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「増田知事だったら」と小池知事の対応

昨年からずっと考えていたことがあって、都知事選で小池さん以外が当選していたら、どうなっていたか。皆さんの中にもお考えになった方はおられると思う。他候補の中で、鳥越氏だと支離滅裂になって混乱拡大だったと思うので、知事経験が長い増田氏が比較検討対象と思っていた。

そうしたら丁度本日以下の記事有り。色々情報も集まった現段階での意見表明だから検証しやすい。
<市場移転問題は着地点が見えつつある。市場を豊洲に移転し、築地の跡地は民間に売却するか、貸し出して活用するかという二つの案が都庁の戦略本部で議論されている。築地のブランド価値を活用しながら、要は市場機能を豊洲に移すものだ。それにしても判断まで時間がかかり迷走した。 >
→「要は市場機能を豊洲に移すもの」として、小池氏・小島氏の構想を未だに読み取れていない。更に「判断まで時間がかかり」としている点も、どれほど難しい問題かの認識すら出来ていない。結局このレベルの人物かと分かって非常に有効な記事。

その点小池氏は昨日の築地ヒアリングにおいて、Twitterでも紹介した冒頭部分と最後のまとめ発言でも「築地存続」を強く示唆している。

冒頭< 世界にまれに見るブランド力、それは皆さん自身が培って来られた目利きの力と心意気によって歴史が刻まれてきた築地の歴史をあっという間に消し去るということは出来ないと私は思います」>
まとめ<総合的にAかBかとかという観点だけでなく、これまで育ててきたブランドをどう守って、どう発展的にこの物流をどうするのかということをもって鳥の目で決めたいということをずっと申し上げてきたところです。・・・
(この市場が)これからも、東京の、そして日本の食の中心であり続けることは変わらない。これをどういう風にさらに磨いていけるのかについて、また皆さんからもご意見をうかがいながら、私として、基本的な方針、これを決めていきたいと思っています。これからもっともっと、この築地市場のほうにもうかがわせてもらいます>
→見事なまでの明確な表明(苦笑)
そしてこれを実現する方策がPT案ということでストーリーは出来ている。ただ、同案に対しては当方は「選挙用の目眩まし」と見ている。理由は追記で後述するが具体化に当たって困難な課題有り。それを明確に表現しておいたほうが良いと思い「目眩まし」としている。ただ、マスコミの方もPT案の内容を理解する所が出てきて、昨日Twitterで紹介したテレ東番組のまとめは分かりやすい。

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同番組のまとめtogetterを作成した人がいて、上図もそこから借用したが、その人は<仲卸業者は築地で、大卸は豊洲でエエねん>と同案の本質を見抜いている。そして今朝の報道2001などでも「両方活かすことができるのか?」というような趣旨の指摘が出て来ている。

先週は日経などのように「豊洲移転」と誤報してるところも多かった。投票日までは目眩ましが持つかとも思ったが、TV各社がテレ東のまとめを見習った図を作って、コメンテータに「豊洲移転と言いつつ実質築地存続で両方成り立つのか?」と指摘させたら厳しくなるかも知れない。

ただ、本質を見ると、築地ヒアリングで出た意見などを率直に聞けば「仲卸の豊洲残留意思」は非常に固く翻意は困難。しかも商売上で「もはや豊洲へ行ける状態ではない」という明確な判断だから、外野が言ったくらいでは動かない。それに対して、苦肉の策のPT併用案をマスコミ、特にTVが批判すれば、また本質を見誤ることになる。

そこで小池氏側も、考えるべきことが有る。PT案にも簡単に入っている「豊洲市場のメディアセンター使用」を正式に打ち出さないのか。これを出せば、TVもビッグサイト問題」の説明から入るので時間がかかる。しかも、結構深刻な問題で、豊洲活用によってビッグサイト閉場が避けられれば実態としての効果も大きい。

豊洲・築地併用案は「豊洲メディアセンター化」も同時に打ち出さないと整合性が取りにくくなる。そして実際にメディアセンター化で有効活用しつつ、豊洲の将来方向検討の時間を取れれば一番実態に即した望ましい対応策になる。増田氏とは異なるであろう小池氏の勝負感に注目。
以上

[追記]
PT案が実際は困難と思う理由について、豊洲・築地それぞれで当面の要点になると思われる課題を一部挙げる。

豊洲…出来るだけ早い開場を実現しようとすると、従来ロードマップでは「環境アセスの変更申請」の段階に進む必要がある。しかし、重要な「水位管理」で目標水位達成の目処が立っておらず、それで申請できるのかと云うことになる。また、その前に所謂「無害化ロック」の問題が出てきた。小池氏は結局謝罪しただけで、無害化目指すのか、基準変更かは明言せず。この点は選挙戦に向けても結論出さず、新議会になってから新たな決議で何らかの対応すると推測する。しかし、新議会が落ち着いて審議できるようになるまでも時間がかかる。結果的に、ロードマップにおいて、環境アセス申請の前に「無害化決議の対応方針決定と新たな決議」という段階が追加されたと見ている。どれぐらい時間掛かるか不明。
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築地…まず仕様決定。合意形成が再重要だが、そのためには或る程度明確な仕様がないと論議にならない。仕様を決めるためには、再整備において難しい条件が色々あるので、基本設計に匹敵するぐらいまで詰めないと仕様化困難と思える。しかし、そのためには業界との話合いが必要ということで、堂々巡りになりかねない。結局これも新議会になって、知事・議会・業界とが話し合う環境作りが始まるという展開にならざるを得ない。

→PT案以外であっても当てはまる部分は多いだろうし他にも課題は山積で、「当面は豊洲問題に解なし」の状態ではないか。都議選で小池氏側が過半数取ってからが始まり(豊洲問題では公明の最終的対応不明だが、共産は築地存続支持)

追記以上