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 自閉症スペクトラム症という診断

長谷川氏は公判があった11月4日夜9時前後に次の様なツィートをしておられる。
<本事件の「心の闇」は解明でき、かつ修復されつつあったのですから。>
自閉症スペクトラム症とだけ述べても、何の説明にもなっていませんね。そう判定した根拠、自閉症スペクトラム症とすればそれが犯行に結びついたプロセス、犯行時の本人の自覚・意思の関与、さらには意識されていない動機など、鑑定人の説明すべきことです。>
<やはり、本件では自閉症スペクトラム症がどうして犯罪に結びついたのかの説明が最も重要なことだったのです。>

これを見ると長谷川氏の証言を聞きたかったという思いが改めて湧いてくる。
ただし、公判でも弁護側竹田氏から鑑定についての被告人質問があり、片山氏が鑑定の結果「自閉症スペクトラム症」という診断を受けたという証言をした。長谷川氏の鑑定は裁判で明確に生かされている。
それを受けて、I検事(女性)からも被告人質問が行われた際に、片山氏が診断に納得している旨を述べて、その理由も次のように証言した。
 ・幼少期からの経過により間違いない、幼少から仲間はずれだった

どこまで求刑や量刑に影響するかは分からないにせよ、自閉症スペクトラム症であることが法廷で一応は認知されたことになり、マルハニチロ事件と黒子のバスケ事件よりは精神障害面での刑の軽減要因があると云う点では違いが出てきたといえるだろう。ただし、繰り返しになるが自閉症スペクトラム症であることを理由にした刑の軽減が行われるかどうかは現時点で不明。それでも裁判官が軽減理由にしようと思えば使えるようにはなっただろう。

さて、自閉症スペクトラム症自体について、もう少し考えてみたい。
昨日記事のIQテスト結果で、「IQの落差が大きいのは自閉症スペクトラム症の兆候の一つではないか」という長谷川氏見解を片山氏は証言していた。
自閉症の特徴として、「対人関係の問題、言葉・コミュニケーションの問題、こだわり・興味の偏り」の3つが挙げられている。その中の「こだわり・興味の偏り」で、特定分野に高い能力を発揮する場合がある。それとIQの落差の大きさが結びつくのではないかというのが、長谷川氏見解の理由と推定できるのではないか。
ただし、自閉症スペクトラムは以下のwikiにある説明図のように、自閉度と知能で考えているようで、IQ落差という概念は入っておらず、前述の自閉症の3つの特徴にも入っていない。

イメージ 1

それでここからは当方独自見解になるが、片山氏の場合はIQ落差に現れているように、知能面でのアンバランスの大きさが犯行につながる発想を生み出す要因になってしまったのではないか。もちろん人の精神(心)は知能だけでは表せなくて、感情面などもある。しかし、知能以外の面も調べてみれば何か特徴的なアンバランスが出てくるかも知れない。
何事もバランスが悪ければ色々問題が出やすくなる。例えば自動車でパワーが大きくても足回りがついていかなければ不安定になり、事故につながりやすくなるだろう。アンバランスが大きいほど危険も増す。
現時点では感想レベルであるが、片山氏の精神面を考える上で「アンバランス」がキーワードではないかという気がして来ている。また、2重性(多重性)はアンバランスによる落差で多面的に見えてきていたのかも知れない。

以上
[追記]
Wiki自閉症の説明で次の注意事項が述べられている。この点は常に留意が必要(注意しないと語感に騙されてしまう)。
日常語としてうつ病やひきこもり、内気な性格を指して自閉症と呼ぶ者がいるが、これは医学的には完全に誤った用語である。

以上