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「地下作業空間」は地下水管理システム用施設の地下(重機搬入は間違い)

昨日記事の「橋下x羽鳥の番組」の検討中に、非常に重要と思われる事実が見えてきた。まず昨日の文字起こし再掲。

----「地下空洞」やり取り(「橋下x羽鳥の番組(9月26日)」敬称略----
橋下…万が一汚染物質が出てきた時に、建物が無いところは、土を掘り返せる。でも建物の下のところから万が一汚染物質が出てくると、建物全部壊して一から掘り返さなくてはいけない。その時のことを考えて地下空洞を作っていた。
長谷川…それは嘘だと思います。
橋下…でも、それは第8回の技術会議の「地下水の管理について」というペーパーで出てますよね。
羽鳥…でも長谷川さん、技術会議に出てたんですよね。
長谷川…本当に記憶にありません。(出演者から笑いあり)
橋下…僕は弁護士だから、書面を全部見る癖が有るんでね。だからその議事録にも都の説明が、そういうようにあります。万が一建物の下から汚染物質が出てきた場合に、掘り返すことが出来なくなるから、建物が建ってると。だから地下空洞を設けますという説明になっていると云う説明が第8回会議事録に。
長谷川…それだったら本当に申しわけありません。
----やり取り抜粋終了----

議事録は都側資料「地下水の管理について」を基に話しているので内容は同じ為、同資料の該当箇所を抜粋。
----第8回技術会議資料「地下水の管理について」抜粋開始----
豊洲新市場予定地における土壌汚染対策は、土壌について環境基準を超える汚染物質を除去し、地下水についても環境基準以下に浄化していくといった、安全を確保する上で万全な内容となっている。
一方、国では、土壌汚染対策法改正に向け、検討が進められているが、新市場予定地が同法の対象となり、土壌が汚染されている土地である指定区域に指定されたとしても、土壌や地下水の汚染物質を除去、浄化した後、地下水質のモニタリングを行うとともに、万が一、地下水中から環境基準を超える汚染物質が検出された場合には、汚染地下水の浄化が可能となるよう、建物下にこれらの作業空間を確保するなどの措置を講じていくことで、指定区域の解除が可能と考えている。
----議事録抜粋終了----

資料や議事録に有ると言われて謝罪してしまった長谷川氏は、以前「地下空間」について次の様に述べていた。
<当時、技術会議の委員を務めていた長谷川猛氏は、こう証言します。
  「イメージ図を見せてもらったことはあります。そこには建屋の下に地下室があって浄化施設も地下にある地下に施設を造るけど、これは完全な地下室構造。いわゆるちゃんとした鉄筋コンクリートで覆った施設と聞いておりました」(技術会議委員だった 長谷川猛氏)>

長谷川氏が見せてもらったというイメージ図は、「地下水管理システム」(下図)ではなかったか。そう考えると同氏の認識が正しくて、「浄化施設棟 地上部①」の地下に「浄化機能用 地下作業空間②がある。
つまり、都側資料にある「建物下」の「建物」とは、最終的な地下水管理システムに描かれている「浄化施設棟」考えると、長谷川氏の認識と合致する。

イメージ 2


結果的に、資料の「汚染地下水の浄化が可能となるよう、建物下にこれらの作業空間を確保する」という文章は、「地下水浄化用の作業空間」と素直に解釈すべきと思う。

それに対して、「重機説」は、「AP+2.0mより下の土壌で汚染が残っていた場合に、重機で掘り返して除去する」という解釈をしてしまったと思われる。しかし、地下水は流動するから汚染源の特定は非常に困難と予測される。
だからこそ、汚染があっても浄化する高度な管理システムを設置した。それ用に浄化設備等を設置する空間が地下に必要になり、その上に建屋が有るということで長谷川氏の認識と合う。

また、上図と同じ「地下水管理システムに関する説明資料」にある以下図も「地上構造物」と「地下構造物」となっている。
イメージ 1

これで卸棟などの地下空間に「重機を入れる」と云う話は間違いだったことが判明したと思う(大爆笑)
もちろん、「重機用のマシンハッチ」も間違いで、誰が言ったか知らないが「分解して入れる」など良くぞ言ったもの。(配管メンテなどで機材・機械等は入れると想定される)
しかし、「重機説」は、その出処や意図は不明のままだが、未だに残っている。それが間違いと判定できたと思うが、報告書に「地下作業空間」の件がどう書かれるか、注目される。

なお、「作業空間」が、その後の技術会議で論議されなかったという長谷川氏証言も有る。議事録でも論議の形跡はない。これは、橋下氏想定の「地下空洞=卸売棟地下の盛土無し空間」の話は出なかったが、「作業空間」自体は「地下水管理システム」の話の中に入ってしまっていたと思われる。これも長谷川氏の方の認識が合っている。

また、論議が無かったことは、技術会議は卸売棟なども含めた施設面は基本的にタッチせず、地下水管理システム用施設の具体的検討も全て都側が行っていたことも表している。主導したにも関わらず、都側の説明や会議進行が拙劣過ぎて呆れる。

それにしても橋下さん、技術的問題が絡む豊洲問題に首突っ込んで、大きなミソ付けましたねえ・・・ 
当事者だった長谷川氏を論破して謝罪させたつもりで、実際は真逆だった場面が、「書面を全部見る癖がある」というホラッチョぶりとともに、満面の笑顔付きでキッチリ残ってしまった。

イメージ 3

以上
[追記]
本文は出来る限りの説明をしたつもりですが、盛土無し問題に重要な要素となるので、釈然としない方などはご意見やご質問等お寄せ下さい。追加説明も考えてみます。

追記以上