A案とザハ案の類似性検証(1月5日追加項目)
1月2日記事で類似性検証を一旦まとめたが、他にも各階図面比較で類似点があるため追加する。(探していくとまだまだ有ると思うが) また、全体として敷地に対するスタンドの位置もピタリ一致しているというのも重要な類似点になる。(下記の1月5日追加項目分は1月2日版に付け加えた…1月18日実施)
4. 各階図面比較(1F・3F・5F・地下1Fの平面図…A案を半透明にしてザハ案に重ね合せ)
(1)1階
⑩入り口・・・6ヶ所ある位置がほぼ同じで、一箇所除くと大きさも一致
(2)3階
⑪メディア機能と防災警備機能…割り当てられたブースの位置と大きさがほぼ一致
(3)5階
⑫凸印部分…4箇所とも位置が一致(凸印部分の機能未把握)
(4)地下1階(この階は特に一致度が高くなっている)
⑬トイレ(WC)、通路、機械室…配置と大きさがほぼ一致 (通路は6ヶ所あるが特に斜め通路4ヶ所は一致度高い)、”大きめWC-機械室-斜め通路-小さめWC” の並びが4組ある点も同じ
以上
[追記]
これだけ多数の項目で一致度が高く、すぐ分かる流用を何故行ったのかが謎になるが、参考になるかもしれない記事があった。
”新国立問題 ザハ案の再活用求める意見出る” [2015年7月22日]日刊スポーツ
<自民党の内閣部会・文部科学部会合同会議が22日、都内の党本部で行われ、新国立競技場についてザハ案の再活用を求める意見が出た。
ゼロベースの計画見直しとなったが、国際コンペで選出されデザイン監修者となっていた英建築家ザハ・ハディド氏や、これまで設計を担当していた4社の一部設計案を活用すべきとの内容。内閣部会長の秋元司衆院議員は部会後、「6万人の常設席など、スタンド部分に活用できる部分はある。このまま違約金を支払うぐらいなら、使えるところは使う考えもあるのでは、という意見が出ていた」と説明した。>
7月17日の白紙見直し表明から1週間も経たないうちに自民党内ではこのような意見が出ていたことになる。発言した議員の個人的着想か、或いは実際にザハ案を流用して設計を行っていたところからの依頼や意を汲んでの発言か、発言した議員名の記載もないため真相は不明。
しかし、可能性としては「ザハ案活用(流用)」の流れが既にこの頃には具体的に有った事も考えられそう。その中において政治家や官邸サイドで一旦流用する方針になったが、その後流用NGとなっても設計側はそのまま進んでしまったというような経過だろうか。
それにしても白紙見直し表明から殆ど間をおかずザハ案活用(流用)を言い出すのは、当時の状況からすれば非常識だっただろう。「英断による白紙撤回」という高揚感があって、とてもそんな発想が出てくる雰囲気ではなかったと思う。やはりもっと前からザハ案流用による短期間でのやり直し設計作業が進んでいて、ごく一部の関係者だけが知っていたというような裏事情でもあるのだろうか。「スタンド部分に活用できる部分がある」と云うのは、今となってみれば実態を的確に知っていた発言だったという推察が出来てくる。
追記以上