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都知事選における築地街宣時の小池氏発言

1月6日都知事会見の議事録が出ていて、11月測定結果公表は次のようになるとのこと。
<【記者】今度築地に視察に行かれるということなのですけれども、豊洲の水質調査の結果が今月中に出ると思うのですが、いつぐらいになりそうなのかということを教えていただければと思います。
【知事】先ほど1月12日に伺うという話をさせていただきました。豊洲の最後の地下水の安全性調査の結果でありますけれども、これは専門家会議が開催されることになっております。そのモニタリング調査の結果は、ちょうどその専門家会議が1月14日に開かれることになっておりますけれども、ここで調査結果について審議することになると思いますので、その日、もしくはその直前ということになろうかと思っております。>

その上で今後の進展に関しては、やはり「小池知事の意向」も大きな鍵になると思う。それでこれまでの小池氏発言の中から今まで当ブログで取り上げていなかった分を幾つか順次ご紹介。本日は都知事選における築地での街宣時発言を文字起こし。後述の考察に使用する段落に①~⑤を付加。

----文字起こし開始----
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法律的には既にセットされているという11月7日豊洲の移転の初めの日ですね、スタートの日に合わせて今逆算で移転の日数などが決まっておりますけども、まだ法律的にもクリヤしなければならないことは沢山ございます。

①例えば来月8月になりますと卸売市場法に基いて農水大臣に移転許可を申請するという法律的な行政的な作業がございます。そこで農水大臣は安全性も含めまして、卸売市場として適切なのかどうかということをまず審査が行われます。それが8月でございます。

②そして10月の下旬になりますと、今度は土壌汚染防止法、これに絡んで形質変更時要届出区域の指定を解除するかどうか、つまりこれによって安全宣言が行われるかどうかというのが次の段階。

③8月、10月、そしてそれをクリヤした上で11月7日を迎えるというのが日程・スケジュールになっているわけでございます。そういう中で(…)安全宣言が10月の時点で出せるのかどうか、これが最初に申し上げました安全性の確認、そしてそのことについて皆様に情報開示をして納得できるかどうかというような「デュー・プロセス」を経なければならないということでございます。(注:(…)の部分聞き取れず)

私この度突然の都知事選挙にあたりまして、やはりこの移転問題というのは大きな争点であり、そしてある意味では東京オリンピックパラリンピックの予算がどれぐらいかかってくるのか、これまでのエンブレム問題から全て不透明なところが多かった。それによって都民が「大丈夫かなあ」、国民が「これで一体いいの?」というような不安や疑惑を抱いた結果として迷走を続けている。この豊洲の移転問題も全く似たような構造が有ると私は考えているところでございます。

オリンピック・パラリンピック、そのための外環道(環状2号)を作らなければならない。逆算していくと11月7日のオープンというのはマストであるという行政側の逆算で「ここしかありませんよ」と言って迫ってきているわけでございます。そういう中でどうするのかということでございます。もちろんオリンピック・パラリンピックは成功させねばなりません。そのために都民の皆様方のご納得・ご理解ということなしに、みんなが頭のなかに「本当にこれでいいのか?」と思うようでは東京の2020オリンピック・パラリンピックは成功するとは思い難いわけでございます。

そこで今様々な問題点が噴出し、また関係者の方々でも意見が別れてしまっている。そしてまた豊洲に移転したからといって、実際に使い勝手はどうなんだ?、海水が使えないじゃないか、そしてまたフォークリフトが十分に使えない、荷重の関係で。かつ道路によって分断されている。鮮魚の部分と青果の部分が分断されていることによって、買い付けに来る方々にとって利便性は一体どうなのか、様々課題があります。

④そこで私は提案させて頂きたい。東京オリンピックパラリンピックは皆様方のご理解を得て大成功に導くということは大前提ではありますけども、安全性の確認、そしてまた実際に豊洲に移っての様々な使い勝手の問題、更には移転をする方々のご納得をいただく、そのためにはここは一歩立ち止まるべきだと思っております。更には11月ということになりますと年末年始の書き入れ時が迫っているわけでございます。

一歩立ち止まると言っても永遠に立ち止まるわけではございません。リアルな感覚を持ちながらも、関係者の皆様方がご納得いただけるような情報開示と皆様方との話し合い、もう既にこれをずっと重ねてきて、その上で合意形成と言うけれども、しかしながら未だにその合意形成が本物かどうかはかなり疑わしい。よって今私はこの立場になって、立候補するに当たりまして、もう一度関係者の皆様方のこれまでの経緯、これからのあるべき姿、このことにしっかり耳を傾けたいと思います。それが故に「ここは一歩立ち止まって考える」という言葉で私の考え方を申し上げておきたいと思っております。

⑥また跡地をどう活用するかということについても、途中「すしざんまい」と聞いていたんですけども、あの話が一体何でどうなったのか、そのこともよく検証しなければなりません。更にはこの跡地、どう活用するんですか。これこそ地域の皆様方のお声を聞いて、そしてまた東京オリンピックパラリンピックで、既にありますこの築地ブランド、江戸の胃袋を江戸の時代から守ってきたこの地は単に遺跡として残すわけにはいかない。どうやってこの地域を更に活性化し、外からのお客様ももっと呼び込むような魅力的な、そんな街づくりをしていくのか、これについては地域の皆様方や、それから2020年どころか、2050年の東京の絵図、意匠を盛り込んだそんな地域にしていこうと思っています。

小池百合子、この豊洲移転の問題、そして築地跡地の問題、まさしく私が申し上げている都民の都民による都民のための都政ではなくなっているという最たる例ではないかと、このように思いましてしっかりと正面から取り上げてまいりたいと思います。そして結論を出して、みんなで「ああ良かったね」、「あそこで一旦立ち止まったのは良かったね」と思えるような結論を引き出していまいりたいと思いますので、どうぞ皆さんご協力のほどをよろしくお願いを申し上げます。

----文字起こし終了----

[考察]
①農水大臣への移転許可申請(8月)
許可申請したという話はないので、小池氏当選によって実施されなかったと思われる。

②形質変更時要届出区域の指定解除(10月下旬)
→8月測定の基準値超えもあって、これも実施されていないことは確実。ただ、11月測定の結果が出ないと解除申請できないと思われ、この部分は小池氏の認識が不明。

③開場と安全宣言
→小池氏は、<安全宣言が10月の時点で出せるのかどうか>と述べており、開場前には「安全宣言」が必要という認識を示していると想定される。ただし、前項同様に、11月の測定結果が出る前の10月では、そもそも安全宣言は出せないと思われる。しかし、それは置いておいても「開場前に安全宣言必要」という認識は重要。

④延期提案
→これは知事当選後実際に行われた決定。ただ、モニタリング期間未終了だけでなく、11月は年末年始繁忙期ということも考慮していたようである。

⑤延期期間
→<一歩立ち止まると言っても永遠に立ち止まるわけではございません>と述べておられて、この当時は翌年1月判断で新たな開場時期を示せると考えていたと思われる。

⑥跡地活用
→<跡地をどう活用するか>ということで、前項と併せ再度開場時期を示して移転実施し、跡地利用は皆の声を聞いてしっかり考えるというスタンスだったことになる。

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結果的には、当選後に④の通り延期発表したが、その後は盛土無しが発覚し混迷状態に陥ってしまった。当然⑤⑥の話は棚上げ。しかし、この街宣発言は非常に重要な意味があると考える。それは、「小池氏が知事当選前から築地移転の基本的タイムスケジュールや課題を把握していた」ということ。鳥越氏ではそのようなことは全く望めず、増田氏も殆ど認識がなかっただろう。

その上で現在は、主に建前的な話で進めていると感じるが、裏では相当策を練っている可能性がありそう。一番注目されるのは、やはり「都知事選の争点」になってくるかどうか。争点にしようとすると、自民党は従来の流れで「移転推進」と想定できるから、小池新党として特徴を出そうとしたら違う主張にせざるを得なくなる。小池氏の肚の内はどうか。

ちなみに豊洲問題で知名度を上げた「おときた」議員は、「都民ファーストの会」の候補者入りを目指して、多分OKになるのだろう。今回の選挙は以下のように定員減4人→3人が直撃する。移転問題が争点になれば小池氏意向に合わせてくることが想定され、主張がどう推移するかなども若い政治家の行動例として一つのデータになるかもしれない。

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以上