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小池知事ブレーンの問題

小池知事はブレーンとして顧問を14名任命している。”東京都顧問について”東京都政策企画局

この中では、小島氏が市場問題PT座長として今月第一次報告書をまとめ知事に手交した。内容は課題多数とは云え、昨年から長期に渡り検討してきた結果になる。

別途、都庁で戦略本部が立ち上げられたが、審議回数はPTより大幅に少ない(4回…PTは正規だけでも10回)。また、豊洲市場建設で失敗を重ねてきた都庁の幹部らで、PT結論を大幅変更したら正統性が無い。それでPT提言採用を知事決断だけで行うのではなく、「行政組織として了承する手続き」と見ていた。

しかし、今回公表の基本方針は、PT報告と相当方向性が相当違うように思える。PT案も併用に見えるが、構想図を見ると築地の方に「卸売場と仲卸売場」が有り、豊洲には無い。従来の「市場機能」は築地という思惑が見て取れる。
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しかし、築地における基本方針の小池氏説明では「豊洲には中央市場として移る」とされ、大卸の伊藤会長が高く評価していたぐらい。また、PT案は「ローリング」の説明が多いのに、基本方針はあっさりローリングは捨てて、「豊洲一時移転」で決め打ち(実際は少なくとも大卸は戻らない)。

どうも変ということで見ていると、他の顧問2名「安東氏と上山氏」が基本方針を礼賛する論考を立て続けに公表。中でも安東氏の方が詳細で、踏み込んだ内容も書いておられる、同氏が主導してPT案を「換骨奪胎」し、小池氏に進言したのではないか、と個人的に思えてきた。

但し当然ながら、内幕話のため憶測ということになるが、参考となる一次資料として両氏の発言記事をご紹介。内容は多岐に渡り、経済や費用面などは多くの方々が論評されているので、まず「汚染対策の技術面や手続面」に関する記述を安東氏記事から以下に示す。また、今後の論議で焦点になると思われる「中央市場」に関しては、上山氏記事を含めて追記で取り上げる。

なお、個人的感想を先に記す。
●土壌汚染対策は、「専門家会議の追加対策8ヶ月案」実施が軸になっている。しかし、安東氏が「環境アセス短縮」まで公言しており、関係局長会議での市場長発言「追加対策は今年度内完了目標」(当然小池氏指示)などと併せ、「来年GW移転」という無理筋日程を強行しようとしている印象→汚染問題関係の発言は上山氏には見られず、やはり安東氏が主導と推察。ただし、技術的観点や無理筋強行の場合の反発などに対する見方は相当甘そう(安東氏経歴に技術経験は無し)。

●安東氏の発言<築地は中央卸売市場ではなく地方市場で発展>(追記で紹介)のインパクトは大きい。仲卸代表の早山理事長発言<築地に戻る場合は中央市場で>とぶつかる。事前調整なしでの小池氏表明が改めてよく分かる。当方感覚からすると「無茶苦茶」レベルのやり方。優秀な方々を集めて、結局このようなやり方しか出来ないのでは情けなくなる。

●上山氏は<豊洲に「一時移転・暫定利用」と言うのが正しい>や、<(築地再開発で)地方市場化か一部民営化かは、まだまだ見えない>など発言で、本音を曖昧にして安東氏のサポートか(但し安東氏が言ってしまっている苦笑)。

----安東氏記事----
①”小池知事の決断「築地は守る、豊洲を活かす」が正しい理由 - 安東泰志の真・金融立国論Diamond Online  2017年06月21日 安東泰志:ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長 
<仮に今後豊洲に本格的に移転するのだとすれば、無害化3条件を撤回して新たな基準を設け、専門家会議が必要と認める対策を取り、環境アセスメントをやり直し、都議会の付帯条件を撤回してもらわなければならず、かなりの年月を要することになる。豊洲を活用するとした場合に、この時間をどれだけ短縮できるかというのが今回の案のポイントの一つになる。>
豊洲に一時的とはいえ移転するにあたっては、専門家会議から出されている提言の検討が不可欠であるし、冒頭に述べた「無害化3原則」の見直しも必要だ。ただし、これを通常の行政手続き通りに行うと、仮の移転までに数年を要することも考えられるため、地下の汚染が地上に及ぶ可能性が低い短期間の一時移転時の対応と、その後の用途転用を踏まえた長期的対応は、分けて考える必要があるかもしれない。

②”News Pick”(①記事に対する安東氏の自己コメント)
<小池知事の決断が遅いと揶揄する向きもあるが、小池知事は政治家である以前に行政の長だ。歴代知事の、地下を環境基準以下にすることを含む「無害化3原則」と都議会の付帯決議がある中、今年1月・3月に地下水から環境基準を大きく上回るベンゼン等が検出されたのだ。もともと達成不可能な非現実的な移転条件を突き付けておきながら小池知事を批判するのは天に唾するものと言ってよかろう。仮に昨年11月に移転していたら、豊洲市場は閉鎖に追い込まれていたのではないか。>

③”News Pick”(朝日記事「豊洲移転『最短で来年5月』小池都知事インタビュー」に対する安東氏コメント)
豊洲に一時移転するために必要な土壌対策は、突貫で専門家会議の示した方針を取り敢えずやることと、それでも絶対に果たせない過去の「無害化3原則」の見直し(議会の付帯決議の取り直し)アセスの短縮などでなんとか来年の連休にというのが目標で、その後の築地への再移転は5年以内というのが目標です。恒久的に移転する場合にはもっと必要かもしれませんが、豊洲の物流拠点への用途転用も見込んでいるので、更なる追加対策が必要かどうかは見極めが必要でしょうね。>

以上
[追記」
本文記事(①②)及び上山氏記事&ツィートにある「豊洲と築地の位置づけ」に関する記述を紹介。本音「豊洲中央市場、築地:地方市場」と、目眩まし?「豊洲は一時移転・暫定利用」などが混在している。

(1) ①記事より
<今回の案は、築地市場を一旦豊洲市場に移し、短期間で築地を再開発・再整備し、5年以内に築地に戻るというところがポイントとなる。すなわち、豊洲市場は築地再開発・再整備までの間、一時的に業者の移転場所となり、その後は冷凍冷蔵庫を備えた総合物流拠点に用途転用されることになる。>
豊洲への移転・築地への復帰に伴う業者、特に仲卸業者の方々に対しては、経営支援措置を検討する必要があるだろう。そもそも築地市場の街づくりについて、場外市場の方や新規に参加されたい方々との相談などを含めた工程表を作成することになろう。なお、これら業者の方々への支援措置の経費も、賃料等で取り返せるはずだ。>

(2) ②記事より
築地市場は近隣の浜離宮公園と一体で総合的に開発を進める。また、このプロジェクトは極力民間の力で推進できるように工夫され、これ以上の税金投入は極力回避する工夫がなされよう。築地は中央卸売市場ではなく地方市場として発展することになる。>
<今回の案は、築地市場を一旦豊洲市場に移し、短期間で築地を再開発・再整備し、5年以内に築地に戻るというところがポイントとなる。すなわち、豊洲市場は築地再開発・再整備までの間、一時的に業者の移転場所となり、その後は、冷凍冷蔵庫を備えた総合物流拠点に用途転用されることになる。その際には、現在の築地市場の機能のうちの転配送機能や市場外流通機能や、それを担う大手卸売業者は豊洲に残ることも可能だろう。なお、築地が一旦豊洲に移転することにより、2020年の東京オリンピックパラリンピックまでには、環状2号線豊洲まで貫通出来る。

(3)上山氏記事
<—— 知事の判断は、玉虫色だとの声があります。
今朝(21日付け)の新聞の見出しは、「豊洲移転、築地再開発」となっていて、豊洲に行ったきりという印象を受けますが、豊洲に「一時移転・暫定利用」と言うのが正しい。>

(4)上山氏ツィート
<Shinichi Ueyama 6月22日
豊洲一時移転は、市場法の中央卸売市場の正式移転。その後の築地再開発が、法の中央卸売市場の再整備にあたるか、一部面積だけか、地方市場化か一部民営化かはまだまだ見えない。しかし、今と同じ機能が豊洲に行き、築地に戻るわけではないでしょう。事業者がどうされたいかにもよりますし。 >

追記以上