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 第18回公判の位置付け

昨日自己コメントで書いたように、今回公判は”佐藤氏と弁護団が本事件裁判の終結に向けて、「判決における被告人の利益最優先」の方向に舵を切った結果”という推測をしている。
そのため個別内容よりも、まず全体としての評価が重要と考えている。
公判期日は今回を含めて後3回で、11月中には結審という時期になっている。そして、本事件裁判に残された課題は、「心理鑑定結果」と「情状」に絞られてきていたと思う。
この中で「情状」の方は、犯行の事実関係を被告人が全面的に認めている状況においては、裁判における最重要課題と言っても良いだろう。心理鑑定の方も、本来は情状の説明に資するものになると考えられる。

ただ、被告人の心理は「自分でも自分がわからない」と言っているぐらいで、解明が難しい部分がある。佐藤氏も会見で「解明ができていない部分がある」と述べている。
しかし、前述のように今月中には結審になるし、被告人質問は今回が最後で、次は論告求刑。
このような状況の中で、弁護団は「まとめ」を優先したと当方は考えている。

まとめるためには「情状」を整理することが必須で、そうしないとまず検察官の求刑がどのようなものになるか分からない。求刑が重くなり過ぎないように、反省をしっかり示すことが必要なことは言うまでもない。しかし、本事件では被告人の反省や謝罪が充分ではない状態が続いてきた。
それに対して弁護団は「ありのままに」ということで、被告人に対して反省や謝罪を誘導するようなことは行なってこなかったという趣旨を述べており、更に「罪を軽くすることを求めるのが普通だが、本事件ではそう言えるかどうか」という話まであった。

だが、結審が近づいてくると、やはり裁判における被告人の利益は「(適切で)出来るだけ短い刑期」と云うことがクローズアップされてくるのも当然だろう。その中で、被告人と弁護団の思いがようやく一定方向に統一されて、「謝罪と反省」を明確かつ具体的に打ち出せるようになったのが今回公判と考える。

結果として、13通の自筆による謝罪文を作成して検察側から送付してもらうように託し、1通(横浜CSRF事件の誤認逮捕者宛)を除いて受け取ってもらえたとのこと。また、被害への損害賠償も、誤認逮捕者の分も含めて「自分で出来る限りのことはやっていきたい」と被告人が述べた。(損害賠償の件は報道では今のところ出ていないようだし、佐藤氏も会見で触れなかったが、具体的方法は明確ではなくても少なくとも「意思を示した」ことは情状面で重要になるだろう)

このような「謝罪と反省」に対して、早速会見で記者から「穿って考えると、上手いことを言ったのか?、本心なのか?、これまでの経過も有り今一図りかねる」という趣旨の質問があった。佐藤氏も回答していたが、当方の公判での印象について記事を改めて記す。

以上