「宇佐美典也」氏ブログに関して
宇佐美氏は、このところ豊洲問題で多数の論説を公表しておられるが、最新のブログに誤謬があると思われる。
----宇佐美氏ブログ 引用開始----
”「築地か豊洲か」という問題設定は間違っている”2017年03月07日 宇佐美典也
<⑨ 「地下水を飲めるくらい綺麗にしてから開場する」という石原都政下での発言は、2014年9月11日の港湾委員会で修正され、舛添知事が2014年12月9日に知事会見で安全宣言を行った>
----引用終了----
宇佐美氏は「2014年9月11日」の経済・港湾委員会での若林担当部長の答弁を取り上げておられる。しかし、その後の「同年12月22日」にも同委員会が有り、同じ若林担当部長が以下議事録のように「汚染地下水は環境基準以下に浄化する」と明言。
----平成26年(2014年)12月月22日 経済・港湾委員会 議事録抜粋----
○若林基盤整備担当部長 土壌汚染対策法では、自然由来の物質が存在する場合、形質変更時要届け出区域が残ることになり、この豊洲新市場用地においても同様でございます。
土壌汚染対策法の形質変更時要届け出区域とは、土壌汚染の摂取経路がなく健康被害の生じるおそれがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域とされており、土地の形質変更の際に、あらかじめその計画を届け出れば足りるというものでございます。
一方都では、豊洲新市場用地の安全・安心を確保するための対策の策定、対策実現のための具体的な技術、工法について検討する目的から、学識経験者による専門家会議及び技術会議を設置し、その提言に基づく対策を実施してまいりました。
当該用地における土壌汚染対策は、ガス工場操業地盤面から下二メートルまでの土壌は汚染の有無にかかわらず全て入れかえ、その上に二・五メートルの盛り土をすることに加え、操業に由来する汚染土壌を全て掘削除去し、汚染地下水は環境基準以下に浄化するなど、繰り返しになりますけれども、法の求める措置を上回る二重、三重の対策を実施したものでございます。
こうした万全な対策をとっていることから、形質変更時要届け出区域が残ることをもって、市場用地の安定性に問題があるとは考えておりません。
----抜粋終了----
更に、かち委員の<地下水の浄化は建物の下とそれ以外を区別せず、施設建設前に環境基準以下に浄化するとしてきた方針の履行はどうしていますか?>という質問に対し、<対策完了時の地下水の水質が基準以下であることを示す分析結果を確認>との答弁も同会議中で行っている。
以上
[追記]
同ブログで舛添発言についても取り上げられているので言及。まず宇佐美氏は舛添氏の2014年12月9日発言について次のように解釈しておられる。
<舛添知事は間接的な表現で「地下水を環境基準以下にする」という条件が意味がないから放棄して安全宣言を出す旨を伝えています>
しかし、本文の2014年12月22日若林担当部長の答弁で「地下水を環境基準以下にする」と明言されている。時系列的に見ても、この答弁の方が舛添氏会見より後であり、東京都としての見解は変わっていなかったことになる。
そして桝添氏会見発言の原文も以下に引用。
この中の「絶対にやれと法的に決められたものではなく」は、「何重にも安全な措置」が「法的に決められたものではない」と述べている。それは当然で「法を上回る措置」なのだから法に決まっているはずもない。また「二重三重の安全対策」で、前記のように「地下水を環境基準以下にする」も対策に含まれている。
舛添氏は開場条件にはしないが、「きちんとやる」と述べていて、「法を上回る二重三重の安全対策」をやること自体は変わりない。
----平成26年(2014年)12月9日舛添知事会見 豊洲質疑応答抜粋----
【知事】基本的には、まさに何重にも安全な措置を取ったということが一つ。それから、この土壌の安全措置というのは、絶対にやれという法的に決められたものではなく、これはこれできちんとやる。しかし、そこに市場を開設するかどうかは、その措置をやらないとできないというような、そういう決まりではありません。法律を調べればわかりますけれど、念には念を入れてきちんとそれをやったということをしっかり申し上げたのであって、これをやらなかったから開けませんとか、これやったから開きますという因果関係の話には法的にはなっておりません。しかしながら、きちんとそれはやって、安全だということで進めていくということです。もし不明であれば担当に聞いてください。どの法律の何に基づいてどうだということを、私よりきちんと説明できると思います。より明確に根拠を示せると思います。
----抜粋終了----
追記以上