kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

日刊ゲンダイ1月16日記事 「”パクリ”騒動」

日刊ゲンダイ」で以下の記事が出ている。夕刊紙とはいえ、「”パクリ”騒動」というセンセーショナルなタイトルを付けた。
イメージ 1

電子版の方にも全文があるが、紙面になるとやはりインパクトが有る。昨日も述べた政治問題への展開の初動になるかもしれない。
 夕刊紙 → 雑誌/一般紙/TV → 世論喚起/野党国会追求
また、野党の感度が高ければ先にネットを見て動くかもしれない。世論の方も、まだネット上が主ではあるが、多くの方が以下記事などを見て頂き流用を明確に認識される方が日々増加中。
 (2)[新国立競技場152] A案とザハ案の類似性検証(1月5日追加項目)…出入り口・通路・WC等の位置形状  
 
(1)(2)で流用は一目瞭然。しかし、隈氏はゲンダイ記事にも有るように会見で完全否定してしまった。
<細部の類似点については一部、認めつつも「そもそものデザインが類似しているとは全く思っていません」と断言。あくまで“パクリ”疑惑は否定した。>
エンブレム問題もあったから「パクリ」疑惑について世論は敏感になっている。その上で流用はエンブレムの時より歴然としているのではないか。まず上記(1)の構造面類似ですぐ分かるし、更に(2)の内部構成類似でダメ押し。類似点多すぎて偶然の一致での説明は到底無理だろう。(潜在的には「モチーフ偽装」問題も加わる)

そして、(3)では「サドル型とフラット型」の相違による反論のカラクリがご理解頂けると思う。さらにZHAビデオの図にキールアーチを乗せてみると、キールアーチの有無がサドル型とフラット型の違いに影響することが見て取れる。
イメージ 2

また隈氏はゲンダイ記事に有るように、次のような反論もしておられる。
<8万人規模のスタジアムを設計する場合、座席を3段構造にするのが一番リーズナブルな選択肢。座席の傾斜についても、観客から見えやすい角度を計算しています。座席の配列など、ディテールについては東京都の火災予防条例などを考慮しました。>
これについても一昨日記事のコメントで「 miy*_n*」さんが詳細に矛盾を指摘しておられる。

結果的にゲンダイが付けたタイトル「隈研吾氏の反論に説得力なし 」は的確ということになる。仮に先月22日のA案決定時には隈氏がザハ案詳細をご存じなかったとしても、それから3週間以経っての会見だった。当然流用を認識しているにもかかわらず全否定することは、隈氏自身も忸怩たる思いがあったのではないかと推測。
ゲンダイは大成・梓とJSCに問い合わせも行っている。
<隈氏と共同でA案を手掛けた大成建設と梓設計に、データ流用について問い合わせた。大成は「データ流用の事実はない」(広報担当者)としたが、梓は「一切、答えられない」(同)と逃げた。事業主体の日本スポーツ振興センターも、「コメントできない」(同)と濁した。>
最終的には以前も述べたように「梓設計が当選辞退を表明し、それを受けて大成が返上を申し出る」という方策が当面の事態を収めるには適切ではないか。その上で今後の対応策を与野党一体になって検討いただきたいと思う。

以上
[追記]
ダメ押しのダメ押し(笑)で類似点の追加を一つ。
両案とも1階にあるホスピタリティ(VIP)専用入り口が、ザハ案は2ヶ所、A案は1ヶ所となっている。

イメージ 3

ただしA案は将来のVIP席増設(3F改修)を視野に入れていてスペースを確保してあるが、その入り口はザハ案と同じ位置にある(右図上側)。ここまで同じで、まだ偶然の一致ということにするのだろうか。或いは、VIPルームをザハ案と同様に全周に造った場合は、入り口も同じ位置になると説明するのだろうか。

また、このVIPルームの件は審査の問題に直結してくる。
<五輪後、収益率をアップさせるためにVIPルームを増設するにも、スタンドが2層のB案より、3層のA案の方が工事がしやすいという。>
VIPルーム増設を審査で考慮に入れていたとすると、当然審査員はVIPルームに関してザハ案と比較することになり、増設時のVIPルームの入口なども確認していることになる。つまり、流用は審査員も分かっていたという証になる。

結局のところ、幾ら否定しても追加で色々出てきてしまうから国民全体を欺くことは困難だし、審査の問題にも波及していく。混乱を最小限にするために政府は出来るだけ早く決断したほうが良いと思う。逆にグズグズしているようであったら野党はこの機を逃す手はない。
その上で文藝春秋9月号記事で記されているように已むを得ない様々な事情があったのだから、政府が過去の経緯を明らかにした上で、「大成チーム+竹中チーム」で体制を組み直し、与野党含めて文字通りのオールジャパンで対応策を検討して頂きたい

追記以上