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モニタリングに関する課題事項(暫定)

明日第9回モニタリング結果が公表されるが、モニタリングに関する課題として気になっていた事項あり。詳細は詰め切れていないが、明日結果が出た後に書くと「後付け」的になりかねないので(苦笑)暫定で本日記載。2点あり。

(1)分析データの傾向
データに関しては個々の値だけでなく、傾向というものが考えられる。専門家会議や技術会議でも地下水の「濃度低下」の可能性について言及があったので例示。

”第7回専門家会議” 平成20年5月31日
<国際環境ソリューションズ中島氏…排水基準を超過する濃度の地下水汚染が存在しない区画のA.P.+2m以深に汚染土壌が残存する可能性は小さく、残存したとしても地下水管理の過程で最終的には濃度が低下していく可能性があると思われるということでございます。>
→「地下水管理の過程で濃度が低下していく可能性」を述べておられる。

”第8回専門家会議” 平成20 年12 月15 日
<東京都…こういった土壌ですとか地下水、そういったものの汚染物質を浄化するといった直後に、敷地すべて、全域すべてにおきまして地下水を環境基準以下に浄化するということは非常に不明確なところがございまして、仮に基準を上回るといった箇所が出てきた場合にも、その後の対策が必要になってくるというようなことになります。>
→「対策実施直後から地下水を環境基準以下に浄化出来るかは不明確」 は、 時間の経過とともに低下することを示唆していると想定される。

地下水の汚染濃度低下は、本来は「地下水管理システム」の稼働効果を考えていたと思われる。しかし、それが無くても雨水の浸透・蒸発などで循環が起きることになる。また、建築工事中も排水ポンプ稼働があった。
「おときた」議員が次のようにツィートで記載。
豊洲市場の地下水について(都議会で)質問が相次ぎました。開場前に排水ポンプを止めて地下水位を上昇させてしまったことは都の意識の欠如>
→地下空間に水が溜まったのは、地下水管理システム稼働前に排水ポンプを止めてしまったためで、建築工事中はポンプが稼働していた。

このように地下水は循環があったが、結果的に昨年8月第8回モニタリングで3区画に基準値超えが出た。第1回は2014年11月だっかたら「21ヶ月」で発生。専門家会議・技術会議の「濃度低下」の見通しは実態と違っていたことになる。

こうなると今後いつまた基準値超えが出るかもしれない。年間平均だけでは語れなくなる可能性があって、連続データでの判定も有効になり、2年間連続というような規程も納得性があるかも知れない。ただし、2年連続OKなら、その後は全部OKともいい難いだろう。

このように土壌汚染対策は難しく、明日専門家会議は、どのような見解を出すのだろうか。

(2)地下水モニタリング区画数と対策区画数に違い有り
5,6,7街区合計のモニタリング箇所(井戸本数)と対策箇所の数が異なる。(図面後掲)
 ・地下水モニタリング用井戸は「201本」(中央卸売市場HP)
 ・地下水対策箇所は「1,298箇所」(第18回技術会議資料)

対策した箇所はモニタリング必要と思われる。指定は区画単位だから、対策区画とモニタリング区画との関係を都側はどう考えて設定しているのだろうか。(詳細未調査)

また、基本設計時の打合せ内容などは関係しているだろうか。
<「2011年5月25日 基本設計打合せ」
便所・スロープなど非常に小さい建物にもモニタリング空間が必要なのか(設計者)
1階で食品を直接ハンドリングする建屋のみモニタリング空間を設ける方針とする。便所やスロープ等は必要ない(東京都)>

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以上