kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

地下空間の底面対策等

地下水再調査の採水作業が公開されマスコミ各社が報道。採水・分析方法等は結果出るまで専門家に任せるとして、以下のネットニュースは動画中の平田氏コメントが興味深い。

まず換気対策。実験を繰り返すので時間がかかる。ただ換気は有効で提言に入るのは間違いないと思われる。
イメージ 1

換気の話は前からだが、今回の特徴的な話として「地下の床面対策」に言及があった。コメントからは「ガス上昇防止」ということで「気密」対策を考えていることになる。「元から絶たなきゃダメ」の発想。
イメージ 2

また、排水したとはいえ溜まり水の印象は強烈だから「水密」も要求されるだろう。「水密」・「気密」ともコンクリートは有効と思われる。
しかし、5街区は砕石むき出しで、6街区7街区も捨てコンなので水密効果は期待できない、という話が以前からあった。それが今回の画像によると、以下のように6街区も部分的に砕石むき出しになっている(フーチング周囲と思われる)。
イメージ 5

「水密」・「気密」で具体的にどのような対策が提言されるかは分からないが、対策実施する場合は対象範囲が広くなりそう。仮に「換気」と「水密・気密」の対策だけでも提言されたら、地下という場所の制約も含めて相当手間がかかる工事になる可能性あり。

そうなれば現状空間を「英知」と評価した佐藤PT委員に改めて見解を聞くことが必要になると思う。しかし、今週の週刊現代で、取材要請に対し同委員は次のようにコメント。
以前、私の発言が切り取られて批判に遭った。今は一切取材に応じないことにしています

「以前」というのは豊洲ではない感じだが、逆に豊洲では「英知」発言が多方面で引用され、移転派の論拠になっている。公式の第1回会合で議事録に載り、そのままになっているのだから影響は続いている。現在でも見解変わらないか?、変わったならどうなったか?、などを説明して頂くべき。ダンマリの方が誤解を助長しかねない。

しかも同氏は第2回PT会合で参考人に対して以下の発言。
事実と違う表現を用いて、都民の方に誤解を与える解説をした、それは専門家として行うべきことなのかと非常に疑問を感じました

参考人として来てもらっているのに、委員がこのような態度を取るとは常識外れと当ブログでは見てきた。逆に佐藤氏が本当に専門家の責任を重視するなら、現状見解を説明して頂きたい。小島座長も早急に語って貰えるようにすべきで、今のまま放置なら怠慢。

平田氏コメントに話を戻すと、地下空間での「アンモニア」が換気で消えたと言っておられる。
イメージ 4

地下の溜まり水は各党が個々に分析して発表し「やり過ぎ」というような声もあった。しかしアンモニア臭は余り取り上げられていなかったように思う。

検索してみたゲンダイの記事があった。ゲンダイらしいタイトル、とも思ってしまうが、内容は平田氏随行で公開された時の話で「アンモニア臭」と云う点では合致している。
----ゲンダイ記事引用開始----
地下に下りた瞬間、強烈な悪臭が記者の鼻腔を突き刺した――。…平田健正座長(放送大・和歌山学習センター所長)に随行できたのは、卸売場棟。…驚いたのは、1階から既に異臭が漂っていたこと。地下に近づくごとに臭いは強まり、実際に鉄製の扉で仕切られた“謎の空間”に足を踏み入れると、悪臭が鼻の穴の奥まで突き刺さる。

「地下空間の空気からは、最大で環境基準の8割超のベンゼンが検出されており、刺激臭の原因になっているとも考えられます。また、豊洲は荒川の底にたまったヘドロで埋め立てられている。ヘドロは腐った植物など有機物からできており、アンモニアから生成される亜硝酸性窒素が含まれています。体に取り込むようなことがあれば、赤血球の働きを阻害し、最悪、酸欠状態に陥る恐れがあります」(日本環境学会元会長の畑明郎氏)
----引用終了----

また、実際に番組中で分析実験したTV報道もあった。
----Jcast記事引用開始----
「あさチャン!」は興味深い実験をしてみせた。スタジオで横浜国立大の浦野鉱平・名誉教授に豊洲の青果棟地下に溜った水の水質検査を行ってもらった。アルカリ性が強いことは分かっているが、浦野教授の検査項目は「COD(主な汚染原因は生ごみ)」「アンモニウム(主な汚染原因は肥料)」「亜硝酸アンモニウムが加わった有害物質)」だ。特殊なキットを使って検査したところ、いずれも最高値を示した。とくに亜硝酸はひどい状態で、サンプルの最高値をはるかに上回る汚染ぶりだった。
----引用終了----

豊洲の地下からは色々出てくるものである。また上掲ゲンダイ記事の方は、ミニ重機の件も言及。
----ゲンダイ記事引用開始2----
■小型ユンボも動かせない狭さ
湿気は感じるが、空間内はひんやりしている。不可解なのは、天井が低すぎることだ。身長170センチの記者がかがまなければ、頭をぶつけるほどの位置まで梁がせり出していた。さらに、腰の高さまで配管が張り巡らされており、かがんだりよけたりしなければ歩くことさえ困難だった。

地下空間の用途について「土壌汚染再発時に重機を搬入し、掘削作業を行うため」と報じられたが、こんな狭い空間では小型ユンボですら動かすことはできまい。
----引用終了----

以下のように梁下制限や配管以外にも、吊り下げ枡やダクト?など色々配置されているる。特に先月公表結果のように広範囲で基準超えが出たら、都側が議会答弁していた「配管切り回し」など到底現実的とは思えない。
イメージ 3

こういうところもキッチリ見ているゲンダイは相当優秀。新国立競技場の頃から、豊洲も含め、結構まともな事実報道をしている。「マシンハッチ」があったから「ミニ重機を入れる」と短絡的解釈するマスコミより、ずっとまとも。

PTの方もゲンダイを見習って、ミニ重機投入に関して正式見解を出して頂きたい。「モニタリングと建築工事の並行実施」と「ミニ重機稼働用空間」の件は「盛土無し」問題の核心。

以上
[追記]
日刊スポーツでは、先日の専門家会議で示された平田氏の「地上・地下分離評価」の意向が今回公開でも語られたことを紹介。
----日刊スポーツ記事引用開始----
平田座長は「9月から約30センチ下がった。あと50センチ下げて(市場を)稼働する」と説明した。あらためて地上空間は問題がないとして、地下空間も「前にあったアンモニア臭もしない。地下は密閉なので、どうしても(物質が)たまりやすいが、地上と地下は分けて評価したい」と語った。
----引用終了----

ただし、小池氏の「 地上と地下を分けたとしても、生鮮食料品を扱う上では変わりがない」の意向は、そのままと思われる。平田氏は「専門家会議は都側とは全く別」と強調されて来ているが、実際に小池氏意向との関係は今後どうなるか。

追記以上