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千客万来撤退検討と地下駐車場

万葉倶楽部千客万来からの撤退検討との報道があった。
小池百合子知事の基本方針に基づき築地再開発が行われれば採算が取れなくなるなどとして、都に難色を示していることが11日、分かった。>

ただし、昨年9月には「設計中断」という報道が既に出ていた。
<都が9月12日、豊洲市場に建設する観光拠点「千客万来施設」の運営会社に、整備設計の一時中止を要請したことが分かった。敷地の地下を駐車場にする設計だったが、既に施工済みの盛り土を除去する必要があり、地下水への影響など安全性の検証が不可欠と判断した。>

小池氏が「盛土無し」の緊急会見を行ったのが9月10日(土)17時で、12日(月)に一時中止要請は都側にしては迅速過ぎる感じ。「地下駐車場」に関しては、何か特別に事情が有りそうと推察して検証してみたところ、喜代村(すしざんまい)と万葉倶楽部の構想図を比較して見ると一目瞭然の感じ。駐車場に関して違いをまとめてみる。

 ①喜代村独立した地上6階の駐車場棟温浴施設に地下1階駐車場
 万葉倶楽部商業・温浴ゾーンとも地下2階駐車場

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喜代村案が地上駐車場棟なのは汚染対策に配慮する都側との調整があったのではないかと推測(温浴施設の地下1階駐車場は不可解だが)。しかし、万葉倶楽部案の商業施設は「江戸の町並みのイメージ」が基本コンセプトで、横の広がりが必要。そのため必然的に地下駐車場となり、基本コンセプトだから都側も汚染問題に懸念有っても受け入れてしまったのではないか。そうだとすると酷い話であるが、都側なら有りそうな話。また、そのような懸念含みだったから、小池知事「盛土無し」表明後、すぐに一時中止を連絡したのではないかという推測もできそう。更に「約4.5mの高さでコンクリート厚なども含めて駐車場付き地下2階が設定出来るのか?」などの課題も考えられて来る。

撤退検討報道は、「築地跡地への『食のテーマパーク』などの類似施設との競合懸念」という趣旨だった。実際は基本コンセプト成立を左右する地下駐車場の成否の方が直接的に影響するのではないか。少なくとも都側の追加対策工事のめどが立たないと、一時中断要請は解除しにくく、万葉側は地下の設計に入れないと想定される。開業が五輪に間に合うかという重要な時期の問題にもなり、撤退是非の経営判断にも大きく効いてくる。

なお、上図と概説は以下の都側資料にあり。

以上
[追記]
もし一旦豊洲移転した後の築地跡地は、五輪で「バス駐車場」に使用するとの話。しかし、バスだけではなく、大会関係の乗用車駐車場も多く含まれていることを示す報道があったのでご紹介。
都は大会関係の車両数をバス2000台、乗用車4000台の計6000台と想定。駐車場用地には30ヘクタールの広さが必要と見込み、都有地や国有地などから適地を探していた。白羽の矢が立ったのが築地跡地。利便性の高い都心の一等地に23ヘクタールのまとまった土地がある。駐車場の他、運転手の休憩所なども備えた輸送拠点として活用することにした。
都によると、駐車場整備には約1年かかる。その前に市場解体も必要になる。移転は決まったものの移転時期は不透明で、具体的な作業スケジュールは描けていないのが実情だ。>

→バスではない一般的乗用車等の駐車場なら、築地跡地にこだわらなくても色々探し易くなるのではないか。先日記事で紹介した「組織委は移転困難にも備え代替駐車場探しを開始」などの報道も有るし、五輪関係の話は注意必要と思われる。

追記以上