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「中西準子」氏見解に関して

石原慎太郎氏が記者会見で「中西(準子)さんという、ある組織(産業技術総合研究所)の最高権威者の女性の方」と紹介されていたが、昨日見解を発表されている。
長文であるが、印象的と思った部分を以下に引用(①~③は当方付与)

豊洲への早期移転が望ましい理由”中西 準子 2017年03月08日
<専門家会議のメンバーが参加しての再調査がおこなわれているので、その結果をみて考えたいが、化学分析の方法がおかしいとか、採水の方法がおかしいとは考えにくい。
地下水や空気の何らかの物理的な動きだとは思うが、地下水水質がある程度高い値がありうるという前提で考えてもいいのではないか。
今回の結果も、地下水環境基準の79倍というスポットがあったが、実は10倍を超えた地点はきわめて少ない。そもそも、地下水環境基準の10倍程度で管理してもリスクに関係しないということが分かっていることを考慮したい。
この間、社会的には盛り土や地下ピットのことが大きな問題になったが、ここでは省略した。>

見解全体的には中西氏は「現状肯定論者」ということになると思うが、同論では当初橋下氏らが「(操業由来)汚染完全除去」を論拠にしてきた。しかし、11月測定結果公表で旗色が悪くなり、<土壌汚染対策の基本は汚染物質はそのまま残していい(1月15日橋下氏)>のように変化している。

中西氏も①で汚染有りを肯定。更に②で79倍はスポット(特異点)として、全体は「環境基準の10倍」で管理することを提唱しておられる。

まず、これがすんなり受け入れられるだろうか。受け入れられるかどうかは書いてない。他の一部識者のように「小池氏が市場関係者や議会・都民などに説明して納得得るべき」とおっしゃりたいのだろうか。小池氏は今までのヘマを全部押し付けられて、とんだとばっちり。 どうするかは小池氏判断に任せるしかなくなる。

それで小池氏がどう判断するにせよ、様々な経緯や条件などを勘案した総合判断になる。しかし、中西氏は③で重要な経緯であり、汚染の遮断等に関係するにも関らず、「盛り土や地下ピットのことは省略」としてあっさり切り捨て。長文で見えにくくなっているが、全く無責任な言説であることが、これで丸わかり。

自説にとって面倒な部分を切り捨てて「分かりやすい」とする手法は他でも見かけるが、石原氏は乗せられても都民や国民の多くはもっと勘や論理が働くのではないか。

中西氏の言説には他にも色々疑問な点が有るが、ここまでとして、追記で同氏が多分ご存じないであろう「地下水管理システムの水位管理破綻」について参考に記す。

以上
[追記]
築地の隠れていた問題が出てきて話題になっているが、豊洲にもこれだけ連日取り上げられながら、マスコミがスルーになっている重要事項が有る。その中で地下水管理システムの件。

Twitterでも書いたが、揚水を続けているにも関らず、直近2月27日~3月7日の1週間を見ると、下表のように水位が下がるどころか上昇。表下側に示すように全箇所で水位上昇しており、AP+1.8mに到達する目処も立たずシステム破綻状態。

イメージ 1

更に降雨量と比較してみても、以下のように気象庁のデータで合計雨量=1.95cmなのに、水位増加の平均=7.57cmもある。これは全く理屈に合わないが原因不明。もしかして流入が有るのか?
地下水位のAP+1.8m管理は液状化防止などにも関連しており、豊洲の重要な仕組みの一つ。これでは開場条件を満たしていないと思うが、中西氏などの早期移転論者は都合の悪いところは見ない。そのような言説が信頼できようもない。

イメージ 2

追記以上