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「和泉氏仕掛け(1)…技術審査委員会人選」(新コンペ検証8)

官邸内国交省ラインが新コンペに及ぼす影響力について書いてきている。同ラインを率いるのは何度も取り上げてきた「和泉洋人(いずみひろと)」内閣総理大臣補佐官で、当ブログ検証からは同氏が意図する落札者が「大成建設」であると予測する。

それで本日は大成建設を前提とした発注の構図について検証予定だったが、その前に和泉氏の周到な「仕掛け」が更に見えてきているので、それをシリーズで記す。
まず、本記事表題で「和泉氏仕掛け(1)」としたが、実際にはこれまでの記事で書いた「官庁営繕部課長だった羽山眞一審議官を始めとする国交省職員を官邸に異動させて国交省ラインを敷いた」ことが既に仕掛けになっている。

それを踏まえた上で次なる仕掛けとして、昨日記事でも言及した「技術提案等審査委員会」に関して検証する。同委員会は以下のようにJSCが設置している。
< 「 平成27年8月14日 (JSC)理事長決定」  独立行政法人日本スポーツ振興センターに新国立競技場整備事業の技術提案等審査委員会を設置する。 ・・・
委員会は、学識経験者等から理事長が委嘱した者により構成する。 > 

委員会設置や委員選任はJSC理事長(河野一郎氏)権限になっているが、実質的には和泉氏と国交省ラインがコントロールできるようにしていると見られ、その証が委員と委員長の人選。経歴情報等を当方で追加した名簿を示す。
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多くの委員に国交省官庁営繕部」との関わりが見られ、和泉氏・羽山氏の名前も出てくる。特に委員長の「村上周三」氏は、「サステナブル建築と政策デザイン」と云う書籍を和泉氏と共著している。共著者は両氏以外にもいるが、村上氏は代表者で和泉氏は第一章を執筆という間柄。
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村上委員長選任が和泉氏人脈による可能性は極めて高く、委員も羽山氏などの官庁営繕部人脈による人選と見える。結果的に和泉氏と国交省ラインが新コンペ審査にあたって「技術提案等審査委員会」の充分な協力を得られることは自明。もっと端的には「出来レースの仕掛けが構築済み」と言っても良さそうな布陣。(しかも審査対象は2グループのみ・・・2つになるようにしたことも仕掛けのうちと考えられるが、これは別途検討)

以前紹介した以下の日経解説記事で「仕事師官僚」・「政策職人」と評されていた和泉氏の腕が本案件でも実証されてきた形。更に同記事によると議員や他省庁幹部とも太いパイプを持っているとのこと。前述のように学識経験者とも人脈があり、仕掛けが見えてくるたびに、かえって「日本にもこのような官僚(出身者)がいるのか」と頼もしくなる。
安倍政権が頼る“仕事師官僚OB””日経ビジネスデジタル 2013年02月07日版
自民党のベテラン議員はもとより、公明党民主党の主要議員、各省庁幹部と太いパイプを持ち、「政策の職人」との異名を持つ和泉氏>

ただし「職人」の面が出ているのか、細部まで至る配慮が「やり過ぎ」感・「見え見え」感につながっているように思える点が課題かも知れない。最たるものが上記の共著者村上委員長選任であるが、他にも例えば「技術提案等審査委員会」第一回会合に以下の資料が出ている。
 ”参考資料1 公共工事の品質確保の促進に関する法律(抜粋)”
 ”参考資料2 国土交通省直轄工事における技術提案・交渉方式の運用ガイドライン

これでは国交省主導が丸見え(笑) 国立競技場は、スポーツ振興や建築デザイン・景観などの文化面が深く絡んでくるので、官庁営繕部の主業務である官公庁舎の建築とは異なる面が多いだろう。それで一番危ぶまれるのが、外観デザインの審査配点が140点中5点程度と低いこと。ただし、「仕事師」らしく抜けが無いように、デザイン面についても一応の配慮をしている可能性があるので明日検証。

以上
[追記]
昨日記事で書いたように、検証委員会の方は文科省設置なので国交省ラインも手を出しにくいのではないかと想定していた。しかし、羽山審議官が2002年頃「(財)建築コスト管理システム研究所」に主席研究員として出向して、その機関紙に検証委員会委員「古阪秀三」氏が記事や連載を載せていた事実が見つかった。以下のように同じ号で羽山氏の記事が掲載されている場合もあった。
両氏の接点が想定され、しかも古阪氏は検証委員会で唯一人の技術系委員。もしかすると文科省設置であっても、検証委員会の技術面は国交省ラインが掌握可能になっているのかも知れない。もしそうなら和泉-羽山ラインがフル稼働のようである。

季刊「建築コスト研究」第39号”  2002.10 (財)建築コスト管理システム研究所
<・建築産業,今,何をなすべきか -最近の経験からいえること- 古阪秀三京都大学大学院工学研究科建築学専攻助教授)
  ・建築コスト刊行物を利用した内外価格差調査について(その1) 羽山眞一((財)建築コスト管理システム研究所主席研究員
第45号” 2004.4
<・<連載>設計とコスト〔4〕 古阪秀三
  ・積算をめぐる動向について 羽山眞一国土交通省大臣官房官庁営繕部営繕計画課営繕積算システム官)>

追記以上