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小池氏基本方針と「水位管理&ロードマップ」など

昨日小池知事が記者会見して基本方針を公表した。
小池氏はPTがメインで検討したように見えるローリング案は、あっさり退けて一時移転案を取った。しかし、この案も非常に問題が多く既にマスコミやネット等で批判が高まっている。
当方も同感であるが、問題点の中で当ブログが、ずっと追ってきている「水位管理」と「ロードマップ見直し」について本日検討。更に小池氏が述べた「築地5年後」との関連も検証。加えて「合意形成」についても追記で述べる。

①地下水管理システムの水位管理
5月18日第6回専門家会議で洗浄メンテによる揚水量回復取組の話が都側からあった。
<安間課長:今現在、井戸あるいはポンプ、そういったところもかなりメンテナンスが必要な状況になっているというところでございまして、来週洗浄、そういったところをしまして、揚水量、そういったものは回復を図ってまいりたいと思っているところでございます。>
→この効果がどれぐらい有るか?ということで翌週5月22日~昨日6月20日の水位を比較してみた。
下表のように水位低下は8cm。総雨量は4.6cmと少ない。メンテを行って、この雨量で、約1ヶ月で8cmの低下では、目標達成目処は現時点では見えないのではないか。
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②ロードマップ見直し
小池知事は常々、着実な工程重視を表明。それに対して昨年11月公表のロードマップで既に変更が発生。例えば6月からアセス審議予定だったが、前提となる「アセス変更申請」は未実施で時期も不明。また、追加工事は半年ぐらいを見ていたものが、専門家会議は8ヶ月と22ヶ月の案を提示。

更に当ブログ見方として、「無害化見直し」の工程が追加になると想定。追加対策は地下水質改善ではないから、所謂「無害化ロック」を解除しないと豊洲市場は使用不可。もし小池氏が基準変更で解除を決断した場合でも、決議があるから議会で新決議による変更が適切。ロードマップに、この段階を追加必要。

また、無害化目指すかどうかは汚染対策の基本仕様で、それが決まらないとアセス申請も出せないと思われる。結果的に新議会での審議開始で、ようやく次段階の入口到達ぐらい。これらを踏まえたロードマップの当面見直し部分を追記してみた。
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更に、以前検討してみた追加工事8ヶ月案でのスケジュール想定も示す。開業時期予測は「2019年5月」、つまり開業まで約2年も掛かることが現実味を帯びてくる(22ヶ月案なら約3年に近くなる)。
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③築地再移転時期「5年後」との関係
前項②のロードマップ見直しで、開業が約2年後と考えて、築地に戻れるのが5年後とすると、豊洲営業期間は約3年しかない。丁度今朝のニュースの中で仲卸業者へのインタビューが有り、「豊洲で5年やって又戻るのは・・・」と言っていた。やはり、豊洲で5年営業するものと受け取っている。先に明確に言うべきを言ってないから誤解も当然。また、先週読売新聞の「来年5月開業」の誤報も有った(到底無理…その後小池氏が21日の日経新聞とのインタビューで「2018年5月移転目指す」と表明、どのような秘策?が有るのか、URLはコメント欄参照)。

更に重要な事は「2年で必ず移れるか?」ということ。ここで①が効いてくる可能性あり。都側は水位目標未達原因を詳細調査していない。専門家会議も指示しない怠慢。単に揚水能力不足と考えて、井戸洗浄やポンプ追加等で対策可能との想定だが、洗浄は①で示したように、今のところ大きな効果は見られない。

ではポンプ増強で済むかというと、元々地下の水位分布に不可解な点が多い。例えば、地下ピットの砕石層内の水位を専門家会議が公表。7街区は50cmの砕石層厚みで30cm程度も水位差が有る。砕石層の透水性による水位平準化効果が働いていない。このような不可解な現象の原因を調査解明もしないで、ポンプ追加でどの程度効果があるかは未知数。
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マスコミでは「経済性」が大きく取り上げられ批判が出ているが、上記①~③のような問題が有ることは認識必要。水位問題で、また地下ピットに水が侵入しないか。防水工事をしたら、床面耐水圧は大丈夫か。確実な開業時期を早期に示せるか。・・・課題山積。

選挙用の判断表明と思われ、小池氏独特の考え方もあるのだろうと思ったが、やはり限度を超えて無理がありそうに思えてきた。昨日は計画策定を職員に指示した段階とのこと。「検討してみたら変更点が有りました」と、今週定例会見から軌道修正に入るべきと個人的には感じる。
更に小池氏任期2020年との関連なども出てくるが又別途。

以上
[追記]

経済性や本文①~③などの問題に加えて、合意形成が重要。東卸の早山理事長らの「慎重」姿勢は強固。少なくとも理事長任期の2年間は、その姿勢が続くのではないか。ここでも「2年」が出て来る。

また、小池氏が示したパワポに、「2年間モニタリング」が入っている。
➡専門家会議の提言の検討
●地下空間工事
●地下水管理システムの増強工事
2年間環境モニタリング(土壌汚染対策法の区分)

しかも「土対法の区分」となっていて、PT言及の「一般管理区域」と関係するのだろうか?
専門家会議は、モニタリングの位置づけを縮小方向だった。しかし、小池氏の延期理由は2年間モニタリング未完了。ご本人としては、思いがあるかも知れない。

「2年」が色々符合しているが、1~2年かけて、じっくり考えた方が良さそう。
豊洲問題は『現時点では解がない』というのが解」と思えるぐらい難問。

「決められない」批判も有るが、「築地を守る」という基本だけ打出して、選挙後の新議会と共に再検討、というのが適切かも知れない。それでも豊洲絶対の自民とは差別化可能。
ただ、昨日打出してしまって大幅変更も困難。とにかく難しい問題になっている。

追記以上