kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

「建て方」仮説の補足(汚染対策工事写真)

汚染対策の工事中写真がネットに上がっているので、昨日記事の仮説補足用として、写真に追記した概念図を作成した。
その前に昨日の図を再掲。
イメージ 1

上図②の状態に近いと想定される工事写真に、③の建物イメージを追記した概念図が以下になる。(建物の形状や大きさ等は概念用で実態とは全く異なる)
イメージ 2

実際の現場写真で見ると、AP+2.0mと同6.5mの落差が良く分かる。また、AP+2.0m面が広がっていて、その上に建物を建てるというイメージも掴みやすいと思う。
もっと広い範囲の写真もある。これを見たら、「盛土なしでAP+2.0m面を基準にしたらどうか」という発想が出てきても不思議ではない気もする。
イメージ 5

しかし、なかなか「地下室」の発想から抜け出せない場合があるようで、例えば大阪都構想への反対などで著名な「藤井聡」京大教授が以下の論説を出しておられる。
<A)地下室を造った今回のケース(地下室有りケース)と
 B)地下室を造らず、直接、建物を盛土の上に造ったケース(盛土上建設ケース)>

豊洲は上記概念図のように、「盛土無しのところ(AP+2.0m)から建てた」ので、「A)でもB)でも無い」と云うのが実態だが、藤井教授もお気づきでない模様
また、文中で地盤工学がご専門の京大教授の見解も紹介されている。
<同僚の先生に確認し、詳しいところ、ご教示いただきました。。。というか、その同僚曰く、
「普通考えたら、脆弱な地盤の上に建物たてるんやったら、地下室つくらな危ないやろ。しかも、衛生の点から言うても、地下室ある方が地下水と地上階が遮断できるからむしろええで。だから今回の施工は、メチャクチャ普通の施工やと思うけどなぁ」>

「脆弱な地盤の上」というのは盛土上のことを指しているが、実際は盛土されていない場所に建設。つまり、「普通の施工」でもなく”地上から4.5m掘り下げたところから地上5階の建物を建てたため、結果的に地下部分が出来てしまった”という「普通ではない施工」。

これを整理すると、以下のように少なくとも二通りの建て方が考えられると思うが、どうしても盛土前提の[建て方1]のイメージが有って、実態である[建て方2]に認識が行かないようである。

イメージ 4

基本認識を実態([建て方2])に合わせた上で、「5階建てか6階建て相当か」という結論を出しておく必要がある。つまり、「盛土と空間の汚染物質に対する遮蔽性比較」とは別に、「実質が5階建てか6階建て相当か?」という点について確認が必要ではないか。

このことを高野氏は以前から示唆してこられたと思う。
しかし、「5階か6階相当か?」の件は、まだマスコミ等で殆ど取り上げられていないと思う。盛土・地下水問題で沸騰していることや、前述の「建て方1と2」の違いが藤井教授などでも認識しずらいこと、及び構造や耐震性を正式に再評価可能なのはN建設計(と委託元の東京都)のみということで、取り上げにくいことは想定できる。

ただ、「建て方2」を見れば、6階相当と解する方が「普通」と思われ、その場合は構造計算と申請のやり直しは必要ではないか。盛土問題でも、手続き論に関して都政改革の要素も含めて重視されているから、もし6階相当が理解されて来れば問題になるのは必然。

当方は、以前にも書いたように盛土問題が出て来るまでは「移転延期は小池新知事の立場としては止む無し、ただし延期期間は最小化が必要で来年2月が適切」との見方だった。しかし、今は盛土・地下水問題の勃発で延期期間は見えなくなった。

それで、この際問題は全部洗いだして曝け出す覚悟で情報公開して、それから都民国民が民主的に議論して考える。最後は民主的に選ばれた議会と知事が調整して結論を出すのが望ましいと思う。

築地の現状についても9月1日と2日の記事で取り上げたが、深刻な状況だと感じる。特に「ネズミーランド」の写真は衝撃的。都民国民は、築地と豊洲の選択を迫られたら頭を抱えるだろう。よって前述のように問題の洗い出しと公開を進めて、しっかりした議論が出来るようにしていくのが先決。その際は迅速性も重要。

これらが当方の客観的立場からの見解だが、本日リオから帰国予定の小池氏は、今後どのように動かれるだろうか。

以上
[追記]
他にも「建て方」の認識が実態と違う例として、本日の朝日新聞に図が有る。

イメージ 3

朝日図左で高床式(ピロティ)と云う言葉が出ているが、ピロティ構造の位置が実態(上図右)と異なる。「AP+2.0m面が基準になっている」という認識に達するマスコミ等はいつ出て来るだろうか。

なお、同記事の主題である以下は重要情報と思われる。
<都が施設の基本設計を発注した2011年3月時点では地下利用案を示していなかったことが分かった。同6月には盛り土をせずに地下空間を設ける設計になっており、この3カ月間で方針が変更された可能性が強まった。都が経緯を調べている。>

設計発注後にN建設計が入って協議した際に、「一旦AP+2.0mまで掘り下げて汚染対策する」という工事内容を知った関係者が、その上部の空間利用を改めて発想したというような可能性もあるか???

(なお自己補足をコメント欄に追加しました)
追記以上