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第4回専門家会議とモニタリング結果に関して

本日は予想外のモニタリング結果が報告され、様々な見解がネットでも飛び交っている。余りにも論点が多いので、本日のところは「地下水管理システム」に関して述べる。

公表された第9回モニタリングの値は、基準値を大幅に上回るというものだったことは、既に皆さんも御存知の通り。第8回までより遥かに高い数値と検出箇所の多さであり、専門家会議も言っていたように測定の検証は必須。
よって、本日は数値の高さ自体には依存しないような内容を記す。

重要であるのは数値が大幅に変化したこと。その要因の可能性として地下水管理システム(以降管理システム)の稼働が挙げられていた。それまでとは違う地下水流が発生するのは確実だから、この推測には一定に納得性があるだろう。ただし、確証を得るには今後の測定やメカニズムの解析が重要になる。

また、管理システムの稼働が影響している場合は、汚染測定値の上昇だけでなく、逆にその後の経時変化での低下も考えうる。これであれば昨日記事で取り上げた専門家会議・技術会議の想定(期待)していた傾向になる。

結果的に豊洲市場の汚染対策工事には管理システムの影響が大きいことになる。しかし、2014年11月にモニタリングが開始された時点では完成しておらず、本格稼働は今年10月。そしてデータ変動要因の可能性として真っ先に挙げられるぐらい、測定条件の変化が考えられる。

この経過を考えると、次のことが言えると当方は思う。
”地下水管理システムの本稼働までは、豊洲市場の汚染対策工事は完了していなかった”

本来のモニタリング期間は、これからということになる。モニタリングを続けて、基準値以下になってからが2年間のスタートだろう。これだと少なくとも後2年以上はかかることになる。

管理システムの問題点はそれだけではない。1月7日記事で以下のように記した。
「当方のシステム構築における認識からしたら、少なくとも大量降雨を実際に処理してみないと確認が済んだとは言えないと思う。それに対して、昨年10月本稼働だったから大量降雨時期は通過していない」

本日会議では、「AP+1.8mに水位が下がるのはいつ頃になるか?」という質問に対して、平田氏は「菜種梅雨(3月)を見てみないと」と答えておられた。この論理でいけば、大量降雨を処理してAP+2m以上にならないように出来るかどうかは、台風も考慮して今年9月や10月までの約1年ぐらいの稼働検証は必要ではないか。

他にも本日会議で様々な課題が指摘されたが、上記のように地下水管理システムだけ取り上げても、今夏に開場判断できるような状況にも至らないように思える。

なお、専門家会議は換気の必要性を強調しており、換気追加の提案を行うことは確実となった。当方がこれまで述べてきたように、現状空間が「英知」とする佐藤尚巳氏や同氏見解を支持する方々は、英知空間に手を加える必要があることをどう評価するのだろうか。また、同会議は「今から盛土は出来ないから、換気を検討する」との趣旨であり、盛土の代わりなのだから盛土は必要だった。「盛土無しが正解」とする佐藤氏や図解士さんなどの方々は、同会議にも異議を唱えるのだろうか。

公約と違う盛土無しで、これだけの状況を引き起こし、更に後で改造(換気追加)が必要では、とても英知などと言えないと当方は思う。前述のように専門家会議は「盛土が必要だった」という認識なのだから、佐藤氏と見解が食い違うことにもなる。同氏発言は公式議事録に掲載され、訂正等もされていない。小島座長が盛土問題は対象外として同氏に注意したとは言え、内容の吟味は行われず掲載され続け、引用も各所でされている。このようなPTの運営は豊洲問題の論議を混乱させていると思う。また逆にPTの検証対象として、都側の調査が2回行われても不十分だった盛土問題を正式に取り上げるべき。

当ブログとしては論議が当面どのように推移していくか。特に「盛土無しが正解」などの現状空間全肯定派とでも言えるような方々が、自説を今後どのようにしていかれるか、ウォッチしていこうかと思う。

以上