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「空気が読めない性格」と「見事な仲裁」

昨日の「ゆうちゃん」さんのコメントに関連して、片山氏が子供の頃について述べていることがあるので考えてみる。
その内容は皆さんも既に知っておられると思うが、例えば江川氏が”片山被告“”精神鑑定不実施”のデメリット 「平気で嘘がつける」彼の心の闇を知るべきだ”ということで以下のように書かれている。
彼は子どもの頃から、対人コミュニケーションがうまくいかず、同級生からいじめにあい、教師からも「お前は何を考えているか分からない」と突き放された、とのこと。彼自身も「どういう時に、どんな表情をしていいのか分からなかった」そうだ。

当方は第15回公判法廷で、片山氏が「検察側と弁護側の仲裁をしたシーン」に注目している。それは上記のような「対人コミュニケーションが上手くいかない」、「何を考えているかわからない」という状態とは大きく違って見えたからである。
しかし、大学時代も前科時の阿曽山氏傍聴記録によると、<サークルに入って飲み会などに参加したんですが『空気が読めない。ノリが変だ』と周りに言われて友達はできませんでした>とのこと。

法廷で仲裁できたのは、検察側・弁護側のやりとりがヒートアップしそうで、しかも水掛け論になりそうな気配を察し、「この辺なら被告人の自分が出ても大丈夫」と判断して口を開き、論理的に両者が納得できる根拠を示して一発で収めたという状況である。(当ブログ記事8月10日記事参照)
これと「空気が読めない」とか、「何を考えているのか分からない」という話は、乖離があるように思えてならない。

ただ、年齢や仕事経験などを重ねたのと、前科時の服役の効果などで、空気が読めるようになって来ていたのかも知れない。
それでも、「どういう時に、どんな表情をしていいのか分からない」という状態の延長なのか、保釈後の会見やインタビュー等で基本的には余り表情がない様子は、当方もやや違和感を感じていた。

更に、現在では例えば第15回公判で次のように述べている(江川氏傍聴メモ)。
私自身、どういう動機でやってしまったのか、自分で言えない。自分の心の中にどんな化け物がいるか分からない。自分で自分が分からない。動機や事件に至った原因が分からない。鑑定を受けたいと切実に思う

これも前述の仲裁シーンや、被告人質問に澱みなくスラスラ答える様子などからすると、仮に解離性障害のような要素があったにしても、もっと自分の内心を分析できていても良いようにも思える。(そういえば、鑑定も最初は受けたくないと言っていた)

結局当方の現段階のおける結論は「片山氏という人物はよく分からない」ということである。
黒子のバスケ事件、秋葉原事件、土浦事件などの記録を読んでみても、それら事件の被告より遥かに心理が分かりにくいと感じた。ネットでは片山氏をそれら被告と比較して「大したことない」と決めつける声もあるが、当方は「分かりにくさ」という点では非常に特異な人物ではないかと思っている。

昨日も書いたが、「雲取山虚偽証言」から推論していくと複数関与の可能性が出てきて、その場合は本事件の多重性のような面を説明しやすくなる。しかし、片山氏自身が非常に分かりにくい人物なので、それが事件に反映されて、単独実行でも多重的に見えるのかも知れないという推論も出来てしまう。

つまり、考察していくほど「まだ分からないことが多い」というのが結論となってしまう。ゆうちゃんさん疑問のように、今更虚偽証言までして「隠したいこと」があるとしても、それも謎。
しかし、当方としては「雲取山の虚偽証言は確実である」という点から真相に近づけると考える。
さて、今後は分かりにくい被告人と、法曹三者・マスコミ・ジャーナリスト・心理学専門家などが絡んで、どのように展開することになるだろうか。(このまま総スルーで「展開しないという展開」(笑)も有りうるのだろうか)

それにしても、本人も受けたいと言っている心理鑑定を認めなかった裁判官の判断は残念。鑑定でどこまで真実を話すかは不明としても、一応自ら「受けたい」と言ってるのだから、何らかの話は引き出せることになる。しかも彼は相当饒舌である。対面鑑定を続ければ、著名な専門家である長谷川氏が「分かりにくさ」や嘘を突破して彼の心理の深層に迫ってくれたかもしれない。今からでも裁判長は考えなおして貰いたいぐらいである。

以上
[追記]
Seijiさんコメントに関連して「虚偽証言3点セット」について改めて趣旨説明。
「3点」について、8月27日記事”複数関与説と虚偽証言三点セット”で以下のように示した。
 (1)「10:51写真欄外に印した埋設位置」…発見された位置と全く違う、kokohore1&2とも違う
 (2)「写真が右にずれていたら穴が写った」…(1)の虚偽を更に補強している
 (3)「10:40頃到着時から5分ぐらいは人がいなかった」…ヤマレコ写真とコメント「5人ぐらいいた」が有る

このセットの目的は、3つの虚偽証言があるというだけでなく、「雲取山証言に虚偽がある」という根本的事実を証明するためのもの。
というのは、普通に考えたら「今更片山氏が虚偽証言する理由があるとは思えない」と云う見方が当然で、真逆の「虚偽証言をしている」という話はたとえ事実であっても認識して貰えないことが想定される。
それで「虚偽証言がある」という事実をより強固に分かりやすく説明するために「3点セット」で提起したという経緯になり、その論拠は次のようになる。
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・まず”(1)の埋設位置の印は全く違うが、それだけでは「法廷で混乱して間違った位置に印した」というような説明もできてしまう。
・しかし、(2)の「写真が右にずれていたら穴が写っていた」という発言を付け加えており、写真を冷静に見て判断した指摘と想定でき、混乱していたという心理状態とは合わない。
・更に埋設位置とは別で、(3)の「10:40頃山頂到着時に人はおらず、その後5分間ぐらい人がいない状態だった」という証言は、ヤマレコ写真とコメント(10:37に5人ぐらいいた)に全く合わない。
・結果的に(1)~(3)が合わさるとより強固となって、「虚偽ではなく間違いだった」という説明(言い訳)は到底通用しない。(なお、それぞれも明白な虚偽証言である)
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また、「10:40頃から5分ぐらいの間に穴を掘り、その後雪が降って来て人が減って埋められるようになるまで穴はそのままにした」という証言もある。
(2)はこの「穴がそのままだった」という証言と、「10:51写真の側面A下に穴が見えない」ということとの矛盾を隠そうとしたものと受け取れてしまう。(B側面の写真欄外だから穴があっても見えない。それを利用し「右にズレていたら写った」ということも言って、側面A下に穴がないことから更に目をそらせる意図が透けて見えてくるのではないか)

なお、当方には側面A下に穴が見えるようには思えないが、絶対無いとも素人目では言えない。警察の鑑識が必須だが、実際には既に実施済みで結果は検察側にあると推測される。
それでもし「穴が見えない」という正式結果が出ているなら、虚偽証言は4点セットになる。
(穴が側面A下にあるなら、虚偽の側面Bを指示する必要はさらさら無く、簡単に証言訂正だけで済むはずだが、1ヶ月以上経つのに未だにそのような話は出てきていない。つまり偽証状態の放置であり、情状的にも良くないと思われる)

また穴が10:51写真で「穴が見える」という場合も問題が有る。
10:51写真では晴れており、その後雪が降るかどうか、いつ降るかは予測が難しいと思われる。そのため穴が開いたまま、いつになるか分からない人が減る時間帯を待たずに、早く三角点に腰掛けて足で穴を隠して埋めれば良かっただけではないかという疑問が湧いて、証言の信憑性がまた疑われることになる。
(10:45頃に穴を掘ったとすると、11:08頃に粉雪が降り出して仮に11:20頃に人が減ったとしても、35分ぐらいは待ったことになる。その間は「穴は開いたまま」か、「自分が三角点に腰掛けて隠す」かで、いずれにしても長過ぎる待ち時間になるだろう。また証言にある「雪の粒」が写ったという話は本当だとすると、粒が見えるようになるまで更に10分ぐらいは延びると推測される)

追記以上