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築地ブランド考

森山氏がインタビューで移転問題を話しておられた。「フジテレビ」の話も興味深かったが、以下の築地の件に着目。
豊洲に即移転と言わざるを得ない人たち、ある種のグループの政党の力で言えって言われている人がいるんですよ。そんな人の中に「本当は築地だよね」と言う人を何人も知ってます。彼らは築地で何が行われているか分かっている。そこから食品がどのように国内に流通して行って、場合によっては銀座とか赤坂とか新橋とかいったところにある高級なお寿司屋さんや料亭とか、一番利用しておられるのは誰ですか、大企業のオーナーさんを含めて一定以上の富裕層と、後は与党の先生方じゃないですか。彼らは本当はそういったお店から、色んな情報を得てるはずなんですよ。だけど色んな諸事情から豊洲に移転なんていう馬鹿なことを言ってるのは、それを言わなくても良いように紐解くのが大事だと思っています>

→「築地ブランド」について色々捉え方は有ると思うが、重要な要素に「高級店が選ぶ食材」というのが有ると思う。参考として、最近銀座で見かけた店頭メニューをご紹介。ランチでも5千円以上するから、当方レベルからすると非常に高級なお店で、メニューの写真を撮っただけで終わったが(笑)、「築地の鮮魚」と明記されている。

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これが移転後には「豊洲の鮮魚」に変わるか。相当時間が経てば別だが、当面は「豊洲」と書かない店のほうが多くなるのではないかと個人的には感じる。森山氏が言及しておられるような「料亭」などは、もっと気を使うだろう。お客様への最高のおもてなしの一つが「豊洲の魚を使わない」とするところが出てこないとも限らない。少数でも出てくるとイメージダウンになって、それが波及していくことも考えられ商売上のリスクになってくる。

それに対して、例えば「中西準子」氏は「リスク論」がご専攻ということで、「豊洲移転は問題ない」という趣旨の論考を書かれているが、観点が一面的過ぎると思う。移転に伴うリスクには色々あって、商売人からしたら生活がかかる「商売上のリスク」は最重要課題だろう。

また、「豊洲の地下には毒が埋まっている」という言い方が有る。それは言いすぎと思っていたが、最近築地とは別の市場の関係者で、戦前生まれの江戸っ子のおばあちゃんに話を聞く機会があった。「豊洲は毒ガス作ってたんだろ」と言っておられた。実際は石炭ガスだが、副産物でシアンやベンゼンが生成され現在問題になっている。それらをひっくるめて「毒ガス」と言っても完全否定は出来ないと思う(特にシアン)。

「毒」という言葉の使い方が年代によって違うのだと思う。「毒」は語感が強烈過ぎて、今は使う場面が少なくなっているのではないか。しかし、以前は普通の表現として使っていたのだろう。移転派の中には「小池知事が安全を説明すべきだ」と言う人がいる。しかし、幾ら小池氏が強調しても、年代的に「毒」という言葉が身に染み付いている人たちを完全には変えられない。「豊洲の地下には毒が埋まっている」・「豊洲では毒ガスを作っていた」というような話が無くなることはない。

このような商売上のリスクに関して、特に「移転」を積極的に主張している若い都議さんたち、おときた氏・川松氏・やながせ氏などはどう考えておられるのだろうか。前述の中西準子氏などは、自らのやってきた分野に凝り固まっておられて脱するのは困難と思う。しかし、若くフレキシブルなはずの都議さんたちが、「法令上安全、専門家会議が地上安全としている」などで問題ないとしているのは余りにも一面的ではないか。商売上のリスクを真っ先に考えられる感覚を持っていただきたい。

以上
[追記]
本文で書いた「毒が埋まっている」という話に関連する件。
小池氏は、今後「無害化変更」をする際に、専門家会議の「操業由来の土壌汚染は環境基準以下に除去されている」という見解を根拠にしようとしている可能性あり。地下水は百倍でも「地下水管理システムの揚水によって将来的に低下」の話ができる。しかし追加対策をしても、土壌汚染はそのまま残すことになって「毒が埋まっている」という話に反論がしにくくなる。
だが、専門家会議の見解は本当なのだろうか。ボーリング調査で確かめるべき。

追記以上