実は盛土は有りません」と直前になって聞かされたら、どのような反応や行動をするだろうか。

歴史に「if」は無いと言われるが、似たようなことが又起きるかも知れないから、こういうことを考えておくことも多少なりと意味はあるように思う。仮想の行政問題として考察してみた。

以上
[追記]
昨日紹介した「豊洲市場移転問題特別委員会」では他にも参考になると思われる話が出ていた。
<○吉野中央卸売市場建設技術担当部長
管理施設棟の地下については、市場全体に配電するための電気ケーブルや、地域冷暖房の配管が集積した空間となっており、コンクリートの上に防水を施した床面となっております。>

管理施設棟は空間底面に防水が施されている。平田座長が「底面からのガス上昇防止」に言及していたことは紹介済みだが、少なくとも防水は管理施設棟でやってあれば「他棟も同様にすべきではないか」との意見が出てくることも予想される。

小池氏もロードマップに入れていた「対策工事」の規模がどれぐらいになるか。移転判断に相当影響してくる可能性もありそう。

追記以上