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再収監後の検察官取調

昨日記事でwamogaさんからのコメントに返信する際、「冤罪」という言葉が出た。
wamogaさんは片山氏「無罪説」で、当方は江ノ島やデジタル履歴等で片山氏無関与は考えられないが「雲取山で埋めていない」可能性から他者関与が有り得るという「複数関与説」のため、スタンスの違いがある。しかし、当方の見方においても、例えば他者関与で片山氏の併合犯行数が少なくなれば情状面で影響が出るだろう。

また、一番端的なのはもし「JAL機予告」が片山氏で無かった場合で、求刑上限が下がることになるし、情状面でも裁判官心証に影響を与えるだろう。仮にその様な事態がスルーされた場合は、「複数関与説」でも片山氏に関して「(単独関与とされて罪の低下が行われないという)広い意味での冤罪」のような状況が起き得ることになる。
よって検察側も是非雲取山証言を洗い直して、必要なら再捜査も行って、真相を明らかにした上で裁判に臨むことをお考え頂きたいと思う。

既に当ブログ8月26日記事”雲取山の(虚偽)ストーリー”において、rec*lde**des* さんと江川氏の傍聴メモで紹介されている再収監後の検察官調書における雲取山証言を基に考察を行った。
だが、調書全文そのままと云うわけではないので、実際の調書がどうなっているかは分からない。検察官調書見直しのポイントは、公判での証言との照合であると当方は考える。
被告人質問での片山氏証言は、第14回公判の江川氏傍聴メモと当方傍聴記録で客観的に検証が出来ている。当方考察で「虚偽」は明らかであり、その根底にあると思われる「虚偽の創作ストーリー」の存在も推測できている。
それで、調書の方でも以下のような点がどう記載されているかと云うことになる。
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(1)山頂到着時の状況
8月26日記事でも書いたように、rec*lde**des* さんと江川氏の傍聴メモで紹介された調書内容には、山頂到着時刻が入っていない。検察官から読み上げられなかった可能性がある。
調書に「10:40頃山頂到着」という旨の記載があるか。まずこれが重要。実際に片山氏が10:40頃に到着したなら、ヤマレコ写真で登山者がいたことは明確なので、「(到着時に)頂上には誰もいなかった」という証言は完全な虚偽である。山頂は以下写真の様に開けているので、下から登って行くと人がいたら良く見える(当日写真ではない参考用だが各目標物も一目瞭然)。しかも10:37には「5人ぐらいいた」とヤマレコ写真のコメントに書かれている。

イメージ 1

つまり、検察官調書に「10:40頃山頂到着」の記述があったら、調書は問題有りと云うことになる。逆に到着時刻そのものが記載無かったり、公判証言と違う時刻だと、重要項目に欠陥ありということで問題。
結果的に当方考察では、10時台到着ならどの時刻でも辻褄が合わないと思われるが、調書ではどうなっているか。これを調べれば、取調べと調書が正しく出来ているか一発で判定可能。

(2)USBメモリを埋めた(穴を掘った)位置
公判で写真に印を付けて分かりやすく示されたが(但し虚偽位置)、調書では埋めた位置はどう記載されているか。これによっても調書が真っ当かどうか即判断がつく。
また、仮に調書では正しい位置(側面A下)の供述が得られている場合は、公判で検察官の方々が全員モニタに映った明白な虚偽位置の印をスルーした経緯も知りたいところである。

(3)10:51写真の穴の有無
警察での鑑識結果は証拠で出ているのだろうか。調書にはどう記載されているか。
もし「穴が見える」と云う結果なら、(2)の掘った位置と合っているか。「穴が見えない」場合は、(1)で10:40頃到着という供述がある場合は矛盾が出てくる。
有り無しの判別がつかないとなったら鑑識能力の問題になってくるし、そもそも「鑑定していない」と云うことは有り得ないと思うが、もしあったとしたら大きな怠慢になる。
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上記は当方がこれまで述べてきた「虚偽証言3点セット」+1(10:51写真に穴無しの場合)に対応するものになるが、虚偽証言が今の所そのまま通ってしまっている形である。それは片山氏だけの問題でなく、取調が正しく行われて調書が適正に作られていたら、その内容との比較で法廷での証言は虚偽とすぐ分かったのではないか?ということで、検察側の問題でもあることが重要。

なお、調書にはそれ以外にも、下山時刻、kokohore2の撮影推定時刻、スコップ・USBメモリ・ビニール袋等の入手確認結果、捨てたという場所でのスコップ捜索有無、登山途中で小屋の管理員以外の人に会わなかったという経過の真偽など、様々なことが記載されているはずである。
登山者証言やヤマレコ等写真、片山氏公判証言などと全て辻褄が合っているか?
検察官の方々は自己判定して頂き、矛盾や疑問点がある場合は早期に見直して真相を示して頂きたい。

また、「複数関与説」や「共犯説」など片山氏非埋設の可能性から推測される事柄は別としても、重大な虚偽証言があることは明らかなのだから、他の証言の信憑性にも大きく影響することが考えられ再評価は必須。(しかも犯行肯定方向の偽証という異常事態)
9月19日の次回公判まで日にちがあるから、法曹三者で公判の進め方を再検討して頂きたいと思う。

以上
[追記]
本日は先月末に第14回公判で衝撃の証言を聞いてから丁度一ヶ月。
だが、事件の根底を揺るがす虚偽証言にも関わらず、世間一般には全く伝わっていない。
それで、同じく第14回公判を傍聴されていた神保氏と江川氏に、同公判での虚偽証言について連絡し、報道してもらえないか検討依頼した。

ただ、神保氏にはビデオニュースの問合せ欄、江川氏にはTwitterの方に送ってみたが、初めて連絡したので上手く届くかどうかは分からない。それでも、もし気づいて頂ければ、ご両名は当時の公判の様子を分かっておられて、モニタに映し出された虚偽の埋設位置も見ておられるので話は早いと思う。何とかこの事態が広く知られて、見直し機運が高まってもらいたい。

なお、これも殆ど報道はないと思うが、第15回公判での片山氏の様子は非常に心配であった。何度か紹介しているように「目が浮いている」という感じだったのである。ただ、被告人質問への答えは淀み無かったので、法廷にいた人たちも余り気が付かなかったのかも知れない。
第15回公判自体では虚偽と感じるような証言は個人的には無かったが、雲取山で重大な虚偽証言をした理由になっている何かが、彼の心の重荷になっているのではないかという推測もしている。
将来不安は当然あるだろうが、再収監されて時間が経過し、本来は嘘から開放されて心が落ち着いてくると思われる時期に、あの様子は非常に気になった。しかも第14回より第15回の方がずっと悪化したように感じた。

佐藤氏会見によると、長谷川氏は「抑圧を解いて実際のところを語らせる」と云うことを少し初めていたとのこと。
第15回公判での様子も抑圧のようなものが影響しているかも知れない。ただ、雲取山で偽証しなければいけない心の抑圧というものはなかなか考えられなくて、逆に偽証する方が心理的な圧迫になると推測できる。もし雲取山で偽証させる抑圧が何か有るとしたら、昨日書いた「隠蔽したい何か」とつながるかどうか。
いずれにせよ、長谷川氏の鑑定が行われなくなったのは残念。もし虚偽証言対応で公判方針の見直しが行われるとしたら、心理鑑定の再提起を行って頂きたいと思う。

追記以上