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橋下氏らの「安全・安心論議」の虚構

第9回モニタリングで基準値大幅超過の事態を受けて、識者?の中で「安全・安心」論議に持っていこうとする動きが見られる。典型的なのは橋下氏や池田信夫氏などで、例として前者のツィート。
<安全基準は論理的科学的。安心基準は主観的気持ち的。豊洲は安全だが安心がない。築地は安全はないが安心はある。どちらを選択するか。僕は前者。>1月20日橋下徹氏 

これは「安心は主観的気持ち=曖昧、キリがない」などということで、安心の方をdisる意図なのは見え見え。しかし、都側は法令に基づく対応は当然として、東京ガス工場跡地で汚染が検出されていた土地に移転するに当って更に検証可能な約束をしている。主要項目を以下の①~③に示し、現状を→以降に記す。また、その根拠となる議会答弁を「追記」に記載。
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①操業由来汚染の完全除去
 →第8回・9回のモニタリングにて基準超え発生、残存あり
②法令を上回る二重三重の対策
 具体例
 (1)「盛土とコンクリートでの2重封止」
   →肝心の建物下盛土無し、換気追加検討中
 (2)(法令に要請のない)地下水管理システム
   →AP+2m以下の目標未達成で達成見込時期も不明、
    その後の水位管理も豪雨時期の管理能力未実証
③指定解除
 →操業由来を除去して自然由来だけにして一般管理区域」を無くすことが出来るが、
  その取り組みの話は現在出て来ていない(自然由来で解除不可として反故?)
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結果的に①~③とも約束違反の状態。橋下氏らは、小池知事が市場関係者・議会・都民などに丁寧に説明して現状を納得させて貰いたいと言いたいのだろう。しかし、全部抜本的に改善するならまだしも、換気追加のような対症療法的な一部改善で移転を了承してもらうなど今や到底不可能と思える。つまり、橋下氏らは出来ない話を言い募っているだけの虚構に過ぎない。

小池氏は、この事態をもっと現実的に捉えていると推察される。例えば毎日新聞インタビュー記事で次のように述べたとのこと。結果的に「移転見直し」に舵を切るのではないか、というのが当ブログの現段階予想。
<移転を中止すれば、整備費の約6000億円が事業を撤退・縮小しても回収できない費用の「サンクコスト」になると指摘する一方で、移転すれば有害物質が検出されたことによる土壌汚染対策費や、運営に必要な光熱費などが増大するとの見方を示した。>1月17日

以上
[追記]
都議会での答弁例抜粋(以下だけでなく他の機会でも繰り返し答弁有り)
①操業由来汚染物質の完全除去
----2010年11月16日経済・港湾委員会----
〇臼田基盤整備担当部長 
専門家会議の豊洲新市場予定地におけます対策は、環境基準値を超過するベンゼン、シアン化合物、カドミウム、水銀、六価クロム及び十倍以上の砒素、鉛を操業に由来する汚染といたしまして、深度方向の調査を行った上で、すべて除去することとしてございます

②法令を上回る二重三重の対策
----2016年12月22日経済・港湾委員会----
〇若林基盤整備担当部長 
ガス工場操業地盤面から下二メートルまでの土壌を敷地全域にわたり、汚染の有無にかかわらず全てきれいな土と入れかえ、その上にきれいな土で二・五メートル盛り土をする。APプラス二・〇より下については、操業由来の汚染土壌を全て掘削除去し、地下水は環境基準以下に浄化するなど、法の求める措置を上回る二重、三重の対策であり、さらに、遮水壁の設置や液状化対策など、個々の対策を組み合わせた総合的な対策でございます。
----2012年3月19日経済・港湾委員会----
〇加藤基盤整備担当部長
このように、汚染物質の除去に加え、土壌の入れかえや二・五メートルのきれいな土による盛り土、舗装(当方注:建物部はコンクリート)などにより二重、三重の封じ込めを行うとともに、市場施設完成後につきましても、地下水位をAP二メートルまで下げることで、土壌や地下水からの汚染の摂取経路を完全に遮断してまいります。

③指定解除
----2011年3月2日経済・港湾委員会----
〇臼田基盤整備担当部長
  お話しの指定区域の解除につきましては、操業由来の区域については、汚染土壌を除去し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続していることを確認することで、形質変更時要届け出区域の指定を解除してまいります

追記以上