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(ミニ重機用空間付き)モニタリング空間の都側評価

1月30日「橋下x羽鳥の番組」に「論客面談」として水谷設計士が出演し、鋭い指摘を連発されたのは皆さんの中でも視聴された方は多いと思う。

特に「再調査の必要性」と「現状地下空間構造では困難」との指摘がポイントと思ったが、同様の見方のツィートもあった。
<今週の橋下羽鳥で、豊洲移転反対の水谷和子氏が「移転が妥当かの確認には大規模な再調査が必要だが豊洲の構造上それが不可能」と指摘。
賛成の橋下さんも、移転には再調査が不可欠と認めた上で「まだ諦めるのは早い」と訴えたがこの構造欠陥を打破する対案は出せず。これは橋下さんも降参か?>

下記右側画面で水谷氏が「ボーリング機械が入らない」と発言した後、橋下氏は話を変えるしか無かった。左側は冒頭テロップだが「かつて早期移転を主張」となっているところが番組通しての降参を表しているだろう。

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それでも、まだ「ボーリング機械入るのではないか」とか「掘削可能ではないか」と粘る方もネットでは一部見られるが、実際にやったら都民は「そこまでしなければならないのか」と改めて認識。また対策実施後は、今回も2年後に基準値超えが出たから、2年間モニタリング必要は明らかで、その分時間がかかる。

同番組は9月末時点で(正しいことを述べた)長谷川猛氏に橋下氏が無理筋で頭を下げさせるなどして、一旦は流れを変えるのに貢献した感はあった。今回は流れを引き戻す方で効果を発揮したと思える。

特に前述のように「現状地下空間では再調査も対策も困難」が示されたことは大きな転機になったと思う。当ブログで指摘してきた「ミニ重機投入は実際には困難で、リアリティがないアイデアレベルが成り行きで出来てしまった」との見方の妥当性を改めて確認。

ただし、肝心の東京都側の認識を検証報告で見てみると、重要な事実が判明。第1次報告後に「技術会議が地下空間提案した」との資料追加が虚偽だったことが判明し謝罪などの経過が有るにも関らず、第2次報告で地下空間が「合理的」と評価。「並行工事」も是としていることになる。

以下の最初と最後だけを読んでいただいても分かる内容になっている。「土対法改正(モニタリング)と建築工事を両立させる合理的解決策」と擁護し、「都の正式な方針にする動きを怠ったのが残念でならない」とまで書いている。「説明責任」も書いているが、「説明で合理性主張すべきだった」ということになる。
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環境影響評価書やN建の技術提案書等にも盛土があり、また設計打合せで都側が盛土有りをN建に検討依頼し「設計進行済み」を理由に断られたなどの経過も無視している。

それでいて都職員の苦労談は入れているが、市場関係者のご苦労には一切触れていない。また報告書で実質名指しされたM部長が主導否定で明確な推進者もいないのに、「正式方針にするための努力」とは一体何か。
東京都の内部優先の本性がよく分かった気がするが、ここまでとは思わなかった。また、第2次検証でこれだから、都側は最初から今まで一貫しているとみられる。

周りも、それに沿って動いているとすれば、佐藤委員の「(いきなり)英知発言」や森高委員の「(N建=都寄り)結論誘導」などの疑問が解けたり、小島氏・小池氏の追認(黙認)にもつながっている可能性は有りそう。市場長がPT論議途中なのに構造安全発言するなどは当たり前となり、外部識者も都側意向に合わせて動いている人がいるかも知れない。

内部情報は得られないから、これ以上の深掘りは難しいが、これは明確に言える。
第2次報告書が「並行工事と現状空間」肯定の趣旨であることは記述から客観的事実”

基本部分の重大な論点であり、都側認識を解明することは必須。水谷氏指摘も出たこの時点で、都議会やマスコミ等は次の点を質して頂きたい。
”都側は「モニタリングと建築工事の並行実施は正しかった」及び「現状空間は合理的解決策で正式方針にすべきだった」との見解なのか?”

なお、ミニ重機投入は別にして、地下にモニタリング出来る取水口を設けた事自体には納得性を感じる向きも有るかも知れない。しかし、専門家会議は「建物建設後は対応が困難」としていたし、技術会議も建物外に観測井(取水口)を配置。モニタリング完了前の建築開始は議会等で何度も懸念示され、現実にも今回基準超えが出た。都側の行動は工期短縮目的とはいえ、ギャンブルと同様で結果は無残な失敗。報告書は、その反省を示していない。

また、地下空間に関する構造安全はPTで約束された専門家同士の論議が残っており、当ブログで指摘してきた同空間のコスト問題も含め、まず前提として「ミニ重機対応とされる現状空間をどう捉えるか」について明確化必要。「合理的」か「リアリティ無し」かで見方も代わる。小島PTはここを避けないで正確な論議を行って頂きたいと思う。

以上