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水収支の排水超過

前記事で水収支計算を行った結果、累計水収支が大幅に排出(排水)超過になっていることが、グラフで明確にできたのでご紹介。
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上図で、特にA,Bから都側の環境アセスにおける問題点が明らかになる。
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A:「地下水の水位が高い原因」の虚偽説明
→昨年環境アセス審議会で委員の質問に対して、アセスメント担当課長が
「2016年夏の大雨の影響」と回答(議事録抜粋)。
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公式の環境アセス審議会での虚偽説明であり、訂正等の対応必須。
訂正するにはシステム破綻(プールモデル破綻)を認めることが必要になる。このため、「訂正を要請する」のは、都に実態を認めさせるために有効なアプローチになる。

B:「外部流入」の証明
→現在公表されている今年6月分までの水収支累計は大幅な排出超過になっている。
6月以降もWP稼働継続されており、同様の傾向が続くと思われる。グラフの傾向からも、更に排出超過は拡大し続ける可能性大。
それでも水位は、「目標未達が約半数」もある状態は余り変わらないことが予測され、今後大雨が降ったら昨年10月頃のように水位上昇の可能性も大。

結果的に、いつまでも排出超過が続くのは、「外部流入」の証明になる。
しかも、7月の排水量は8月初めには公表されるし、8月分も都議会などで早く出させれば9月初旬には入手できる可能。もしBのような傾向がもう2か月も続けば、「外部流入」は完全に証明される事態になる。

それは「遮水不全」の証明になり、「遮水機能は確保されている」という都の「変更届」、及び環境アセス審議会での説明は虚偽となって、「環境アセス条例違反」が明確化される(「変更届」抜粋を以下に示す)。

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なお、本来の都の構想であれば、AP+1.8mを日常管理水位として、過去140年間分を検討した大雨でもAP+2.0m以下に水位を抑えられる設計。これが成り立っていれば、水収支が釣り合った後は、AP+1.8m⇔2.0mに対応する分の水収支変動になるはずである。技術会議第8回資料「集中降雨時における地下水管理の検討」を参考にすると、最大でも±7,000トン程度の変動幅になる。しかし、今年6月までで既に約32,000トンもの累計排出超過になっている。これらの考え方を上図に書き加えてみた。

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グラフ右下で生じている実態としての排水超過分は、「プールモデル」が達成されていれば、このように続くことはない。プールの中の水量は限られているから、いつまでも排水超過で汲み上げ続けることは出来ないのは自明。
この状況を都に示して、「どこから来た水を汲み上げているのか?」と問うたら、一体どのように答えるだろうか。外部流入をあくまで認めないとすれば、誤魔化しの詭弁にならざるを得ないが、どんな言い訳になるかは不明。

なお、上記の説明では水位より水量を重視している。
これは外部流入があれば、内部水位も外部水位の影響を受けることになるためである。実際に、内部水位は降雨無しでも上昇が有ったり、降雨への反応が井戸間でバラバラであったりと、不可解な動きをしている。水位を発生させる大本は水量であり、不明な部分がある水位より水量を重視して分析していくのが適切という観点で考えている。

但し、水収支が釣り合った後には、「AP+1.8m⇔2.0mの水位変動に抑えられる」という当初からの主張を、都は今でも撤回していない。それに対して、水位が20cm以上変動すれば、都の説明は実態と異なることになる。そして今後も変動幅が20cm以内で収まることはないと推測される。

以上