新コンペ検証6「国交省官庁営繕部の仕様書」
昨日記事で取り上げた「羽山眞一」氏が「国土交通省官庁営繕部」特別整備室長時に参加した検討会による資料があり、「要求水準」と云う言葉が題名に入っている。(同会に大成建設の人も参加しているが、この点については後で言及、またPFIについては追記に示す)
①"PFI手法による施設整備における要求水準の設定及び業績監視の手引"平成21年10月 国土交通省大臣官房官庁営繕部 (この中の「資料2」として仕様書作成例にあたる後述の①がある)
これに対して、新コンペの入札公示でも「要求水準」が題名に入った資料がある。
二つの書類の「施設整備」に関する目次を並べて比較してみた。
②は入札公示資料の中で「仕様書」にあたる書類であり、①も「仕様書作成例」と想定される。そして、②の競技場と云う特有条件(観客席やフィールド等)を除けば、段落・用語などが同一や類似した箇所が大部分を占め、実質的に「ほぼ同じ」構成の仕様書と思えるレベル。
作成は①が先で、①を下敷きに②が作成されたと推測できる。更に元ネタが存在する可能性もあるが、いずれにせよ国交省「官庁営繕部」のやり方(仕様書)が、ほとんどそのまま新コンペに持ち込まれた形と見て良いだろう。
官邸に設置された「整備計画再検討推進室」における”和泉補佐官(副室長)-羽山審議官-同省派遣職員(5名)”という官邸内国交省ライン主導で新コンペが運営される構図になっているのは間違いないと思われる。
また、以下の専門誌記事があり、土屋氏が国立競技場やデザインビルド関連の発言もしておられる(たまたまと思うが)。
”五輪開催とPPP・PFI活用~東京再生に向けて” 2013年 不動産証券化ジャーナル
<ご承知の通り今回のオリンピックは既存施設をなるべく使うという招致プランがありますが、そうは言っても、多くの競技施設等の整備が必要で、新国立競技場が当初の予算で1,300 億円、これを始めとして、オリンピック競技施設だけで4,500 億円の建設投資が見込まれています。
・・・
従来の公共工事は、官側が設計を固めて建設工事だけを入札にかける方式で行われますが、設計のある部分はゼネコンに任せる「DB( デザイン・ビルド)方式」と呼ばれる設計・施工一括方式により、予算を守りつつ、品質・工期をより確実なものにするやり方が考えられると思います。>
土屋氏が今回の新国立競技場プロジェクトにおいて大成建設の中でどのような役割になるかは分からないが、羽山氏とは前述の検討会で接点があり、土屋氏が内閣府の委員もつとめておられて官邸とも近い。羽山氏は大成建設執行役員と容易に話が出来る立場にあると想定される。(他の大成建設幹部や他ゼネコン幹部とも同様に話は出来ると思うが)
このような背景を踏まえて、明日も新コンペと国交省ラインについて更に検証を続ける。
以上
[追記]
PFI(Private Finance Initiative)手法
・・・公共サービスの提供に際して公共施設が必要な場合に、従来のように公共が直接施設を整備せずに民間資金を利用して民間に施設整備と公共サービスの提供をゆだねる手法。
追記以上