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3月22日起訴分抜粋時系列(考察1)

犯人の行動番号①から⑨を右側に付与して、時系列まとめ表を再掲する。
なお、遠隔操作をリアルタイムと仮定して入れてある(⑧と⑨)。
イメージ 1

前提として、ネットカフェは今までと同じか新規の店か? → 情報がないので当面従来と同じと想定して考察する。
(佐藤弁護士は金曜日の記者会見で証明予定事実記載書に店名も書いてあると言っていたが店名は明らかにしなかった)


丁度nak*bb*1さんから以下のコメントを頂いたので、それに回答する形で考察を記す。
>検察の主張がちぐはぐだと思うのです。検察はウイルス作成罪を見送っていますよね(佐藤弁護士は違う言い方をしていたようですが報道ではそうですよね)。
>なのに動作確認をしたことを立証しようとしているのは方向が違う気がするのです。何を立証するつもりなのでしょうか?

行動番号①~⑨を付けたのは、犯人の行動が一連の流れで行われていることを明確にするため。ネットカフェはそのうち③と⑦で、9分の2になる。つまり、ネットカフェは行動の一部分。
また①の「トロイ作成」は、番号は一つにしたが内容は③と⑦より遙かに多いことは皆さんご承知の通り。

そして、記者会見で佐藤弁護士は以下のように言っておられた。
「全部でなくて、あるアキレス腱を見つければ弁護は勝てる。チャンピオン(検察)はノックアウト勝ちしなければならない」

本来検察は一連の流れをきっちり論理立てて説明し、それを裏付ける証拠を用意して弁護側を圧倒してノックアウトする。(今回は①から⑨も事件全体からするとごく一部で、他の犯行もあるから証明すべき項目は膨大になる)
それに対して弁護側は、どこかに論理や証拠の穴はないか探してひっくり返す。
このような戦いになるべきところが、今回は逆になっているということを佐藤弁護士は感じておられての発言と思う。

逆に弁護側のほうが、最初の①からいきなり「C#使える証明はあるか?」と強烈パンチを繰り出して、④もC#である。更に、検察側が犯行場所を「派遣先PC」と特定してきたら、⑤~⑥は一応それに合致しても、⑧と⑨で「会社にいないのに、どこでどうやってやったか?」を追求しようと手ぐすね引いて待っている。弁護側が全体的な反証を整えようとしている。
それに対して、検察側は「ネットカフェの動作実験」が唯一現在の突破口なのか、というのが金曜日の証明予定事実記載書の状況。

「何を立証するつもりなのでしょうか?」ということでは、検察側は当然一連の流れを全部立証したい。しかし、現実は出来そうもないので「ネットカフェで動作実験を行なった」という手持ち証拠(内容は不明)で、とにかく被疑者が犯行の「一部」でも関与しているということを証明して、そこから全体に広げることを目論んでいるのではないだろうか。
その目論見通りになるかは甚だ怪しいが、「ここまで来たからまずは7月10日(及び釈明がある場合は7月12日)まで待とう」というのが弁護側の現在のスタンスと思われる。

なお、ウィルス作成罪との関連も補足説明しておくと、前述のように検察は①~⑨まで全部立証責任が有る。その中でも①はスタートとなるため重要であり、本来立証必須。弁護側も「C#使えた証明」を一番に要求しているが、それは「被疑者がC#でトロイ作った」ことを検察に証明して貰いたいと求めているのと同じである(もし求めに応えられない場合はその理由が必要だし、裁判で相当な不利を覚悟する必要がある)。この点は検察も弁護側も認識は一致している。(佐藤弁護士もこの趣旨を言っておられると思う)
要するに、①だけを取り出して立件はしないというだけである。これを例で説明してみると、グラフィックボードを内製しているPCメーカーがあるとする。グラフィックボードも外販したいという意見もある。しかし、パソコン全体を作るのに四苦八苦している状態で、グラフィックボードを外販前提の仕様で作っていられない。外販するとなったら、箱も一応取説なども必要だし、他社PCでの動作確認など、自社製品に使用するだけの場合より確実に手間が増えて、単体での品質保証も行わなければならない。だからグラフィックボードの外販は止めときましょうというのが今の事態。それでもパソコン作るためにグラフィックボードは作る必要がある。
なお、これは今回の事件の場合であって、例えばウィルスの感染力がもっと強くて被害が広範囲に及んだとか及ぶ恐れがあったような場合は違ってくるだろう。グラフィックボードの例に照らせば、大量に販売できそうなあてがあるから無理してでも外販仕様で作ろうというような場合に相当。ウィルス作成罪と云う通称で、作っただけで即立件という印象があるのかも知れないが、単にそうでもなく場合に依ることになると思われる。また、ウィルス作成罪立件しなくても、今回も作成の立証必要であることは前述の通り。
(他に考えられる場合としては、ウィルス作成者と使用者が違う場合には、作成者は作成罪、使用者は供用罪が適用になると考えられる)

>状況証拠の積み重ねで立証できるというような言い方をしていますが、犯行の証明は、江ノ島がダメなら職場のパソコン以外は考えられません。
>こちらの方では、1)FBI情報と2)したらば掲示板アクセスが根拠のようですがどこまで証拠をもっているのでしょうか?

ネットカフェは両日とも利用時間24分という短さも有り、これで犯行に必要な様々な行動の大部分を説明するのはとても無理なことは明らか。それでご指摘の通り、職場にいた時間が長いから派遣先PCが重要になる。検察もそのことは重々判っていて、それでも証明予定事実記載書で未だに派遣先PCによる犯行行為が特定されていないのは、被疑者黒につながる有効な証拠を持ってないと予測するのが自然と思われる。
なお、時間が長いという点では当然自宅PCのことが出てくるはずだが、それも出てこない。遠隔操作は殆ど被疑者が会社にいた時間帯に行われているので、自宅PCのことを持ちだすと遠隔操作に対するアリバイが容易に成立してしまうという難点がありそう。

本日の考察は以上であるが、上記の表に現れてないこともなどもありそうなので、明日も考察2として続ける予定。

(考察2へ続く)