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神宮外苑再開発計画との関係

表題の件の前に、両案支持状況の続きだが、昨日のTBS「ひるおび」では、出演アスリート4人の意見がA案1名・B案3名、会場もB案の方が相当上回り、全体としてB案優勢になっていた。
ラグビー日本代表でA案を支持した堀越氏は、A案が自然を感じさせるところを評価。B案支持では元陸上五輪選手の高野氏が、「日の丸」のイメージが有るところを評価。そこで両案を当方判断で色に当てはめてみて、A案「緑」・B案「紅白」として考えてみる。
外苑という場所から多くの人が「緑」を連想し、両方のパースを最初見た際に、イメージが合致する上に木の屋根で温もりも感じられるというのがA案だったのではないか。その後見慣れてくると、B案の紅白もすっきり感があり、かつ巨大木柱による造形のインパクトを認識する人も増えてきた。当方としては、現状をこのようにざっくり推定している。またYahooの意識調査もB案が引き続き徐々に追い上げているが、出足の差があるから届きそうには無い。
このような状況では、どちらが上回るかというより、審査員側からしたら「最初はA案がずっと多かったがB案も追い上げた」ということで、結果的には「どちらも有り」という見方が出来てしまうだろう。結局新コンペ審査基準設定の意図通り、「工費・工期」で決められる可能性が高まることになる。その場合は提案書公開での黒塗り部分が効いてくる可能性があるが、その内容は我々には分からない。

さて、本日の主題は外苑整備計画絡みの話。
「関係閣僚会議(第2回)平成27年8月10日」において、桝添都知事から「神宮外苑の再整備計画」について次のように説明があった。
<「神宮外苑地区のまちづくりとの調和を図る」という項目でありますけれども、新国立競技場は神宮外苑地区にございますが、この地区では、再整備に向けて関係6者と具体的な協議が4月にスタートいたしました。したがって、この神宮外苑地区のまちづくりと調和した整備計画とする必要がございます。・・・>

神宮外苑地区の再整備に向けて関係6者と具体的な協議が4月にスタート」したという件については以下のような記事がある。
<2015年4月1日、東京都と関係権利者6者は神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書」の締結式も開いた。締結式には舛添要一東京都知事、明治神宮の中島精太郎宮司、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の河野一郎理事長、TEPIAの中村貴司常務理事、伊藤忠商事(株)の岡藤正広社長、日本オラクル(株)の杉浦博茂代表執行役、三井不動産(株)の菰田正信社長が出席した。

舛添知事の説明資料にある図を示す。「神宮球場ラグビー場を入れ替える計画」などが盛り込まれている。
イメージ 1

この図だけだと、まだどのようになるかはっきり分からないが、なんとB案の提案書には、もっと具体的な以下の図があった。右側が該当し「4月1日基本覚書締結の報道による」となっているが、公式提案書に裏付けを全く取っていない情報を載せるわけには行かないと思われ、或る程度は信憑性があるのだろう。また都営霞ヶ丘アパートの場所は「こどもの森」と書かれている。
イメージ 2

このように外苑全体の再開発計画まで併せて考える必要があるが、国民や都民には余り知らされていないと思う。また上図左側には渋谷川再生の構想も書かれている。再生と言ってもごく小規模と想定され詳細までは分からないが、このような図も見せて説明すると、前述の堀越氏のような自然派の方々の意見も変わってくる可能性があるだろう。審査委員にも造園家の涌井氏がいるから、造園的な構想は判断材料になる可能性がありそう。ただし、A案にも周囲の構想はあるから、結局は全部詳細に見なければ判定できない。そして、景観を判定するなら官庁営繕部人脈の建築家で固めるより、一般市民代表を複数入れるべき。
また、再開発計画関連以外でも提案書を細かく見だすと、例えばB案の巨大木柱は周囲が通路で「傷が付けられやすいのではないか?」というような懸念が有り得て、保護手段検討が必要かも知れない。他にもイベント毎の収容人員調節のやりやすさという観点でのスタンド3層(A案)と2層(B案)の比較などもある。結局提案書内容が豊富なので幾らでも比較・検討項目が出てくる。更に言えば、個々の項目の実現性検証も必要になる。
だが、もしそれらの詳細検討をやっても、評価点数は工費・工期が半分を占める構成になっているし、検討するにしても審査委員にはスポーツビジネスどころか意匠や構造の専門家さえいない。やはり、審査は茶番になりそうだが、本日の内定はどのような結果になるだろうか。

以上
[追記]
昨日2本目記事で整理した当方ベスト案を再掲。①で大成推しだが、③で案自体はB案推奨なので捻じれがある。しかし①が最優先。さて本日どうなるか。
 ①大成は外すべきではない
 ②大成と竹中も分断すべきではない(施工JVか、何らかの形での分担協力関係にする)
 ③大成・竹中JVにして(清水、大林は外れる)、技術提案はB案採用を推奨
   ・B案になったら内装を部分的に隈氏にも依頼する
   ・①を最優先するので大成単独受注ならA案でもやむをえない(大成単独なら伊東氏出番なし)
   ・大成・竹中JVの場合は組織設計事務所も梓設計・日本設計JV
 ④工期を2019年11月末から更に短縮してラグビーW杯に間に合わせることを目指す
   (大成単独受注だと、これは厳しいかも知れない)  
 ⑤1,550億に収めるという条件で座席空調復活を検討する(⑥に対して工期面で影響するなら無し)

(なお、五輪までには建てないで、本文で紹介した外苑再整備計画などと併せ、スポーツクラスタの充実として国民的論議により仕様を再検討するのが更にベスト、そうすればサブトラック常設や車道廃止なども検討できる)

追記以上