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証明予定事実記載書と冒頭陳述

今月17日に検察が提出した「証明予定事実記載書」には、
もう既に分かっている事件性しか書いてなくて、
実行行為性と犯人性が書かれておらず、
弁護人のみならず裁判長まで「異例、異常」と述べるものであった。

公判前整理手続きにおける「証明予定事実記載書」は、
公判での検察側冒頭陳述に当たるものだそうである。
模擬裁判ではあるが、検察側の冒頭陳述が、弁護側の冒頭陳述と並べて
わかりやすく示されているものがあった。

「冒頭陳述・検察側  冒頭陳述・弁護側 」

これを見ると当然ながら、犯行の日時・場所が特定されて、
実行方法がかなり詳細に述べられている。
また、検察側は故意の犯行であると主張し、それを立証する証拠の
説明も行なっている。

下の方にある弁護側冒頭陳述では、検察側の主張を受けて、
偶発的犯行であるという主張を行い、併せて被告は充分反省の態度を
見せているということで情状酌量を求め、最終的に「刑事罰よりも保護処分
が相当である」と主張していくとなっている。

このように検察と弁護側の争点が噛み合っていて、
模擬裁判ではあるが、実際にもこのような形で進むのが基本であると
示しているのであろう。
しかし、今回は検察側が事件性しか出してこないのでは、
弁護側も対抗する主張を展開しようがない。
今回が異常であると改めて理解できた。

今後検察側はいつ実行行為性と犯人性の主張、及びそれを立証する
証拠開示を行うであろうか。
検察がこの前の整理手続で主張した、勾留中の事件捜査終了予定の6月末や
7月中旬以降というのではあまりに遅すぎるだろう。