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「維新会見」やながせ都議・足立議員発言

当ブログでは、移転論者が現状肯定だけで現実を認識しようとせず、特に早期移転を達成可能な現実的ロードマップの提示がないことに欺瞞性を感じてきた。それで本日以下をツィート。
早期移転論者のズルさは移転ロードマップを論じないこと。専門家会議やPTの結論は必要だし環境アセスや都市計画の再審議は法的に必須。対策工事も換気は確実で底面気密・防水加工も可能性。地下水位管理も未達。豊洲現状肯定は現実無視。>

その後、昨日行われた「日本維新の会」の豊洲移転問題に関する会見動画を見た。最後で「やながせ」都議の質疑応答があった。

----やながせ都議質疑応答 引用開始----
NHK小島記者:知事の判断というのは、おそらく次の再調査結果が出てきても去年秋に公表した工程表に沿っていく形になると思うので、多分すぐには出ないのではないかというのは、やながせ先生も良くご承知のことなんではないかと思うんですけど、その辺りのご見解(当方注:以降は、やながせ都議の主張が変わったことに対する質問で、これも興味深いが略、動画で御覧下さい)

やながせ都議:非常に鋭い質問をいつもありがとうございます。工程表を見た時、私びっくりしました。スケジュール感として、とてもスピード感が感じられない。ですので市場PTも総務局にも申し上げましたし、専門家会議は市場当局にも申し上げていますけれども「何で月に一回しか出来ないんだ」ということで、結論に至るまでのプロセスが長すぎるし遅い。

これは非常に憤りを感じています。一刻も早く、専門家会議で様々な調査をしなければいけないということは良く分かりますが、市場PTは毎日やってもぐらいのものだと思います。もちろん(委員の)先生方のスケジュールは有るんでしょうけども、もっと早く結論が出せるはずだと思っています。そういう声も上がってきているのではないか、また知事のもとにもそういった声は届いているのではないか、と思います。

ですので知事が、様々なことを問われていますけども、議会でも問われていましたけども、「今度の再調査の結果を見るんだ」ということをずっとおっしゃっていますから、そのタイミングで何がしかの発言を頂けるんだろうと大きな期待を持っています。
----引用終了----

小池氏ロードマップを示す。専門家会議とPTの結論目安はそれぞれ4月と5月(とりまとめ時期は「想定」となっている)。そして今月中旬に重大な再調査結果が出る。再度基準値超えなら議論が巻き起こることは確実で、専門家会議の結論は伸びる可能性大。PTはその結論を評価する予定なので連動。
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仮に毎日会議をやっても世論反応などはすぐには分からず時間が掛かる。当初予定さえ困難そうな状況なのに、やながせ氏は考慮していない。結局記者の鋭い質問に有効な短縮方法は示せておらず、「その場しのぎ」の無責任発言と受け取らざるを得ない。(真面目そうな印象で内心は苦しいと思うが、こんな欺瞞をやっていたら逆に袋小路)

現実を直視したら、まず公式に見直し表明を行った上で、上掲ロードマップの手続きは進めながら、築地再整備も比較検討すべき。足立氏の会見発言も次のようだった。
豊洲も築地も同じようにこの辺りにあるわけでありまして、しっかりとどちらが汚染、汚いわけでもなくて、両方とも十分に国の法律と都の条例を満たしているんだという前提で、じゃあどちらがベターなのかということを冷静に議論すべきである

しかし提言内容では「豊洲への速やかな移転」を最初に挙げてしまっている。
<3つの提言、豊洲への速やかな移転、それから適切なリスクコミュニケーション、そして、都庁改革としての戦略本部会議の設置>

これは早すぎる。都民・国民に、まだ情報が充分に知らされていない。叩き台として「移転」を打ち出すなら分かるが、「冷静な議論が必要」と言っておいて、その場で結論を述べている。 叩き台なら、その位置付けを明確にすべき。それをしないと「最初から議論を橋下氏主張の方向に誘導したい?」と云うような疑念を持たれても仕方ないのでないか。

足立氏は築地の情報を提供して、既に方向性を付けたとの思いが有るかもしれないが、豊洲にもまだ浮上していない情報が多々ある。中でも昨日提示した地下水管理システムの水位管理破綻。先月下旬から少量の雨しか降っていないのに3月7日までの1週間で全箇所水位上昇。目標AP+1.8mをいつ達成か?ではなく、どこまで再上昇するか?になってしまっている。
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水位は公開情報だが、足立氏は行動力を活かして、都側から地下水位管理の見通しについて聞き出して、それを公表して頂きたい。また、ロードマップに言及した、やながせ都議は「環境アセス」の必要期間見通しや、それが前提だった「都市計画審議会決定」など許認可関係のやり直しがどれだけ必要で、手続内容や期間等も洗い出して頂きたい。追加対策工事も確実なものは早めに具体検討スタートが望ましい。小池氏にスピード感がないと批判して、ご自身らが手本を示さないなら納得性なし。

このように豊洲に関しても議論する土台の情報が提供不足。維新は叩き台としての移転主張は結構だが、会見発言に沿って豊洲と築地を「冷静に議論」できる環境づくりのために、見直し表明を小池氏に求めて頂きたい。

なお、やながせ氏発言にもある以下は同感。
<18日近辺に専門家会議が開かれるということで、そこで地下水の再調査の結果が出てくると思いますけれども、やっぱり私はそこで(小池氏に)一定の判断をしていただきたいというふうに考えています。>

当ブログも、小池氏の動きが遅すぎるという指摘を、これまで書いてきた。その点は、やながせ氏の見方と同じ面がある。ただ、ここまで来たら小池氏も分かっていると思われ、何らかの方向性は打ち出すと推察。繰り返しになるが見直し表明を期待したい。

以上