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地下空間の床面対策に関して

3月14日都議会で小池知事の以下答弁があった(15日記事参照)。
<(小池知事)今私の方から申し上げましたように、建物の地下に遮断のためのコンクリートを敷けば、土壌汚染対策(法?)に定めるコンクリートで覆われているということになると、私は理解しています。 >

これは以前から紹介している、平田座長が地下空間床面の「ガス上昇防止対策」を検討している件に対応すると推察。
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気密(必然的に防水)対策追加は実施方向が見えてきたと思われる。遡ると、既に昨年の盛土問題発生後、早い段階で空間床面対策に言及されていた専門家の方々がおられるのでご紹介。

(1)長谷川猛氏(元技術会議メンバー)
「水たまりについては、その場所の下には砕石層があるのだと思う。これは地下水の毛細管現象を防ぐためであるが、地下水管理が悪く、砕石層の上まで来てしまったのだと思います。こんなところに水があるなんてものは想定外。想像もとてもしてません。普通は万が一にも水が入り込むなんてことはあり得ません。こんなことはダメだと思います。地下室が雨漏りだの浸水だのというのは全く問題外です。

そもそも地下室と地下工作物は全く違います。地下室であればきちんと建築基準法に準拠した作りになるのでこれはいけません。地下工作物であるのならコンクリートを打つのは良くないです。我々の認識としてはこれは地下室ですら無いです。地下工作物であって、我々が『作るのならばこれにしよう』とし、良しとしたのは”地下室”です。こんなものではありません」
----引用終了----

「(地下に)水があるのは想定外」と一刀両断。更に「地下工作物と地下室」の違いに言及し、「作るのならば地下室」として現状の「地下工作物」でしかない空間を否定。(なお専門家会議も技術会議も、地下空間無しの想定だった…都側は両会議に建物図面も見せていないとのこと)

(2)森山高至氏
空間底面対策追加に言及し、工期や工費も見解提示。

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床面処理は、コンクリートを直接敷設ではなく、床板を付加する方式を想定されている。工期想定は、工事が1年で手続き等含めると全体で2年、工費100億円。但しこの辺は今後もし具体化される場合は、仕様や工法により相当幅があると思われる。

また、前項長谷川氏指摘と同様に床面処理で「地下工作物と地下建築物」の違いも指摘されていた。もし扱いが変わると、法規制が違うから色々影響出そうである。

(3)高野一樹氏
地下空間でのミニ重機作業想定に対して疑義を示されていた。施工業者が知らされていなかった可能性を指摘。当方も同感で、ミニ重機使用にリアリティがないから、業者にも具体的指示がなされ無かったのではないか。そして業者は配管の都合だけを考えて設計施工した結果、現状のような稼働の妨げになる部分が多い配置になってしまったのではないか。

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なお、空間床面の追加工事工法については、前項と同様に「床板追加」のアイデアを以前出しておられた。専門家会議は工法までは考えないから、床面工事追加の場合はPTなどの別の場で早めに工法検討が必要と思われる。

以上
[追記]
地下空間底面より更に下について、余り取り上げらていないと思われる構造をTwitterで掲載したら反響が多かったので転載。例えば地下空間の工事の際には、両砕石層に影響を与えないような注意が必要と思われる。

底面の50cm砕石層の下に、集水用の水路として別途砕石層が敷設されている
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追記以上