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雲取山の検察側対応

wamogaさんからコメントを頂いている。
>12月1日に被告が登っていながら埋められなかったとすると、別の日に誰かが登って埋めたことになります(被告が登っていないのは警察が既に把握していると思います)。その場合、なぜ、それほどまでに雲取山固執しなければならないかという大きな疑問が湧きます。

→この点に関しては現在当方は解なしです。
唯一の手がかりは以前にも書いた検察側の12月1日「頃」という主張と、公判前整理手続で出たという「情を知らない第三者又は共犯者の可能性」の話。
後者については公判では主張していない模様だが、12月1日「頃」は片山氏自供までは維持されていたと思われる。
検察・警察は「片山氏が埋められなかった、埋めてない」と云うことを知っていた可能性が高いと当方は推測。

特に10:51写真に穴が写っているかどうかは、当然警察で鑑識済みと考えられる。また、登山者聴取で入手した写真や目撃情報で、穴の有無は更に精度よく調べられる。
穴を埋め戻した跡だと分かりにくい場合も有るかも知れないが、片山氏は「穴をそのままにした」という説明をしている。新たに掘ったばかりの穴なので判別もしやすい。

我々が側面Aの下部を見ることが出来るのは現在10:51写真だけなので、それについて考えてみると3つの場合しか無い。①穴が見える、②穴が見えない、③穴が見えるか見えないか判別出来ない。
これのうちのどれか?を弁護側から検察側に問えば事情が分かってくるだろう。
 ①なら、片山氏が埋めた可能性が高いので、片山氏に「どうやって人のいる時間帯に掘ったのか、そして何故側面を変えて位置を偽証したのか?」を聞いていけば良い。
 ②なら、10:51以前には穴は掘られていないから、片山氏の偽証は更にはっきりする。
 ③は、何故高い能力を持つ鑑識でも分からないか?の理由を検察・警察は明らかにする必要があるだろう。

例えば当方は穴が見えるようには思えないが、光の加減や写真解像度の影響などで見えないのかもしれない。しかし、プロである警察・検察は、上記のような検証を鑑識で詳細に実施済であることは間違いない。更に10:51写真以外にも登山者から膨大な証言・写真の収集が有ることも間違いなく、結果的に「片山氏が埋められなかった、埋めていない」と云うことを認識出来ていた可能性が高くなる。逆に埋めたことが実証できていれば、12月1日「頃」とする必要がないからである。
虚偽証言問題では、実は片山氏だけでなく、検察側も対応の真相を語って頂かないといけなくなる。
その中に片山氏が埋めていないとして、他に埋めた人物がいる可能性の調査記録はないだろうか。

>冤罪事件がどうして起こるのかを生でみているようです。
→全く同感です。上記のように検察側の状況が今後明らかになってくると、実際にリアルタイムで見られる可能性あり。

さて、「穴をそのままにした」という点について更に考えてみる。片山氏は<小さい穴なので、自然にできていてもおかしくない。不思議には思われないだろうと思い、隠しませんでした>と言っているが、掘ったばかりの穴である。三角点の近くから、三角点と側面A下の地面が写るアングルで撮られたら一発で分かるだろう。そのような撮り方のヤマレコ写真も沢山あり、目撃も含めて見られるリスクは大きい。

本来片山氏証言の<いわゆるUSB写真を撮り終えて、これから埋めようと思ったら、左の方から人が来るのが見えたので、作業を中止してスコップを隠し「こんにちは」と挨拶しました>という状況では、足か手でざっと土を掛ければ一応穴は見えにくく出来る。これは一瞬の動作で良く、掛けた土は柔かいから後ですぐ掘り返せる。kokohore2写真はその前に撮影済み。

当方は「穴を掘った」というのは偽証と考えるが、同じ偽証でも何十分も「穴をそのままにした」より、「一旦軽く埋め戻した」の方が遥かに自然。しかも10:51写真で穴が見えなくても、「埋め戻してあるから」という言い訳ができる。
このストーリーにしなかった理由を考えてみた。

片山氏は最終的に埋める際の動作について、<自分の足下に穴がくるようにして、三角点に腰掛けていた。穴がここに来るようにしていた(と、自分が座っている椅子を引いて、足の間を指さす)。誰もこっちを向いてない時に、埋めて、スコップを使わず、足だけで土をかぶせて埋めた>という一見臨場感のある証言をしている。
この動作を行うには、穴が開いていればUSBメモリを入れるだけで良い。しかし、穴が埋まっていると、埋め戻した土は柔らかいとはいえ掘り返す必要があり、スコップを使ったり、大きく屈んで手で掘ったりというような作業が必要になる。
目立ちやすくなって不自然だから、これを避けるために「穴は開いたままにした」というストーリーにしたのではないかと推測する。

「よく考えてある」と当方は感心する。ただ、埋めた位置を全く違う所に印して、嘘が一発で分かってしまう杜撰さがある欠陥ストーリーということになる。ただし、色々考えて虚偽証言をしたということ自体は伺い知れると思う。
しかもポイントは、「自分が犯人ではない」と主張するための偽証ではなく、「自分が犯人であるとする辻褄合わせ」のためのものであること。異常と言うしか無い。

また、当方が推測した片山氏の創作ストーリーがどこまで当たっているかは現時点では不明だが、全くストーリー無しで語っているのではないことは、複数の虚偽を組合せて一見尤もらしさを持たせていることから確実だろう。そうなると雲取山以外の証言も本当なのかという事になり、特に事件の核心である遠隔操作関連で虚偽があると影響が大きい。
しかも、前述のように、犯行の否定ではなく、肯定の辻褄合わせのために虚偽証言をしている可能性がある。自ら犯行を認める証言は吟味も甘くなりやすいので、この様な状況では全体的に見直さざるを得なくなる(尤もらしい証言も危ない)。

片山氏の真相告白を早く聞きたいものである。

以上