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「区域指定は区画ごと」など

sti**dog*2」さんから追加コメント(1)~(3)を頂いているので返信。

(1) 農水省資料は、平成23年3月25日に開催された食料・農業・農村政策審議会食品産業部会において、中央卸売市場整備計画の策定についての諮問に関する「参考4 東京都中央卸売市場築地市場の移転をめぐる状況」の配布資料中の別添7として審議会用に作成されたもので、一般論を述べたものではない。そもそも形質変更時要届出区域に大金を投じて市場用地にするなど狂気の沙汰が他に生じるなど想定できない。

→例えば姫路市で、そのようなことが起きています。ちなみに平田氏が座長で中島氏も参加して、今年から専門家会議が開催。

この中で要届出区域の話も出ています。
イメージ 1

姫路市の件が有ったのはたまたまですが、当方の感覚からすると、農水省の見解だと非常に重みが有って、「東京都対象資料」等の趣旨明記でもしない限り、将来も含めて一般的にも適用できることを考慮すると考えます。ただし、読解の問題になりますので、これは人それぞれという面があると思います。

(2)と(3)は、まとめます。
(2) 自然由来特例区域とは「形質変更時要届出区域内の土地の土壌の特定有害物質による汚染状態が専ら自然に由来するものと認められるもの」であって、ABCラインに含まれる土地でありDEラインに移行できない。なお、当該特例区域の特典は土地の形質変更にあたり、汚染土壌が帯水層に接しても差支えないとの扱いであるが、豊洲は既に汚染土壌と帯水層が接していると考えられる。
(3) 形質変更時要届出区域の指定解除をするには、土壌汚染の除去により土壌溶出量基準及び土壌含有量基準に適合させることが必要であり、ヒ素等による汚染土壌を除去できない豊洲は指定解除できない。平田座長も小池知事も指定解除できない旨の発言をしている。

→東京都の見解例(塚本市場長)を示します。”2013年3月12日予算特別委員会”より。
----答弁抜粋----
〇塚本中央卸売市場長
 豊洲新市場用地では、調査により汚染が確認された区画及び盛り土の仮置きや仮設土壌処理プラント設置など、対策工事に必要な範囲で、汚染のない区画についても指定を受けております。
  この指定区域のうち、自然由来の物質がある区画については、対策工事終了後も指定が残りますが、ガス工場の操業由来による指定区域については、汚染土壌をすべて掘削除去して無害化することから、二年間のモニタリングを実施した上で指定を解除いたします
  なお、自然由来の物質は、同様の地層がある土地にも含まれ得るものであり、実態としてそのような土地と変わりはございませんが、豊洲新市場用地における都の土壌汚染対策は、ガス工場操業地盤面から下二メートルの土壌を、汚染の有無にかかわらずすべてきれいな土と入れかえることに加え、さらに二・五メートルをきれいな土で盛り土するなど、自然由来についても法の求める対策を上回る二重三重の封じ込めを行うこととしております。
  したがって、指定区域が残ったとしましても、市場用地としての安全性には全く問題ございません。 
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区画」と述べているのがポイントで、区域指定は区画(基本10mメッシュ)ごとに行われます。また、「調査により汚染が確認された区画及び ・・・ 対策工事に必要な範囲で、汚染のない区画についても指定を受けております」という事情も述べています。

仮に全区画指定した場合で、対策後モニタリング2年間実施した状況の概念図。(自然由来はもっと広く分布することになると考えられるが、指定解除との区別を見やすくするために部分的にしてみた)
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コメントで「豊洲は指定解除できない」とされていますが、塚本氏は「操業由来による指定区域については … 二年間のモニタリングを実施した上で指定を解除いたします」との答弁。この違いは同氏が「区画」対象で述べている点にあると考えます。

豊洲全体ではなく区画ごとに見ると、汚染に関して基本的に4種類の状態が有り得ることになるでしょう。
 ①操業由来と自然由来の両方有り
 ②操業由来のみ
 ③自然由来のみ
 ④操業由来も自然由来も無し

塚本氏答弁は、②について対策後2年間モニタリング実施し指定解除すると述べていると考えられます。そして①についても操業由来汚染は対策し2年間モニタリングしますが、自然由来のために③も含めて指定が残ることになるでしょう。④は問題なし。

また、自然由来への対策と安全性について上記答弁で次のように述べられています。
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自然由来についても法の求める対策を上回る二重三重の封じ込めを行うこととしております。したがって、指定区域が残ったとしましても、市場用地としての安全性には全く問題ございません。
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安全性に全く問題ない」と明言しており、この論法で農水省も認可できるという目論見だったと推察。
このように区画ごとに考えると、上図のように当初A・B・CのラインであってもD・Eに移行できる区画が出てきます。残った区画は要届出区域指定であっても「自然由来特例区域」のみになれば、「盛土などで法を上回る二重三重の封じ込めにより安全性に全く問題無い」との主張で、農水省認可を得られるという都側の論法(皮算用?)が見えて来ると思われます。

しかし、その目論見が現状では盛土無しで崩れてしまっているので、「都側が今後どのような論法を打ち出してくるか?」が注目される状況と思います。

なお、「平田座長も小池知事も指定解除できない旨の発言をしている」という件に関しては、「豊洲全域での要届出区域指定解除は出来ない」との趣旨と当方は解しています。
ただし、指定解除は出来なくても、「自然由来特例区域のみにして農水省認可も受ける」と云う方向性があることを両者は説明しても良いと思いますが、何故か無いようです。これを述べてしまうと、「(少なくとも)8月に基準超えが出た3区画はどうするのか?」と突っ込まれることが当然予想され、2年待たずに開場するための都側や専門家会議の論法が決まるまで説明は避けているような思惑も有るか。

以上