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小池氏の著書内容等

小池氏は2008年に共著で「東京WOMEN大作戦」という本を出して、その中で豊洲問題にも触れているとのこと。現在は入手が難しいようだが、豊洲部分について紹介している記事があった。

----「百合子本」記事抜粋開始----
東京都の小池百合子知事が都知事に就任してから1カ月あまりが経過した。今、都や永田町で、話題になっている小池氏の著作がある。08年に出版された「東京WOMEN大作戦」小学館刊)だ。・・・
 市場移転の問題は、「日本の環境政策を東京がリードする」の項で触れられている。小池氏は当時、豊洲の土壌汚染を「一生活者として不安だ」とし、築地市場アスベスト問題にも触れながら、「アスベストの処理をしながら建物を新築し、さらに営業も続けるのはかなり手間暇もかかるだろう」「それでも工法を工夫しながら、現在の場所で建物だけを立て直すのがいちばん妥当と思われる」と、指摘。築地での建て替えが「妥当」だとしていた。 
 その上で、豊洲については「東京五輪用のメディアセンターなど、食との関係の薄い分野で活用すればよい」と指摘していた。本書で「環境は必ず東京のメシの種になる」とも書いていた小池氏。本を出版する時点では、豊洲移転には慎重だったことがうかがえる。
----抜粋終了----

この内容からすると、2008年当時、以下のような考えで「豊洲移転には慎重」だったことになる。
 豊洲の土壌汚染は「一生活者として不安だ」
 ・築地での建て替えが「妥当」だ

2008年というと専門家会議・技術会議が開催されていた時期で、土壌汚染対策工事も行われていないわけで、建物まで出来てしまった現状とは全く異なる。立場も国会議員と都知事で違う。今は考えが変わっていても不思議ではないとしても、小池氏は変わり身も早いが頑固な面も有るように感じるので、当初における本音?の重要性は依然有るように思う。

では現在はどうかというと、昨年末の「新報道2001」において次のように言っておられた。
----新報道2001 2016年12月25日 文字起こし開始----
基本的に素晴らしい建物がもう既に出来ています。6千億かけて、確かスカイツリーが650億かかるということで、大体7、8本があそこに突き刺さっていると考えて頂ければ。だからこれも五輪会場問題と同じで「何でそんなにお金をかけるの?」という話。それでいて安全性に疑問が出て、そして業者の方が使い勝手が悪いと言っている。

でも第一に安全性の確認です。それは1月、来年年明けになりますと地下水のモニタリングは一応完了いたします。それによってまず一つの安全性が確認され、そして建築の安全性については地下の空間があっても、これは大丈夫であると。ただ今は水を抜いている作業を、例の溜まり水ですね。こういった作業をしますと、夏には最終的な判断ができる。

(司会者…7月8月あたりになると)
そのあたりになると思います。ただ、やはり業界の皆様方、移転を決めていた方々がやきもきされ、補償の問題がありますね。リース代を払わないといけないという問題があります。年の瀬も迫って歳末商戦の真っ只中と、これから来週なるわけですけど、そういったことを考えると皆さんのお気持ちをちゃんと汲み取りながら、ただ安全をしっかり確認したいと思っています。

(コメンテータ…安全が確認されれば来年夏にはゴーサインが出るかもしれないということですね?)
その確認することが、幾つかのポイントが出来れば、ということでありますが、これについては審議会を開くようにしています。
----文字起こし終了----

この発言からすると、安全性が確認されれば来夏に最終的判断ができるという方向になり、出演者もそのように理解しているように思える。
しかし、前述の小池氏当初意向も加味して少し深読みしてみる。現時点においては、表向きは移転決断の方向性を匂わしておいて、実際は都議選前の状況を見て色々考えるのではないか。つまり、「まだ流動的ではないか」というのが当方の感触。

なお、「審議会を開く」というのもポイントになりそう。豊洲問題では、これまで再召集された専門家会議と市場問題PTが検証を行っているが、「審議会」と正式に名前がつく会議は環境アセスメント時に設置される。そのことについて小池氏が昨年会見で言及している。

----小池知事記者会見(平成28年11月18日)抜粋開始----
<「環境アセスメント審議」というのがございます。こちらは、専門家会議と市場問題PTの検証を踏まえた上で、中央卸売市場が検証結果と対策をセットで環境局に変更届を提出するという手続でございます。
その環境への影響が軽微であると、このアセスメント審議で再アセスが不要であると判断いたしますと、手続は1、2か月で終わることになります。ということは、来年6月もしくは7月頃が想定されるわけでございます。一方で、この環境影響評価審議会再アセスを必要だと判断した場合には、ここからさらにプラス1年程度の時間を要することになるということで、最大15か月ということでございます。
つまり、アセスの手続を経て、必要な対策を講じて安全性が確保されるという結論が得られた段階で総合的な判断を進めまして、そして移転するかどうかということを判断するということになります。再アセス不要の場合は、判断のタイミングは来年の夏ぐらいになろうかと思います。
----抜粋終了----

ただ、この「環境影響評価審議会」は再アセスを行うかどうか審議することになるから、豊洲問題を総合的に判断して移転可否を決めるという役割ではないようにも思われる。この辺も含めて、やはり現時点では小池氏の肚の内は読みにくい。

以上