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遮水不完全(2)敷地内外の水位連動データ

<平成29年8月10日(木)に、東京都(中央卸売市場)は、豊洲市場について、東京都環境影響評価条例に基づく環境影響評価書の変更届(以下、「変更届」という。)を環境局に提出しました。
 変更届は、主要な建物下について盛土に代えて地下ピットを設置したことから、当初の環境影響評価書(平成23年7月)と比較し、改めて予測・評価したものです>
→「変更届」の内容は以下。

→この中の「資料編」から、「遮水壁の効果の確認」の部分を抜粋。
<1.3  遮水壁の効果の確認 本事業で設置した遮水壁の機能は、計画地内の観測井と計画地外に設置した観測井の地下水位、及び周辺海域の潮位の経時変化によって確認する。 
図 1.3-1 に計画地外の観測井戸配置図を、図 1.3-2 に計画地内の観測井戸及び計画地外の観測井戸の地下水位ならびに潮位の経時変化を示す。この図において、計画地内と計画地外の計測値には水位差が生じていることから、現状においても遮水機能が確保されていることを確認できる。
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→「計画地外に設置した観測井の地下水位」が水位1と水位2になる。また、側面は遮水壁だが、底面は不透水層で遮水する設計思想になっている。(上記記述では、遮水壁だけのように書かれているが、実際は側面と底面で遮水)

都は「図 1.3-2において、計画地内と計画地外の計測値には水位差が生じていることから、現状においても遮水機能が確保されていることを確認できる」と主張しているが、根本的な誤りがある。

同図には、2016年10月14日の地下水管理システム本格稼働以降、概略て以下のように三つの変化点がある。”A:高→ B:低 →C:高”という状態で変化している。
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この事実で重要なことは、変化が「敷地外部(周辺水位1、2)と敷地内部(各街区平均水位)で連動」している。これは遮水壁による遮水が不十分で、どこかで敷地内外の地下水につながりが有ると想定せざるを得ない。

更に外部水位の観測地点は水位1、2とも5街区周辺なので、5街区の中でも位置的に近い観測井戸との比較グラフを統計の専門家である「WADA」さんが作成して頂いている。それに対して、当方でグラフを平行移動して重ねたものを示す。
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「図 1.3-2」のグラフより、比較する井戸の位置が近くなるので、こちらの方が敷地内外のつながりが明確になる。水位変化が殆ど重なって見える。何らかの原因で、遮水が不完全になっていると見ざるを得ない。

また、揚水を長期継続しているにもかかわらず、水位がなかなか下がらない現象も説明がついてくる。
「敷地内外の地下水につながりが有って、内部で汲み上げても外部流入があるため、結果的に水位が下がらない」と想定すると辻褄が合う。

逆に都が主張する水位が下がらない原因「2016年8月頃の大雨時に、工事用ポンプを外してしまったために水位上昇した影響が残っている」は、揚水開始してから余りにも時間が経ちすぎており、苦し紛れの言い訳(実際は虚偽)になってしまっている。

なお、水位連動のメカニズム想定については、次記事で行ってみる。

以上