B案シンポジウム2 「類似性証明資料」及び流用問題反応
表題の件について、まとめてみた。この状態で政府・JSCは隈氏を先頭に「全く違う、別物」で突っ張り切れるのだろうか。また、「国としての嘘」をついてまで押し切る方が本当に良いのだろうか。
1.類似性証明資料
■B案シンポジウムで伊東豊雄氏が発表した資料(4枚)
(昨日記事で当初3枚としたが実際は4枚、また以下の各図右上”A案ザハ案類似性資料1~4”は当方付与)
■従来提起済みの類似性証明資料
・森山氏ブログ「新国立競技場に新たな問題が発生①~④」1月18日~
2.当事者主張
■ザハ氏「我々が提案したスタジアムのレイアウトや座席の構造と驚くほど似ている」(毎日新聞12月22日)
■大成チーム(日刊ゲンダイ 1月16日)
・隈氏「全く違う」、「座席並びなどは東京都条例等で自動的に似てくる」
・大成建設「データ流用の事実はない」
・梓設計「一切答えられない」
3.海外報道
■テレグラフ紙(英国)1月13日…JSCレター紹介「未払金支払いと引き換えに著作権譲渡(実際は使用許諾?)要請、口止め条項」
■タイム紙(英国)2月2日…ザハ氏「it seems they just wanted Japanese(単に日本のものが良かったようだ)」
・隈氏「ZHAの設計とエンジニアリングから何も取り入れていない」
・ザハ氏「設計における大きな類似や多数の同一が「自動的」、または「偶然」に起きたというのは信用出来ない」と隈氏の主張を退けた
4.日本側反応
■流用肯定(シンポジウムにて断定)…伊東氏(上掲証明図)、森山氏(CADデータ特性言及)
■流用否定(間接的)…遠藤五輪大臣「応募前提として知的財産権の侵害はない」
■分からない(おとぼけ?)…槇文彦氏「I'm not sure it's a copy(コピーかどうか分からない)」(英字紙「Japan Times」 1月29日)
■見解不明(何でもありか)…JSC池田理事「(ザハ氏側との)交渉内容は言えないが、どうなろうと確実に建つようにしたい」、ただしJSC事務局は第一回審査委員会で「旧計画(ザハ案)の最大限活用」意向を述べていたことが議事録公開で判明
以上
[追記]
上記本文「2,当事者主張」の項目で記載した件。
<ザハ氏「我々が2年かけて提案したスタジアムのレイアウトや座席の構造と驚くほど似ている」>(毎日新聞)
この中で今後「レイアウト」類似が重要になると思う。同項目で紹介した日刊ゲンダイ記事の別部分では以下のように指摘が有る。
<ザハ案とA案の図面を対比すると、座席だけでなくトイレや通路、出入り口などの配置がピタリと一致する>
「座席構造」類似は東京都条例などで説明したとしても(これも苦しいが)、「レイアウト」類似の方は「誰がやっても自動的に似てくる」というような根拠を示すことはなかなか難しいと思われる。しかも該当レイアウトの形態は多様なので、説明するには各類似ごとに理由を付ける必要がある。更に類似どころか一致と言えるレイアウトも多く、「VIP用ボックス席」のような特別用途のレイアウトまで一致。
それでも完全否定で長丁場をこのまま乗り切る目論見なのか。ZHAとはどのような形で話を付けるのだろうか。また国内は忘れっぽい日本人の特性に期待し、海外の反応は無視する算段か。
追記以上