基礎構造に関する参考図
当然ながら図にも書いたように、L<L1から M < M1になる。
しかし、上図左右ともLの違いを除けば構成自体は同じだから、「基礎構造」と言ってしまえば同じになる。だが、Lの違いはMの違いにつながる。強度については、その違いに応じて考える必要がある。豊洲の構造計算が実際にどうなっているか。
こう書いてしまえば当たり前の話になるが、その根本はもっとずっと深くて、考え方における「定性」と「定量」の違いになってくる。当方の経験では、両者の違いを余り考えない場合が多く、そのために話がややこしくなる。
さて、「HALL」さんから的確なコメントを頂いているが、高野氏も引き続き鋭い指摘で以下のようにツィート。(余談だが、キャラクターでも図が表現できるワザにも感心、出来上がりイメージ把握能力の問題か当方は全く出来ない)
当方も基礎構造(フーチング)と階数の関係について、もう一つ説明例追加。(左側は「熊谷組」HPの図を使用)
右側のようにフーチングを長くして、「地下」と称しているのが豊洲の実質構造ではないだろうか。ただし、この構成に合わせて構造計算等ができていればOKだろうが、果たしてそうなっているか。
これらの解明に関して、昨日コメント欄にも書いたが、今回設置されるPTは構造面も検証出来る体制が組まれている。新国立競技場の検証委員会のようにはならないと期待して、タブーを設けない調査を望みたい。
座長は官僚OBの弁護士だが、特に「建築構造技術者協会」という組織のトップも入っており、メンツにかけても詳細解明が行われるだろう。ただ、行政や業界大手などに楯突くことにもなりかねないので、その際の姿勢も問われる場になる。大きな話になってきた。
”日建設計による豊洲新市場設計の徹底検証を明言”日経アーキテクチャ 2016/09/21
<プロジェクトチームのメンバー、カッコ内は担当・専門分野>
小島 敏郎=早稲田リーガルコモンズ法律事務所弁護士(座長)、
井上 千弘=東北大学教授(土壌汚染)、
菊森 淳文=ながさき地域政策研究所・研究所長(経済性)、
竹内 昌義=東北芸術工科大学教授(環境建築)、
森高 英夫=日本建築構造技術者協会会長(建築構造)、
森山 高至(建築エコノミスト)
以上