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新コンペ検証7「検証委員会と建設遅延の責任問題」

今朝ラグビーW杯イングランド大会で日本代表が優勝候補で世界ランク3位の南アフリカ代表を破ったという大金星のニュースが飛び込んできた。海外メディアは「W杯史上最大の衝撃」、「史上最大の番狂わせ」などと報じている。これで日本は「2019年W杯を胸を張って開催できるようになった」と言っても過言ではないぐらいの快挙。また、これで更に「前計画白紙化による建設遅延で新国立競技場が2019年ラグビーW杯に間に合わなくなった責任問題」の重みが増したとも言えるだろう。

さて、本記事タイトルの検証委員会について書く前に、「新国立競技場整備事業の技術提案等審査委員会」(技術審査委員会)を取り上げる。これまでの記事で書いてきたように、官邸内国交省ラインの母体である「官庁営繕部」による仕様書がベースになって、同委員会第一回会合(8月17日)から新コンペでの仕様書に相当する「業務要求水準書(案)」が配布資料として用意出来たと推測できる。(つまり委員ではなく全くの事務局作成)

同委員会は国交省ラインに深く依拠していることが推測されるが、委員会メンバーとしては「(事務局作成であっても)仕様書に基づいて採点を行い当選者を決めるのは我々である」と云う考えでおられたと思う。しかし、御存知の通り、コンペ応募は2グループにとどまった。どちらを勝たせるか決めておいて採点調整することも対象が2つだけだから容易になる。国交省ラインが担う事務局としての役割を通じて、同ラインが事前に想定したグループが選ばれるように委員会を誘導することも可能になるだろう。委員会は形骸化しそうである。
なお、国交省ラインがどちらのグループに決めているかは、皆さんにはもう言わずもがなと思えるが、明日記事で更に検証予定。

続いてタイトルの「新国立競技場整備計画経緯検証委員会」(検証委員会)は文科省設置。前述の「技術審査委員会」はJSC所管で、JSCは文科省傘下だが現理事長の河野氏文科省出身者ではない等の事情もあり、国交省ラインは「官邸意向」を押し出してコントロール可能だろう。だが文科省内の検証委員会となると、官庁同士の縄張り意識に直接関係してくるから、同ラインも容易には手を出しにくいと推測される。

検証報告書了承の検証委員会が当初の9月16日から24日に延期されたのも、このような背景の影響があるかも知れない。冒頭で記した「前計画白紙化による建設遅延の責任問題」を、迷走経過と共にどこまで検証委員会が明らかにするかが問われるが、国交省ラインと文科省では思惑が違うことが予想される。そこに委員長や為末氏など検証委員の一家言も入ってくる。また技術的内容に関する技術系委員と国交省ライン技官との調整がどうなるか。
同ラインが検証委員会も制御下に置けるかが、今週公表されると思われる「検証報告書」の内容にも影響を与えそうである。

なお、上記のような関係者の動きや思惑などは、公開資料等からの推測や考察によるもので、決めつけているわけではなく当方独自の「仮説」と云う位置付け。仮説と今後の現実的推移を比較して更に検証していく積り。

以上