kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

登場者検証11 「伊東豊雄氏」

久しぶりの登場者検証で、新コンペ関係者を対象に書いてみる。本日は伊東豊雄氏。次の記事がある。
<伊東氏はA案について「表層部分は違うが、(骨格を)はぐと中身はザハさんの案とかなり近い。訴えられるかもしれないですよ」と懸念を表明。国産木材を多用する骨格を取り除くと、客席の構造などが物議を醸したザハ案とそっくりだと指摘した。
 自身はザハ案との決別を明確に意図して、建築の構造から相違を意識してきたという。
→「(骨格を)剥ぐと中身はザハさんの案とかなり近い」ということで、ザハ案流用の事実とその内容も相当把握しておられると推測される。「客席の構造がそっくり」と云うのは最重要な類似点を的確に突いている。しかし、「剥ぐと」と言っておられるから、外身さえもザハ案の延長ということまでは認識されていないのかも知れない(最外周柱の屋根支柱への転用やベランダ的軒庇など)。
また注目されるのは「自身はザハ案との決別を明確に意図して、建築の構造から相違を意識してきた」と述べていている。言外に「隈氏の方も当然そうすると思うが、何故類似しているのか?」と云う指摘(皮肉?)が込められていそうである。いずれにせよ、隈氏がA案作成時に流用をどこまで認識していたかは非常に重要になる。

ただし、伊東氏自身のB案関与度に対しても、例えば建築評論家の飯島洋一が以下のように書いている。
<これはあくまで個人的な感想ですが……B案を伊東さんがデザインしたとはどうしても思えないんです。72本の柱を使ったシンボリックなデザインは、伊東さんが最も嫌うもののような気がする。ゼネコンと組んでの提案だけに、様々な制限をかけられてしまったのかなと、勘ぐってしまいます>
→この見解に対してネットでは逆に「伊東氏らしい」という声もあったりして真相は定かでない、しかし、飯島氏も主観による推測だけでなく業界情報等も得ていると思われ、隈氏同様に伊東氏も自身で手がけた部分が少ない可能性は有りそう。だから落選時は「或る程度A案ありきだった部分もあるのかも」と真相を匂わせながら、その後は淡々としていられるのかも知れない。

なお、記事①の方に次のような伊東氏発言が記載されている。
<デザインやコンセプトなどではA案と同等もしくは上回る評価を得た。ただ、審査の最重要ポイントとされた「工期短縮」で大きく点数をあけられた。「事前着工ができれば確実に19年11月に間に合う、できなくても何とか完成させたい、と誠意を込めたつもりが、工期に間に合わない可能性があると受け取られてしまった」と悔やんだ。>
→「事前着工ができれば・・・、工期に間に合わない可能性があると受け取られてしまった」ということだが、この詳細は不明でB案技術提案書の検索でも「事前着工」という言葉はない。もしかすると技術提案書の「黒塗り」部分に、「事前着工」に関する内容が記載されているのかも知れない。黒塗りはVIPルーム位置等には必要だが、選定の決定的要因となった工期の評価に関係する可能性がある部分などは公表すべきではないか。結果的にまたJSC判断で隠したことになるが、マスコミも前述のVIPルーム等で必要な黒塗りと他の場合を区別して追求しておらず、結果的にJSCの隠蔽批判と公開要求を行っていない。昨日記事でマスコミの報道姿勢について言及したが、ここでもマスコミが加担していることになる。

以上
[追記]
明日は隈氏を取り上げる予定にしているが、ニコビデオで以下の告知がある。
→これは重要な会見になりそう。建築設計界が動かないでいると、このような場面が出てきてしまう。流用の実態を考えたら、会見延期か中止、或いは当選辞退の示唆でもしないと、会見は偽装・詭弁・隠蔽などが満載になってしまいかねない。「外国人特派員協会」と云うことで日本の業界事情には余り詳しくないかもしれないが、逆に外国人であるザハ氏の案との類似性については注目度が高くなり、必ず聞かれることになるだろう。隈氏も苦しいと思うが、どう答えるのだろうか。
金曜日会見まであと僅かであるが、建築設計界でも何か動きが有るだろうか。また伊東氏の方も色々事情がお有りだろうし、同じ応募者だったから言いにくい面も有るだろうが、日本として「不誠実を世界に示すことになりかねない」あからさまな流用を充分認識しておられるのだから、建築設計界の先輩として隈氏に当選辞退などをアドバイスして頂けると良いのだが。何もしないでこのまま行けば、流用をよく知っている伊東氏も加担者になってしまう。

追記以上