kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

自動遠隔操作ソフトの検討

今回の犯行の仕組みは、被害者側のPCにトロイを潜ませて、
それに犯人が自分のPCからしたらば掲示板経由で命令を送って、
被害者側PCを動作させ、したらば掲示板に返ってくる応答を見ながら、
犯行予告を別の掲示板に書き込む仕組みになっている。

これを、犯人側PCの方にも自動で命令を送るソフトを入れておいて、
自動で遠隔操作をさせられるのではないか、という話が時々ある。

犯人がPCの前にいなくても遠隔操作ができるので、アリバイが作れるわけである。
(今の被疑者の場合は、殆どが会社にいるときに遠隔操作が行われているので、
 別の場所のPCに自動遠隔操作ソフトを仕掛けておけば、会社にいてもファイア
 ウォールなどにアクセスログを残さないで遠隔操作できるというような推測)

これに対しては、反証として三重の事件での秋葉原ドコモショップへの
犯行予告書込の2chログが以下にある。
"予告in”2012-09-10

これの下の方を見ていただければすぐ分かるように、アンカー(>>)を付けて
他の書込(レス)に数分程度で反応した書込をしている。

このような動作は、自動ソフトではとても出来ない。
最高レベルの人工知能ソフトでもなかなか難しいのではないか。
ということで、人間(犯人)が目で見て確認しながらほぼリアルタイムで遠隔操作を
行なっているのは確実ということになる。

三重の事件以外ではどうかという話もあろうが、例えば大阪の事件では
Gmailの画面キャプチャから被害者の本名や住所を犯人は知って、
それに合わせた予告書込をしている。
これを自動でやろうとする画像認識機能が必要となり、今回のトロイソフトより
遙かにハードルが上り、現実性が無くなる。
ということで今回の遠隔操作はほぼリアルタイムでの手動操作と考えるのが、
合理的であるというのが当方の結論である。

以上であるが、「遠隔操作の遠隔操作」ソフトについても考察してみる。
この場合はTorをどうするかという問題がある。
1台PCが加わるので、3台のPCが登場することになるが、
犯人のPCとその次の中間のPCにはTorが必要になる。

Torが入ったPCの数は全体から見ると少ないので、どうやって見つけるかという問題がある。
ブラウザのポート設定が必要になる可能性もあるし、それが不要なTor専用ブラウザでは
遠隔操作で上手く動かせる保証はない。
ということで、これもとても現実的ではないと思われる。

では、今回の被疑者限定で、被疑者の派遣先PCを遠隔操作することを考えたらどうなるか。
この場合は、日曜日にも犯行が行われているので、前述のリアルタイムということを考えると
派遣先PCでの実行は不可能。
その時だけ、他のPCに仕掛けるには前段に書いたTorの問題が発生する。
よって、「遠隔操作の遠隔操作」ソフトは複雑化するばかりで、とても有り得ないということになる。