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FAQ形式

先日tsunさんからコメントを頂いた際に「Yahoo知恵袋」の関連する「Q&A」を紹介して頂いた。
本日はその中身ではなく、「Q&A」という言葉の方の話。

ラストメッセージ」全文を紹介した江川氏は以下のように記事で書いている。
<かなり長文だが、文章は整然として読みやすく、自民党の「安倍総裁」を「安部総裁」、「部落解放同盟」を「部落開放同盟」としている他は、誤字や脱字、変換ミスなどは見当たらない>

江川氏指摘以外の誤用としては、「ラストメッセージ」の一部紹介を行なった週刊現代が「法を侵してもどんどん逆襲すべきです」というような箇所で「侵(ママ)しても」とルビを入れており、「侵して」が「犯して」の間違いと示唆している。
ただし、犯人は他の部分では「犯して」と正しく使っている箇所もあり、単純な変換ミス又は犯人が意識して「侵して」を使ったか、いずれにしてそう大きなミスではない。
このように間違いが少ないのは、書いた犯人の人物像を考える上でも一つのファクターになるだろう。

では間違いはそれだけかというと、当方では冒頭の方にある一つの表現に注目している。
それが本日表題の「FAQ形式」である。

FAQのフル表示は「Frequently Asked Questions」。Frequentlyは「 しばしば,たびたび,頻繁に」である。
つまり、FAQは「頻繁に(Frequently)尋ねられる(asked)質問(Questions)」の意味であり、一般的には「よくある質問」という名称になっていることが多い。
今回犯人に向けて出された質問は、「よくある」というほど回数多いものではないので、「FAQ」という言葉を使うのは当方から見て違和感がある。

”IT用語辞典”では、以下のようになっていた。
<「頻繁に尋ねられる質問」の略。多くの人が共通して聞く質問と、それに対する回答をまとめた問答集のこと。よく聞かれることになると予想される質問を回答側が予め想定して作成する場合もあり、これもFAQという。>

今回に当てはめると、犯人はメールアドレスを知っているごく少数の人から送られた質問を、多くの人も聞きたい質問と想定して「FAQ形式」で答えたという趣旨になるかもしれない。
趣旨的には分からなくもないが、やはり「よくある」はこの場合違和感がある。
ラストメッセージ」の質問と答えを一つずつ組にして書いていく書式からは、本来使うべき言葉は「Q&A形式」(一問一答形式)とするのが適切と思う。

ただ、Wikiの「FAQ」の項目には次のように書いてあった。
<主に、コンピュータ(ハードウェア、ソフトウェア、オペレーティングシステムなどの使い方やメッセージの意味、原因など)や通信関係、周辺機器の使用方法、セットアップ方法などの分野で多用される。それ以外の分野では、同様の問答集をQ&A(質問と答え)と呼ぶことが多い。>

>同様の問答集をQ&A(質問と答え)と呼ぶことが多い。
 →問答集をQ&Aと呼ぶのは当方の理解と同様である。
  ただし、本来はQ&A(問答)を集めたものが「問答集」となる。
  実際にも例えばtsunさんからコメントで頂いた「Yahoo知恵袋」は「Q&A形式」だが、一つの質問だけでも「Q&A」であり、一つなら当然Q&A「集」ではない。

>コンピュータ・・・や通信関係、周辺機器の使用方法、セットアップ方法などの分野で多用される
 →こちらの方は、相当な決めつけのように思える。
  コンピューター関係以外でも、よくある質問への回答ページを「FAQ」と呼んでいるのは多々ある。
  少し検索してみただけでも、「JR東海FAQ」とか「NHK よくある質問集(FAQ)」とか幾らでもある。
  特にNHKはしっかり次のように書いてあった。
   「NHK よくある質問集(FAQ)
    NHKに寄せられるよくある質問をQ&A形式にまとめました」

また、FAQとQ&Aがごちゃまぜになる可能性があるのは、
「FAQ」には「Q&A」の「Q」と「A」が入っているので同じようなものと勘違いすることが考えられる。
しかし、FAQの「A」は「Asked」だから、「Q&A」の「Q」の方である。

さて、FAQと本事件との関連に戻る。
誤用している人は正しいと思い込んでいるので、指摘されるまで直す必要性も感じず、ずっと使い続ける事が多い。
Wikiまで変な解説しているぐらいだから、一般的にも指摘する人が少ないことが考えられる。
実際「ラストメッセージ」が公開されてたからもう1ヶ月以上経つが、「FAQ形式」と「Q&A形式」の違いに関する指摘は見たことがない。
それでも「Frequently」の意味が分かっている人は、FAQとQ&Aは明確に使い分けて誤用・混用することはまずないだろうと思う。

被疑者がどちらなのかは不明だが、まず弁護側は被疑者にラストメッセージを見せて(もう見てると思うが)、「このような書き方をする場合、”FAQ形式”と云う言葉を使うか?或いは”Q&A形式”とするか?」を聞いてみることは可能。
もし「当然”Q&A形式”ですよ」と答えてくれたら、過去に報告書等で「Q&A方式で説明します」というような言葉を使った記憶が無いか聞いてみる。
あれば、検察側にその書類が押収されていないか探してもらい、無ければ過去の派遣先や派遣元等も含めて探す。
「Q&A」と「FAQ」を理解して使い分けて書類に残っていれば、被疑者は犯人でないという傍証に使えるだろう。
本事件においては検察も「細かい間接事実、間接証拠の積み重ねによる立証をよぎなくされている」と言ってるぐらいで、有罪無罪どちらの証拠にせよ傍証の積み重ねも意味があると思われる。

最後に以下のQ&A。
Q:もし被疑者も「FAQ形式という言葉を使う」と答えたらどうするか?
A:「Silence is golden」

以上