kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

 発想の仕方

片山氏の発想例を江ノ島の件でご紹介。まず江川氏の傍聴記事。
”第15回公判傍聴メモ”
<――首輪をつけた後、たこせんべいを買ったり、釜揚げしらす丼を食べたりしているが。 
江の島では、普通に観光もしようと思っていたので。食事をしている時に、首輪とSDカードをもう1セット用意して、翌日の神奈川新聞の上に載せて撮ったらおもしろいと思いつき、・・・。(4日の新聞で)あわよくばアリバイトリックになると思った。

これだけでも安直すぎて頭が痛くなる発想(笑)
なお、同公判は当方も傍聴して、「首輪の写真は1月3日外出前に撮ってあった」との証言あり。再度4日に撮るとは手の込んだことをしたものだが、3日の首輪装着写真が出て来てアリバイ工作は全く不発。また、4日に神奈川新聞を川崎駅まで買いに行ったが、スマホ通信履歴から川崎駅周辺滞在が把握されて重要な証拠の一つになってしまった。

更に同公判での江ノ島の件に関して、江川氏記事に採録されていない片山氏証言をまとめてご紹介。(江川氏記事と併せて御覧ください)
---------------------------
(1)雲取山USBメモリを発見してもらえず、ムキになって「次の仕掛けを」と焦った
  →これは江川氏記事にもあり
(2)雲取山で発見されなかったことを知ったのは元旦の夕方
(3)江ノ島で猫に首輪を付けることを思いついたのは1月2日で、雲取山は取りに行くのが難しすぎたので行き易い場所にした
(4)謎解きとして易しすぎないように、どこに行くか分からない猫にした
(5)どこに行くか分からなくても、江ノ島は出入口が橋の所だけなので、猫が外に出て行ってしまわないから、いずれ見つかる
(6)江ノ島には土地勘がなく、コッキング園前広場の名前も知らなかったが、グレイはすぐ見つけた
(7)散策して他の猫も見つけたが、他の猫は逃げたり威嚇したりしてきたのでグレイにした(最初からグレイがターゲットではなかった)
(8)首輪は左右どちらかの手に握りこんでいた
(9)装着した首輪のねじれには気が付かなかった、周りを見ていたので手元は見ていなかった
(10)ガッツポーズはしていない、撮影後リュックの脇のメッシュ状収納ポケットにカメラをしまったので腰の後ろ辺りになるためガッツポーズのように見えたのではないか
(11)猫の発見は思ったより早かった、もっと島中を何日間か探す期待があった
(12)2日間首輪が付いたままになることは意識していて首輪を外す住民がいることも考えたが、そのまま保管してくれることを期待した
(13)猫が行き先不明になった場合やSDメモリ紛失の場合も考えていた、その場合は更にメールを出すつもりがあった
---------------------------

江ノ島に関する上記の片山氏発想と実際の行動はいかがだろうか。
雲取山での失敗(実際は警察の捜索失敗)を受けて色々考えてはいるが、結局また警察が現場に行ってメモリの回収作業をしている。マスコミは幾ら特ダネが欲しくとも、警察と競合するリスクまでは取らずに警察に委ねるという視点が抜けている。

犯行隠蔽工作も、江川氏記事にある首輪万引き入手やETC記録回避の配慮などは有効であったが、肝心の現場での監視カメラや観光客カメラ対策が無かった。(首輪装着時だけ撮られなければ良いというのは無頓着過ぎ、前後の写真で追い詰められる)
また猫が島外に移動することは無いという読みは良いとしても、SDメモリが落ちて見つからなかったら、再度発見されずにネットで叩かれるのは必至なのに、SDメモリにはセロテープ1巻きぐらいしかしていない。住民が首輪やSDメモリを外す可能性に対しても、そのまま保管してもらえる確証はなく自らに都合良すぎる思考。(こういうところは以前も「自己中発想」として記事にした)

彼は細かいことも一応考えておきながら、基本的な配慮がごっそり抜け落ちているようなところがあると思う。とても用意周到な凶悪犯というイメージではない。
検察側は殆ど取調べをしていないので、謂わば勝手にイメージを作れてしまうということかもしれない。逮捕時から、じっくり取り調べしていたら、印象も又違ったのではないか(その前に早めに落ちていただろうが)

なお、昨日紹介したように、八木氏が生越氏発言を<「狡猾で用意周到な犯人」と「間が抜けた実像」の二面性があった>とまとめておられる。江ノ島という行動の中でもこの二面が表れているという点で合致しており、また上記のように「実像」としては「間が抜けた」面の方が多く表れている点でも合っていると思う(トータルでは「狡猾で用意周到」からは相当離れるだろう)。

以上