犯行予告文の特徴に関して
8月9日午前最後の犯行予告は、皇族トップの御方（本稿では「＊＊」とする）を対象とする予告になっている。
調べてみたら、「＊＊殺す」というようなタイトルのスレが今でも2chで以下のように沢山立っている。
（グレイの四角の中が＊＊になっている）
これがまかり通っている理由として考えられるのは、「＊＊」が地位か人物かが判然としない、歴史的にその地位の方は沢山おられる、実行日時・方法等が定かでない、などが考えられるが、結果的にこのようなスレが現在でも立て続けられていて摘発されないようである。
ただし、対象が「＊＊」の予告が全て摘発されないかというとそうではないのである。
例えば昨日記事で添付したまとめスレ”犯罪予告をするアフォな人。 part3”の「369」や「371」がある。
これらは警察から捜査対象としてIP開示が求められたわけである。
ただ、この二つは前述の今も立っているスレと内容の不明確さはそう変わらない様に思えるので、何故これは開示請求対象になったか詳細不明。（通報の有無や通報先などで違いが出るのかもしれない）
ただし、確実に捜査対象になる予告文がある。
それは「＊＊」という地位名か人物名か明確でない言葉以外に、現「＊＊」と分かるような表現を付け加えた場合である。
本事件の犯行予告でまとめスレの「372」（8月9日午前）がまさにそうで、以下のように現「＊＊」のお名前（△△）を入れている。
868 ： 名無しさま[] 投稿日：2012/08/09(木) 10:59:46.42 id:CVT+tDNA
＊＊ぶっ殺す！
ライフルで狙撃して本当に殺す！
庶民の前に顔を見せた時が、△△、貴様の最期だ。
脳天にライフル弾を撃ち込んで絶命させてやる！
この予告は、「△△」があることにより現「＊＊」と特定でき、日時は指定されてないが、銃という手段も書いてある。
明らかに摘発対象となるが、対象となる境目を犯人は理解していて、このような予告文にしていると推測可能。
つまり、犯人はまとめスレもよく見ていて、2chの犯行予告事情をよく知っているのではないかと思う。
犯行予告のエキスパート感が漂う。
このように予告文一つからでも犯人の人物像に迫れる特徴が見いだせることもある。
他にも、本事件の2ch書込と千葉稲毛の書込は、両方共「1行レス」が一つもないという特徴がある。
一見して大した特徴ではないように思えるかもしれないが、まとめスレの他の予告文を見ると一行レスが多い。
その中で、本事件と千葉稲毛は1行レスの無さでは特徴的であり共通性があると云える。
（ネット犯行予告は低年齢層が多いようで、1行レスの多さは若年者の多さと連動していることが考えられる）
このように予告文からの特徴抽出は可能であり、それが犯人特定にすぐ結びつくかどうかは別にして、捜査の重要項目ではあるだろう。
警察は過去からの膨大な予告文例とそれを何らかのデータベース化したものを持っているだろうし、分析の専門家もいるだろう。
本事件では合同捜査本部で約160人と云われる大掛かりな体制を組んで、長期間捜査したのだから、予告文分析も必ず行われているはずである。
今後の捜査資料開示で予告文の分析結果等が出てくるかどうかも注目したいと思う。
なお、予告文だけでなく「犯行声明」や「ラストメッセージ」などの長文は犯人の実像に迫る大きな手がかりになる可能性がある。
ソースが日刊ゲンダイではあるが、以下の様な記事もある。
「捜査本部はメールの文体や、ウイルスのプログラムの“癖”なども分析しています。・・・」（捜査事情通）
特に今回は被疑者が特定されているのだから、被疑者が過去に書いた資料等と照合することが出来る。
被疑者は技術者で、仕様書や報告書などの資料を書く機会も多々あっただろう。
技術文書は長く保管されることが多いので、警察・検察は過去の派遣先などからも押収できる。
多くの被疑者記述書類が集められるだろうから、文章分析の専門家が比較していけば良い。
このような結果も今後開示されることを期待したい。
以上
